鹿肉の美味しい焼き方 ! 絶対に失敗しない究極の〝裏ワザ〟もご紹介します

鹿ステーキ

 鹿肉ステーキ(ロティ)は、ハンターであれば誰もが「自分で仕留めた鹿で作りたい!」と願う、ジビエ料理の代表格です。しかし、鹿肉はその火入れ加減一つで大きく味が左右されるため、ステーキにするのは非常に難しい食材です。そこで、確実に美味しく仕上がる「鹿肉の焼き方」を解説します。

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  1. 鹿肉は常温に戻しておく
  2. 表面をバターで焼いて、オーブンで130℃・15分。焼いた後はしっかりと休ませる
  3. 低温調理器を使えば、放っておくだけで美味しい鹿肉ステーキができる
  4. 超簡単でオススメなのは、塩分濃度5%のブライン液で冷凍鹿肉を解凍し、スキレットで焼くだけ

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目次

鹿肉の焼き方の『基本』

鹿のステーキ

 肉を焼いた料理は一般的に「ステーキ」と呼ばれますが、実はこのステーキという言葉は、元々「焼いた鹿肉」を意味する古代ノルド語の“steik”に由来しているという説があります。つまり、鹿肉を極めることは、ステーキを極めることと同義なのです!

まずは肉を常温に戻す

鹿肉は冷蔵庫から出して

 鹿肉を焼く上で最も重要なのは、肉を常温に戻すことです。冷蔵庫から取り出したばかりの肉は4~5℃と低温であるため、そのまま火にかけると、肉の内部に熱が伝わる前に表面が過剰に加熱され、外側はパサパサ、内側は生焼けの状態になってしまいます。
 そのため、鹿肉を焼く際は、調理を始める2時間ほど前に冷蔵庫から取り出し、常温に戻しましょう。また、この時に肉にたっぷりの塩と香辛料を振りかけ、味と香りを染み込ませておきましょう。

バターで表面を焼き、動物性脂分を加える

 肉を常温に戻し、余分な水分を拭き取ったら、次に食感を向上させるために表面を焼きましょう。フライパンにたっぷりのバターを入れ、鹿肉の表面をバターでコーティングするように焼いていきます。
 鹿肉は脂肪分が少ないため、牛肉や豚肉に比べて非常にヘルシーです。しかし、そのまま焼くと肉汁(ドリップ)が流れ出てパサパサになりやすく、食感が損なわれます。そのため、鹿肉を焼く際は多めのバターを使用し、肉に脂肪分を補うようにしましょう。
 油分はサラダ油やオリーブオイルのような植物性油脂よりも、動物性油脂の方が鹿肉との相性が良いです。

オーブンで温めるように加熱する

シカのオーブン

 肉の表面に焼き色が付いたら、金属製のバットかアルミホイルの上に肉を並べ、130℃に予熱したオーブンで15分ほど加熱します。
 一般的に肉を焼く(ローストする)温度は170~200℃、時間は8分程度ですが、鹿肉を高温で焼くとレバーのような臭いが強くなり、食感もパサパサになります。したがって、鹿肉は130℃程度の低温でじっくりと加熱し、肉を温めるようなイメージで火を通します。肉の中心温度が75℃程度であれば、食中毒のリスクを抑えられます。

肉質が落ち着くまで休ませる

 オーブンから肉を取り出したら、すぐにカットせずに金属製の網の上に並べ、肉を休ませましょう。鹿肉は高温のままスライスすると、肉汁が流れ出てベチャベチャになり、ジューシーさが失われます。肉の粗熱を取り、肉汁を内部に閉じ込めてからカットすることで、より美味しくいただけます。

 丁寧に調理された鹿肉は、口の中に豊かな旨味と野性味が広がる至高の味わいです。その感動を言葉で表現するならば、〝原始的な喜び〟と言えるでしょう。
 DNAの奥底から湧き上がる肉を食す喜び‥‥ああ!素晴らしい!明日を生きるための生存本能を呼び覚ますような、魂が喜ぶ味わいですッ!!

失敗無しの調理法

 さて、ここまでにご紹介したのは、フレンチのプロに教えてもらった調理方法です。しかし、肉を常温に戻したり、オーブンの温度管理をするなど、ちょっと手間がかかりますよね?そこでここからは、もっと簡単で、失敗の無い鹿肉の火入れ方法をお話します。

低温調理器を使用する

鹿肉の低温調理
低温調理した鹿肉

「肉を常温に戻したり、休ませたりするのは面倒だ!」と感じる方には、低温調理器の使用をおすすめします。低温調理器を使えば、肉をジップロックに入れて、水を張った鍋の中に入れて放置するだけ。30分程度で火入れが完了するため超簡単です。
 最後に表面をバターで軽く焼き上げれば、誰でも失敗なく鹿肉料理を完成させることができます。

究極!『ブライン液で解凍して、スキレットで焼く』

 私が良く行っている〝超簡単〟な調理法は、冷凍した鹿肉のブロックをブライン液に漬け込んだ状態で解凍し、適当な大きさにカットしてスキレットで焼くというものです。
 ブライン液とは、塩と砂糖を水に溶かしたものです。ソミュール液と似ていますが、ブライン液は塩分濃度が5%程度(海水に近い濃度)であるのに対し、ソミュール液は15%と塩分濃度が高いため、主に燻製を作る際に使用されます。
 このブライン液に漬けたまま解凍することで、鹿肉は適当に焼いてもパサつきにくくなります。さらに、スキレットで焼くと余熱でじっくりと火が通るため、より一層パサつきを防ぐことができます。

 私の好きな調理法は、スキレットにカットした野菜を敷き、ブライン液でもどした鹿肉を乗せて焼く料理です。ある程度火が通ったら鹿肉を食べやすい大きさにカットし、火からおろしてスキレットの余熱で熱を最後まで通します。
 味付けは塩胡椒で十分ですが、ナンプラーとオイスターソースを加えて中華風にするのが好きですね。超簡単で絶品鹿肉ステーキが楽しめますよ!

まとめ

  1. 鹿肉は常温に戻しておく
  2. 表面をバターで焼いて、オーブンで130℃・15分。焼いた後はしっかりと休ませる
  3. 低温調理器を使えば、放っておくだけで美味しい鹿肉ステーキができる
  4. 超簡単でオススメなのは、塩分濃度5%のブライン液で冷凍鹿肉を解凍し、スキレットで焼くだけ

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