「狩猟」という言葉を聞いた人の中には、「興味はあるけど、実際に始めるのはちょっとハードルが高いかも・・・」と思われた方も多いのではないでしょうか?
そこで近年注目を集めているのがエアライフル猟です。エアライフル猟は一般的な銃猟よりも始めるための費用が安く、さらに単独で狩猟ができるため無理なく狩猟を続けられます。
そこで今回はエアライフル猟について詳しくお話をしたいと思います。
エアライフルってなに?
狩猟には、散弾銃やライフル銃のような”猟銃”と呼ばれる銃を使った第一種銃猟、くくりわなや箱わななどを使った罠猟、無双網や突き網などを使った網猟、そして、エアライフルと呼ばれる銃を使った第二種銃猟の4種類があります。
エアライフルは”空気”で弾を発射する銃
第一種銃猟で使用する猟銃は、金属製の弾頭を火薬の燃焼ガスの圧力で押し出して発射します。このような火薬を使った銃は装薬銃と呼ばれます。対して、第二種銃猟で使用する銃は、空気や炭酸ガスといった気体を銃の内部で圧縮し、その気体の圧力を開放して金属製の弾頭を発射します。このような空気圧を利用した銃は空気銃と呼ばれ、そのなかでも狩猟に特化した性能を持つ空気銃をエアライフルと呼びます。
玩具っぽく聞こえるが、超強力!
「空気銃」という言葉には、どことなまく玩具のようなイメージがありますが、玩具のエアソフトガンと猟具のエアライフルは、強度の面でまるで雲泥の差があります。
空気銃は、発射できる弾の威力により、『エアソフトガン』、『準空気銃』、『所持に公安委員会からの許可が必要な空気銃』の3タイプに分類できます。この『所持許可が必要な空気銃』は『エアソフトガン』に比べて、およそ数百倍以上も威力に差があり、人に弾が命中した場合は死傷させるほどのパワーがあります。
発射音が装薬銃に比べて小さい
空気圧で弾を発射するエアライフルは、火薬を使う装薬銃に比べて、発射音は格段に小さいです。音の大きさを文字で表すのは難しいのですが、具体的に散弾銃やライフル銃の発射音が
「ゴゥーーンッ!!」
だとすると、エアライフルの発射音は、
「パシュンッ!」
ぐらいです。
もし発射音を一般の人が聞いた場合、散弾銃・ライフル銃では驚いて警察に通報するかもしれませんが、エアライフルでは「ん?どこかでパーティー用のクラッカーでも鳴らしたかな?」程度にしか思われないはずです。
装薬銃よりも射撃のウデが必要とされる
エアライフルによる射撃は、ライフル銃による射撃と比べて簡単そうに思われがちですが、実を言うとその逆で、エアライフル射撃はライフル射撃以上に射撃のウデが必要です。
まずエアライフルで使うペレットと呼ばれる小粒の鉛弾は、ライフル弾に比べて十分の一程度の重さしかないため、風による影響をモロに受けてしまいます。またライフル弾は秒速360m、エアライフルのペレットは秒速200m程度しかないため、弾が同じ距離に到達するまでに落下する長さは、ペレットの方が大きくなります。
つまりエアライフル射撃はライフル射撃以上に、風の影響によるペレットの移動量(ドリフト)と、距離による落下量(ドロップ)を計算して発射しなければなりません。さらにライフル弾は威力が高いので、とりあえず命中すれば獲物を捕獲することができますが、エアライフルはパワーが低いため、より正確に獲物の急所(バイタルポイント)に命中させなければなりません。
エアライフルハンティングってどんな猟?
一般的な第一種銃猟は“猟隊”と呼ばれるグループを組んで狩猟をするため、朝早く集合したり、猟隊のしきたりに従わなければならなかったり、獲物を解体するまで帰れなかったりと、人づきあいや時間的な面で色々大変です。しかし第二種銃猟は基本的に単独行動なので、自分の好きな時間に狩猟を楽しむことができます。
メインターゲットは鳥類
エアライフルはエアソフトガンに比べて圧倒的なパワーを持っていますが、さすがに3,000 [J/㎠] 以上のパワーを持つライフル銃とは比べ物になりません。
そのためエアライフルハンティングでは、キジのような大型鳥を始め、ヒヨドリやキジバト、スズメなどの小鳥、またはマガモ、カルガモといったカモ類がメインターゲットになります。
猟場は田畑や河川敷などの身近な場所
これらの鳥は、田んぼや畑、雑木林、河川敷などに生息するため、猟場は比較的身近な場所になります。このような場所は必然的に民家が近くなりますが、エアライフルは散弾銃やライフル銃に比べて発射音が小さいため、騒音を気にすることなく発射できます。
山用の車や、特別な装備は必要ない!
エアラフルハンティングは、比較的人里に近い場所で鳥類をメインターゲットにする狩猟スタイルなので、山道を走るためのオフロード仕様車や、獲物を運ぶための軽トラック、また、無線機や狩猟ウェアといった特別な装備は必要ありません。よって、普段着のまま自転車に乗って猟場を回るような楽しみ方もできます。
子供と一緒にハンティングを楽しめる
山の中を歩き回る第一種銃猟やわな猟は、危険な目に合うことも多いアウトドアですが、エアライフルは身近な場所での狩猟になるので、子どもたちと一緒に狩猟を楽しむことができます。
もちろん、エアライフルは”銃”なので子供に撃たせることはできませんが、狩猟の独特な雰囲気や緊張感、動物が”肉”になる瞬間を見せてあげることは、子どもたちにとって、とても良い経験になります。
エアライフルハンティングは経費も安い
第二種銃猟は第一種銃猟に比べて様々な面で費用が安く、始めるまでの手続きが簡単というメリットがあります。射撃に使うペレットも、散弾銃の散弾実包(30円~300円)、ライフル実包(200円~700円以上)と比べて、1発5~20円程度なので、お財布にも優しいといえます。
エアライフルはメンテナンスが重要
エアライフルハンティングは、始めるまでの費用や弾代は安いのですが、銃のメンテナンスには十分に気をつかわなければなりません。
火薬を使用する装薬銃は、クロムモリブデン鋼やスチールなどの強度のある金属が使われるため、滅多なことでは故障しません。しかしエアライフルの場合は、エアを封止するためにゴムやプラスチックなどの部品が多く使われているため、できれば猟期前と後の年2回のメンテナンスと、3年に1回のオーバーホールをした方が良いです。特にPCP(プレチャージ式)と呼ばれる高威力のエアライフルは、メンテナンスを怠ると精度が悪くなるため注意しましょう。
エアライフルはバリエーション豊か
エアライフルは空気圧を利用するため、装薬銃に比べて発射時の反動がほとんどありません。そのためエアライフルは強度を気にせず設計できるため、装薬銃に比べて色々なデザインがあります。一般的なライフル銃に似せたタイプはもちろん、散弾銃のようなデザイン、エアタンクがむき出しになった機能的なデザイン、グリップが機関部よりも前に突き出した”ブルパップ”と呼ばれるデザインも人気です。
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まとめ
- エアライフルは空気やガスを圧縮させて弾を発射する銃。捕獲できるのはカモやキジ、ヒヨドリなどの鳥類
- エアライフル猟は、田畑や雑木林、河川敷など、身近な場所が猟場になるので、気軽に狩猟ができる
- 銃所持に必要な経費や毎年の狩猟者登録料が安い。弾も散弾銃やライフル銃に比べて格段に安い