シカ肉の歩留まりはわずか12%。雑肉の活用で利益率は改善できるのか?

1頭のシカから取れる食肉は、体重のわずか「12%」ほどしかありません。
​今回解体した2歳のメスジカの場合、目方は約35キロ。
そこから背ロースとモモ肉を精肉して真空パックにして計量したところ、およそ4キロの収量でした。

​私はこれまで全国のジビエ処理施設を取材してきたので実感として分かりますが、「シカは商品価値として利益が薄いジビエ」です。
歩留まりが30%を超えるイノシシに対して圧倒的に利幅が薄く、処理施設によっては「シカは扱いたくない」と嫌がられることもあるほど。
シカの商品価値がもっと上がらないと、これからのジビエ業界は苦しいのではないか……と、常々思案していました。

​そんなことを考えながら解体していたところ、会員のハンターさんから
「捨てる肉があれば持って帰っていいですか?」と声をかけられました。
​シカのバラ肉やスネ肉は「雑肉」と呼ばれることも多く、スジが多いため一般的に食用には向きません。
しかし、そのハンターさんはありったけの雑肉を持ち帰ろうとします。
​「そんなお肉をどうするんですか?」と伺ったところ、
「飼っている犬に与えると、すごく喜ぶんです!」とのこと。
​なんでも、オーブンでカリカリに焼いて自家製ジャーキーにすると、ワンちゃんにとって最高のごちそうになるのだそうです。

​なるほど、その手があったか。
スジの多い部位は、確かに食卓に並べるほどの魅力はありません。
しかし、カリカリに焼けば日持ちもするし、無添加のペット用おやつとしては最適です。
​試しに、私もその雑肉をスキレットでカリカリに焼き、ハサミで細かく切ったものを食べてみました。
​……ふむ、噛めば噛むほど味が出て、これはいいおつまみになる。
最近ちょっと間食が増えて気になっていたのですが、これなら高タンパク・低脂質でヘルシーですし、お腹にも溜まります。

早速鉛筆をナメナメ​、「雑肉」の活用を加えると、シカの歩留まりは12%から15%に向上します。
これに、プレミアムおつまみやペットフード需要に対する付加価値を含めると……ふむふむ。
イノシシの利益率には及ばないものの、売り方ではビジネスとして大きく改善できそうです。
​厄介者扱いされがちな鹿肉の、隠されたポテンシャルと可能性を深く考えさせられた出来事でした!

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