水鳥たちが群れる中に、ひときわ目を引く長い尾羽を持つカモ。それがオナガガモです。スタイリッシュな見た目から、鴨界きっての〝イケメン〟とも呼ばれているオナガガモは、狩猟においてもマガモやカルガモに次ぐ人気のターゲットです。
オナガガモってどんな鳥?

オナガガモのオスは全長約75㎝です。マガモのオス(全長約60㎝)よりも数値的にはオナガガモの方が大きいですが、「全長」は尾の長さも含むため、実際には少し大きい程度の違いしかありません。
名前の通り〝尾〟が長い

オスのオナガガモの特徴は、その名の通り、長く伸びた尾羽です。ピンのように尾から突き出た様子から、英語でもオナガガモは〝pintail〟と呼ばれています。
首の白いライン

オスのオナガガモの頭部には、首筋から白い線が伸びています。この白い線は野外でもよく目立つため、狩猟鳥獣として判別する際のポイントになります。
メスは見分けが付きにくい

見た目に特徴が多いオスに対して、オナガガモのメスには、これといった大きな特徴はありません。羽の色はマガモのメスと同様にキジ羽色をしており、クチバシはオカヨシガモのように黒色をしています。
オナガガモはどうやって捕獲する?

オナガガモは、渡りのピークを迎える9月頃から全国各地で見ることができます。特に、新潟、山形、福島など関東以北は大きな中継地点となっており、シーズン中は大群を作ることもあります。
マガモよりも若干警戒心が弱い
オナガガモは、マガモやカルガモといった他の『大型カモ』と比較して、警戒心が若干弱い傾向があります。そのため、オナガガモは50m程度まで近づくことができるため、プレチャージ式エアライフルを使った空気銃猟の最適なターゲットになります。
オナガガモ観察の注意点
オナガガモのように長い尾を持つカモには、コオリガモがいます。ただし、コオリガモは体全体が白いことや、生息環境が異なるため、見間違えることはまずないでしょう。
メスは他のカモのメスに比べて長めの尾羽を持っています。しかし、オカヨシガモのメスと羽色がよく似ているため、単体で判別するのはかなり難しいと言えます。基本的にはオスと一緒に群れを作っているので、状況判断で判別を行ってください。
オナガガモの肉質

オナガガモの肉質は、傾向としてはマガモやカルガモなどの〝淡水ガモ〟と同じです。ただし、オナガガモの方が脂の乗りが弱く、表面の『羽毛焼き』を行っても、マガモ肉のように「じゅうじゅう」と油が弾けることはありません。
分厚く切ったステーキがおすすめ

オナガガモ肉は一般的に「水っぽい」と言われています。実際に、オナガガモ肉はマガモやカルガモに比べて旨味が若干劣ります。
しかし、この肉質は「マガモなどに比べて柔らかい」とも言えます。そのため、肉を厚めに切っても食べやすく、しっとりとした舌触りと、ジューシーな歯触りを楽しむことができます。
バターを足した料理と相性が良い
味付けとしては、脂の乗りが少ない分を、バターで補ってあげるとよいでしょう。肉にクセが弱いため、あっさりとしたシンプルな味付けにも合います。逆に、料理にクセを付けたすために、春菊などの野菜と合わせてあげましょう。
まとめ
- オスは名前の由来となる「長い尾」と、首筋の白いラインが特徴
- マガモなどよりも警戒心が若干緩め。空気銃猟では近づきやすいターゲット
- 肉質はやや「水っぽい」が、柔らかくてクセの少ないシンプルな味わい
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