猟銃・空気銃の所持を検討するさい、多くの人が悩むのが銃の保管場所です。ガンロッカーによる自宅保管と、銃砲店・射撃場への委託保管、どちらが自分に合っているのでしょうか?それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
自宅保管のメリット

猟銃・空気銃の保管方法は、ガンロッカーによる自宅保管と、銃砲店等による委託保管の2種類があります。まずは、自宅保管の3つのメリットと、保管する上での注意点について解説します。

自宅保管の メリット①:銃を自由に取り出せる

自宅にガンロッカーを設置する最大のメリットは、銃を使いたいときにいつでも取り出せることです。委託保管の場合、銃砲店や射撃場の営業時間外は銃の出し入れができません。急な狩猟や射撃の予定が入った場合でも、自宅保管なら柔軟に対応できます。
自宅保管の メリット ②:ランニングコストがかからない
委託保管には月々2,000円~3,000円程度の保管費用がかかりますが、自宅保管ならガンロッカーの購入費用のみで済みます。長期的に見ると、自宅保管の方が圧倒的にコストを抑えられます。
自宅保管の メリット ③:いつでも銃に触れられる嬉しさがある

狩猟や射撃は〝趣味〟なのですから、身近に銃があるというのは大きな喜びです。特に銃を所持したてのハンターは、夜な夜な「据銃練習100回ッ!」なんてことをやります。しかしこれはお遊びではありません。銃という道具を手と体に馴染ませるためには、定期的に銃に触れておくことが大切なのです。

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委託保管のメリット

家庭環境や住宅事情などの理由で銃の所持を諦めていた方も、委託保管なら所持できる可能性があります。そこで、委託保管の4つのメリットについて解説します。
委託保管のメリット ①:家庭環境による銃所持の障壁が低くなる
委託保管の最大のメリットは、家庭環境が理由による銃所持の障壁が低くなることです。銃の所持許可制度では、特定の精神病者や自殺歴を持つ人などが同居している場合、銃を所持することができない決まりになっています。
しかし銃を自宅ではなく委託保管にしておくと、相対的欠格事項(法律上はダメだけど、条件によってはOK)という扱いで、許可が下りるケースもあります。
委託保管のメリット ②:自宅の防犯設備を整えなくてもよい

銃を保管するガンロッカーは、押し入れなどの人目に付きにくい場所に置き、柱へネジ止めするなどして、簡単に動かせないように固定しなければなりません。
よって、ガンロッカーを設置するスペースが無い場合や、賃貸物件などで「家の壁や柱にネジ止めできない」ような場合は、委託保管にした方がよいでしょう。

委託保管のメリット ③: 自宅保管NGの物件でも銃を所持できる
特に都心の賃貸マンションに多いのですが、大家さんの意向により「室内で銃保管NG」の場合があります。これは不動産を契約するときの重要事項説明書に書かれており、「ペット不可」や「楽器不可」などと併せて「銃砲および爆発物等の保管不可」という記載がある場合があります。こういった物件に住まなければならない場合でも、委託保管であれば銃を所持することができるかもしれません。
委託保管のメリット ④:メンテナンスを依頼しやすい

銃砲店に委託保管をする場合は、銃のメンテナンスを依頼しやすいというメリットがあります。銃のメンテナンスは自分自身で行うことができますが、やはり、プロの銃砲店にやってもらった方が確実です。委託保管であればメンテナンスを頼みやすいので、銃の故障を未然に抑えることができるのです。
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自宅保管と委託保管を選ぶ場合の基準

基本的には『自宅に保管できない理由がある場合は委託保管』になります。しかし、別の見方として、自身の狩猟・射撃のスタイルに合わせて選択するという考え方もあります。
狩猟・射撃をする日が決まっている場合
射撃を行うのが「土日祝日」など決まっているようであれば、防犯性の高い委託保管がおすすめです。銃は、使用する予定日の前日に返却してもらい、その日の夜は自宅で管理しましょう。
なお、このときの銃は〝保管中〟ではなく〝運搬中〟という扱いになります。ガンロッカーのような保管設備は必要ではありませんが、「人目に付く場所に置いておかない」「分解して鍵のかかるケースなどに収納する」など、最低限度の防犯措置は必要になります。
長期で銃を使用する予定が無い場合
猟期中、または年に1,2回しか射撃をしないのであれば、委託保管をした方が良いでしょう。委託保管は費用がかかるというデメリットがありますが、長期契約することで割引が適用される場合があります。
私が以前、長期出張のために委託保管していた銃砲店では、1年間で12,000円(月々1,000円)で預かってもらえていました。
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まとめ
- 自宅保管の長所は、いつでも銃を扱えることと、ランニングコストが無いこと
- 委託保管の長所は、所持障壁の低さと、防犯性の高さ
- 自宅保管が一般的だが、最近は委託保管をする人も増えている
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