あなたが主催!住んでいる地元で『罠シェアリング』を立ち上げよう!

 猟具の費用や手間をみんなで分担して罠猟を行う罠シェアリング。「面白そうな活動だけど、近所で罠シェアはやってないんだよなぁ~」と思われた方も多いのではないでしょうか?それでは思い切って“あなた”が罠シェアリングを主催しちゃいましょう!
 今回は『罠シェアリング™』で使用している会則について、その内容を解説します。会則はテンプレート化しているので、ダウンロードして自由にカスタマイズしてください。もし何かわからないことがありましたら、お気軽にご相談ください。

目次

“罠シェア会則”を作ろう!

 罠シェアリングではまず会則を制定しましょう。会則がしっかりと文書化されていれば、メンバーへの説明だけでなく、地元の協力者を集めたり、融資を集めることにも利用できます。

罠シェアって違法性は無いの?

 罠シェアリングをかいつまんで説明すると、『○○罠シェアリング』という会を立ち上げて会員を募り、そこから得られた会費で、わなや用具を購入して会員でシェアします。詳しくは下記ページも併せてご覧ください。

罠シェアは猟友会の仕組みとほとんど同じ

 狩猟免許を持たない人でも参加できる罠シェアリングは、しばしば「それって”闇肉”の販売じゃないの?」とツッコミを受けますが、猟果の分配は販売行為ではないので違法ではありません。これはすでに保健所にも確認済です。
 例えば、一般的な『巻き狩り』を行う猟隊も会費を集めて運営していたりしますが、この組織も“ジビエの分配”を目的としたものではなく、狩猟を楽しむための組織です。いうなれば罠シェアリングは『罠猟の猟隊』みたいなものなのです。

罠シェアリング活動の第一歩は、会則を作ること

 罠シェアリングの会則テンプレートが上リンクからダウンロードできます。このテンプレートを「たたき台」にして、会則を作っていきましょう。
 以下、各記述内容に関する細かな解説です。テンプレートを読んでいただき、わからない点があればご参考ください。

罠シェア団体ができましたらご連絡ください!

 株式会社チカト商会では「罠シェアリング™」に携わっていますが、日本全国で同じような活動をされている団体を応援しています!
 当方では現在、「全国罠シェアマップ」の作成を進めています。ご連絡をいただけましたら、貴団体のプロモーション(無料)、また当サイトから発リンクいたします。よろしくお願いいたします。

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    1. 総則

    ○○罠シェアリング(以下、『本会』と記す)は、本会が指定する期間とエリアで、罠シ ェアリング活動を⾏う団体である。

    1.1 会の⽬的(罠シェアリングとは)

     現在、狩猟免許所持者のうち、わな猟の免許を取得する⼈⼝が年々増えている。しかしわな猟は、猟場の選定や罠をかける技術、⾒回り、⽌め刺し、獲物の運搬など、初⼼者が⾏うにはハードルが⾼く、特に都市部住みの罠ハンターへの負担は⼤きい。そのため、狩猟免許を取得したにもかかわらず、⼀度も出猟せずに免許を失効させてしまう“ペーパーハンター”と呼ばれる⼈たちが増えている。そこで、猟具や諸経費、猟場情報、⾒回り・⽌め刺しにかかる⼿間などを、共有・分担して⾏うことで、わな猟をより⾏いやすくし、狩猟⽂化の継承や地域の獣害対策に貢献することが、本会の活動⽬的である。
     なお、⼀般的な狩猟は、狩猟者免許(第⼀種、第⼆種、わな猟、網猟)を取得し、都道府県へ狩猟者登録を申請したうえで⾏うわけだが、本会は狩猟免許を取得していない者(または狩猟者登録を⾏っていない⼈)でも参加可能である。ただしこの場合、わなの設置といった狩猟免許の効⼒を必要とする業務は⾏わず、猟具の整備や、獲物の引き出し、解体などの、狩猟免許の効⼒を必要としない活動のみを⾏う。

     総則1.1は、罠シェアという活動の目的と、一般の人でも参加できることを説明した文章です。冒頭で述べた話ですね。

    1.2 会の構成

     本会は、運営を⾏う役員と、公募によって集められた会員で構成される。会員は、活動エリア内で狩猟者登録を⾏っている者を狩猟者登録済み会員、狩猟者登録を⾏っていない者を狩猟者未登録会員と呼び、さらに狩猟者登録会員の中で事業活動に専念する者を運営スタッフと呼ぶ。運営スタッフ、狩猟者登録会員、狩猟者未登録会員の権限を下表に⽰す。
     〇:実施する権利を持つ
     ×:実施する権利を持たない
     ※:運営スタッフ同伴時に限る

    実施内容
    狩猟者登録済み会員
    狩猟者未登録会員
    猟場の下見
    わなの設置
    ×
    見回り
    〇※
    わなの再設置
    〇※
    わなの解除
    〇※
    わなの回収
    〇※
    わなの整備
    止め刺し
    〇※
    ×
    運搬
    解体
    猟果の分配
    限定公開SNS の閲
    覧・投稿
    限定公開SNS の編
    集・削除
    ×
    ×

