【まとめ記事】『エアライフルハンティング』を始めよう!

エアライフルハンティング

「狩猟」という言葉を聞いて、「興味はあるけれど、始めるのは難しそう…」と感じる方もいるかもしれません。そんな方におすすめなのが、近年注目を集めているエアライフル猟です。この記事では、初期費用も低く、単独でも楽しめる、エアライフル猟の魅力や特徴について詳しく解説します。

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  1. 「エアライフル」は、空気や炭酸ガスを圧縮して金属弾(ペレット)を発射する銃
  2. 弾の落下(ドロップ)や風の影響(ドリフト)を受けやすく、射撃のウデが求められる
  3. 捕獲できるのはカモ、キジ、ヒヨドリ、キジバトなどの鳥類。ヌートリアやタイワンリスなどの中小型獣
  4. エアライフル猟は、田畑や雑木林、河川敷など、身近な場所が猟場になるので、気軽に狩猟ができる
  5. 銃所持に必要な経費や毎年の狩猟者登録料が安い
  6. 弾も散弾銃やライフル銃に比べて格段に安い
  7. エアライフル本体の値段は高い
  8. エア漏れの故障を防ぐためには、定期的なオーバーホールメンテナンスが必要

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目次

エアライフルとは?

  銃を使った狩猟では、火薬の燃焼ガス圧で弾丸を発射する装薬銃と、空気圧や炭酸ガス圧を利用して弾丸を発射する空気銃の2種類が使用できます。今回ご紹介するエアライフルは、空気銃の一種です。

エアライフルは〝圧縮空気〟で弾を発射する銃

「空気銃」という名称から〝玩具〟のような印象を受けるかもしれませんが、玩具の「エアソフトガン」と猟具の「エアライフル」は、その性能において大きな違いがあります。
 日本の法律では、射出する弾のパワーによって、空気銃を上図のように分類しています。狩猟に使用するエアライフルはエアソフトガンと比較して、パワーに〝百倍以上〟の違いがあり、人に当たれば死傷させるほどの力を持っています。

エアライフルの構造

 エアライフルの仕組みは大きく4種類ありますが、近年では「プレチャージ式」と呼ばれるタイプが一般的です。プレチャージ式などの仕組みについては、下記記事で紹介しているので、併せてご覧ください。

エアライフルの特徴

 エアライフルは、装薬銃のライフル銃や散弾銃とはまったく異なる特徴を持っています。ここではその特徴について、いくつかご紹介します。

発射音が装薬銃に比べて小さい

 エアライフルは空気圧で弾を発射するため、火薬を使用する装薬銃に比べて発射音が小さいのが特徴です。散弾銃やライフル銃の発射音が〝爆音〟を響かせる一方で、エアライフルの発射音は「パンパンに膨らませた風船を針で突いたときの音」程度しかありません。
 一般の方が発射音を聞いた場合、散弾銃やライフル銃であれば驚いて警察に通報するかもしれませんが、エアライフルであれば「どこかでタイヤがパンクしたのかな?」程度にしか感じないかもしれません。

エアライフルはバリエーション豊か

 エアライフルの特徴として、デザインのバリエーションが豊富な点が挙げられます。装薬銃に比べて射撃時の反動がほとんどないため、オーソドックスな「ライフル形状」にこだわる必要がありません。
 そのため、近年のエアライフルは、ブルパップやサムホール、ミリタリー風デザインなど、多種多様なデザインで開発されています。

装薬銃よりも射撃の〝ウデ〟が必要とされる

 エアライフルによる射撃は、「装薬銃よりも簡単だ」と思われがちですが、実際はまったく逆です。ベテランのライフルマンでも「エアライフルは扱いが難しい!」と言わしめるほど、扱いには射撃の技術が求められます。

装薬銃よりもドロップが大きい

 エアライフルの弾はライフルの弾に比べて〝各段に遅い〟です。そのため、距離による弾の落下(ドロップ)がエアライフルの方が大きく、その落下を補正するための照準補正が必要になります。この照準補正のためには、標的との正確な距離の測量と、弾道の計算が必要になります。
 照準補正につい詳しくは、「ゼロイン」に関する記事をご参考ください。

弾が軽くドリフトが大きい

 エアライフルに使用される弾は「ペレット」と呼ばれており、重さは1グラム程度しかありません。そのため、10グラム以上あるライフル弾頭に比べて、風に流されやすいという特徴があります。
 この風の影響は「ドリフト」と呼ばれており、どのくらいペレットが風に流されてるのかは、そのときの風速・風向・初速・距離によって変化します。
 

撃ち上げ・下げの補正が必要

 ドロップやドリフトに比べて影響は小さいですが、エアライフルの射撃では銃の撃ち上げ、または撃ち下げする角度によって、照準をわずかに〝下〟へ補正する必要があります。この「撃ち上げ・撃ち下げ問題」について詳しくは、下記記事で解説しています。

弾代が圧倒的に安い

鉛のペレット

 エアライフルはドロップやドリフトの影響を大きく受けるため、かなりの数を撃ち込んで練習する必要があります。そのため、弾を大量に消費することになるのですが、エアライフルのペレットの値段は「1弾12円程度」です。
 これは、ライフル弾が1弾500~800円、散弾銃のスラッグ弾が1弾200~300円するのに比べると、「激安」と言えます。弾代を気にせずにたくさん練習できるのは、エアライフルの大きなメリットです。

エアライフルハンティングってどんな猟?

