先日捕獲したオスジカの精肉作業を行いました。
体重60キロ、精肉は約8キロだったため、歩留まりは13%程度です。
通常に比べて低い数字ですが、これは片モモの一部とと片前脚がひどく傷んでいたため。
おそらく罠にかかって暴れたことによる打撲が原因でしょう。
これらの痛みがなければ、歩留まりは20%程度にはなっていたはずです。
さて、「ジビエの品質」だけを考えた場合、罠猟というのはあまり良い捕獲手段とは言えません。
罠猟は原則として毎日の見回りが義務付けられていますが、それでも獲物は罠にかかってから数時間から半日以上、激しくもがくことになります。
このような高ストレス状態が続くと、動物の体内では「コルチゾール」というストレスホルモンが上昇し、「ムレ肉」などと呼ばれる肉質劣化が生じることが、畜産業界では広く知られています。
それでは、最もジビエに向いた捕獲方法とは何か?
それは、遠距離から銃で一発で頭部を撃ち抜いて即死させる「クリーンキル」です。
私の知り合いに「クリーンキルのみ扱うジビエ処理施設」を運営している方がいます。
その方の扱うジビエは圧倒的に肉質が良いため、すべて高級レストランでのみ取り引きされています。
もちろん銃猟の場合、罠猟に比べると捕獲数は圧倒的に少なくなります。
しかしその分「プレミアムな付加価値」が付くため、見事にビジネスとして成り立たせているのです。
「数」で勝負するのではなく「質」で勝負する。
猟師のビジネスモデルがはっきりと表れる、非常に奥深いテーマですね。