 近年、新規狩猟者の間でエアライフル猟が人気を集めている大きな理由が、「一人で気楽に楽しむことができる」ということです。

ひとりで気軽に狩猟ができる

 一般的な銃猟は「猟隊」と呼ばれるグループに属することが一般的ですが、このような付き合いは時間的・人間的な制約が発生します。もちろん、このような付き合いが「すべて悪い」とは言いませんが、忙しい現代社会において「気軽に狩猟を楽しみたい」というのは、一つの大きなニーズだと言えるでしょう。

メインターゲットは鳥類

 エアライフルは200 [J/㎠] 以上のパワーを持つため、3.5[J/㎠]以下のパワーしか持たないエアソフトガンとは比べ物にならないほど強力です。しかしそれでも、3,000 [J/㎠] 以上のパワーを持つライフル銃には及びません。
 そのためエアライフル猟ではイノシシやシカといった大型獣を捕獲することはできません。獲物となるのは「キジ」「カモ」といった大型鳥や、「ヒヨドリ」「キジバト」などの中型鳥、または「ヌートリア」などの中型獣から「タイワンリス」などの小型獣になります。

猟場は田畑や河川敷などの身近な場所

 これらの獲物は、山の奥深くではなく、田んぼや畑、雑木林、河川敷など、比較的住宅地に近い位置に生息しています。
 このような場所で散弾銃を撃つと、騒音で近隣に大きな迷惑をかけてしまいます。しかし、エアライフルは発射音が小さいため、騒音を気にすることなく発射できます。

山用の車や、特別な装備は必要ない!

 エアライフル猟のスタイルは、獲物がやってくるまで隠れて待つ「待ち猟」と、獲物が居そうな場所を巡る「流し猟」の2種類になります。
 装薬銃での狩猟の場合、山に入るための道具や、軽トラなどの運搬車両が必要になりますが、エアライフル猟には特別必要な道具などは無く、服装も普通のアウトドア用ファッションで十分です。

子供と一緒にハンティングを楽しめる

 山の中を歩き回る銃猟は、危険な目に遭うことも多いアウトドアです。しかし、エアライフル猟は身近な場所での狩猟になるので、子供と一緒に狩猟を楽しむことができます。
 もちろん、エアライフルは〝実銃〟なので子供に撃たせることはできません。しかし、狩猟の独特な雰囲気や緊張感、動物が〝肉〟になる瞬間を見せてあげることは、子供にとって非常に良い経験になることでしょう。

エアライフル猟を始める費用

狩猟者登録

 エアライフル猟(第二種銃猟)は装薬銃の猟(第一種銃猟)に比べて様々な面で費用が安く、始めるまでの手続きが簡単というメリットがあります。

必要な経費は、ざっくり「半額」

 第一種銃猟と第二種銃猟を始めるのに必要な経費は上図のとおりです。ざっくりした計算ですが、第二種銃猟は「射撃教習が必要ない」という点で4万円ほど安くなり、さらに「狩猟者登録の狩猟税が安い」という点で1万円ほど安くなります。
 さらに、先述の通り、エアライフは弾代が安いです。射撃の練習も大口径ライフル射撃場で1日2,500円ほどで利用できるため、散弾銃のクレー射撃練習(1日約2万円ほど)と比べて激安です。

ただし、銃本体の値段が高い

プレチャージ式エアライフル エアタンクから空気を入れる

 エアライフルは「お財布にやさしい」ように思えますが、1つ大きな問題があります。それは〝銃本体の値段が高い〟ことです。
 機種にもよりますが、プレチャージ式エアライフルは、新銃で20~50万円ほどします。さらに、照準器であるスコープと、空気を入れるためのエアチャージャー(エアタンク等)を購入すると、出費は30~60万円近くかかります。

オーバーホールメンテナンスが必要

 また、エアライフルは、散弾銃やライフル銃に比べて「壊れやすい」という短所があります。これも機種によって違いがありますが、一般的なプレチャージ式エアライフルは、部品内に「Oリング」と呼ばれるゴム製部品が使われています。このゴム製部品は経年劣化で〝必ず痛む〟ので、運が悪いと購入して2、3年で「エア漏れ」という故障が起こります。
 このエア漏れを防ぐためには、3、4年程度でオーバーホールメンテナンスを行うことが推奨されています。

まとめ

  1. 「エアライフル」は、空気や炭酸ガスを圧縮して金属弾(ペレット)を発射する銃
  2. 弾の落下(ドロップ)や風の影響(ドリフト)を受けやすく、射撃のウデが求められる
  3. 捕獲できるのはカモ、キジ、ヒヨドリ、キジバトなどの鳥類。ヌートリアやタイワンリスなどの中小型獣
  4. エアライフル猟は、田畑や雑木林、河川敷など、身近な場所が猟場になるので、気軽に狩猟ができる
  5. 銃所持に必要な経費や毎年の狩猟者登録料が安い
  6. 弾も散弾銃やライフル銃に比べて格段に安い
  7. エアライフル本体の値段は高い
  8. エア漏れの故障を防ぐためには、定期的なオーバーホールメンテナンスが必要

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