     罠シェアは、通年で会の運営を行う役員と、毎猟期ごとに公募される会員に分けられます。このあたりは猟友会と同じシステムなのですが、猟友会との違いは、会員をさらに狩猟者登録済の会員と、一般人の会員に分けていることです。
     こうすることで、一般の人がやっちゃダメなこと(狩猟者登録をしていないとやってはいけないこと)が明確になります。役員と運営スタッフについては後で説明します。

    1.3 活動期間と活動範囲

    本会は、該当年度の×月×日から△月△日にかけて、○○県○○市○○町の○○地区において活動を⾏う。本会の活動拠点、および事務所は、××(※解体施設や個⼈宅など)とする。

     罠シェアでは、あらかじめ猟場としての調査を行い、その土地の所有者との交渉も済んだ場所でのみ、わなをかけることができます。この決まりを作ることで、土地所有者や地元狩猟者とのトラブルを抑えることができます。

    1.4 定期集会と臨時集会

     罠シェアリング活動は、狩猟の知識・技能向上や情報共有、親睦を深めるための定期集会を、活動期間中〇 回以上開催する。定期集会の⽇にちと内容については、該当年度の× ⽉× ⽇までに、本会の役員が活動計画書を作成して公開する。
     また、会の満期から前後〇 ⽇以内に総会を開き、会の収⽀報告等を⾏う。会員のわなに獲物がかかったなどで⼈員を必要とする場合、運営スタッフは会員に対して臨時の罠シェアリング活動(「臨時集会」と呼称する)を呼びかけることができる。

     「定期集会」は、あらかじめ日時を決めて行う罠シェア活動です。狩猟者登録をしていない会員は自分でわなをかけられないので、狩猟者登録済の会員がわなをかけてくれないと何も活動できません。こういったトラブルを回避するために、最低限の活動回数を明記しておく必要があります。
     ただ、わなに獲物がいつかかるかはわからないので、「臨時集会」という項目も併せて追加しておきます。

    1.5 猟具等の扱い

     本会の収⼊で購⼊、または会員から供出された猟具(わな)などの財産は、会の所有物として台帳を付け、共有資産として管理する。猟具は、希望する会員に対して貸し出され、要しなくなった場合は遅延なく返却する。
     わなの⾒回りで、会員が仕掛けたわなが空ハジキをしていた場合は、他会員が再設置できる。ただしこの場合、わなに付けられた名札を本⼈の狩猟者登録情報へ書き換える。わなを⼀時的に⾮可動化(解除)する場合も同様に、解除処理をした者の狩猟者登録情報に名札を書き換える。わなが破損しているなどの理由で回収する場合は、名札も同時に回収し、運営スタッフに返還する。

     「罠シェア」があって「銃シェア」が無いのは、わなは名札を張り替えることで共有できる点にあります。ただし、罠シェアで罠を何基保有しているか管理していないとロストする危険性があるため、罠には認識番号をタグで付けておき、台帳を作成して管理します。

    1.6 止め刺し

     本会においては、獲物の⽌め刺しは原則として運営スタッフが⾏う。狩猟者登録会員が⽌め刺しをおこなう場合においても、運営スタッフ、または経験豊富な外部講師の同伴のもと⾏い、現場の安全管理に務める。

     わなに捕獲された獲物は、野生動物(無主物)ではなく、わなをかけた人の所有物なので、罠をかけた本人でなくても止め刺しができます。ただし、何も知らない人が、罠にかかった獲物に突っ込んでいくのはムチャクチャ危険なので、罠シェアでは狩猟者登録済の会員で、さらに経験豊富な人(運営スタッフ)が行うようにします。

    1.7 猟果の分配

     猟果の権利は本会に帰属し、運営スタッフの管理のもと会員へ平等に分配する。⾁以外の⽑⽪、⾻、⾓、⽖といった産物については、わなに名札を付けていた者を所有者とする。所有者が権利を放棄した場合は、本会がその権利を譲受け、希望する会員に譲り渡す。なお、希望する者が複数⼈いる場合は、くじ引きなどの⽅法によって権利者を決定する。
     本会では、⾁を第三者へ販売する⾏為を禁⽌する。これは⾷品衛⽣法に抵触するからである。また、当該年度を通じて得られた猟果に過少・過多があったとしても、会費の返⾦・追加請求は⾏わないものとする。これは、例え当該年度で猟果がまったく無かったとしても、例外とはならない。

     猟果を会員へ平等に分配できるように、猟果の所持権を罠シェア団体にすることを明記しておきます。また、罠シェアで得た猟果を第三者へ販売することを防ぐ内容も追加しておきましょう。また、罠シェアはジビエの配当を補償しているわけではないので、そのことも併せて明記し、会員に納得してもらう必要があります。
     

    2. 役員

    本会は、会⻑1 名、副会⻑●名、事務局(会計●名、書記●名)、監査役●名以内を役員とする。役員は、当該年度の運営計画作成、活動計画作成、運営資⾦の調達や会費の集⾦、活動報告書の作成、本会の活動がスムーズに⾏われるための各諸機関への交渉、対外的な広報等を⾏う。

    2.1 役員の職務

     役員は、下記任務を専らの職務とする。なお、事務局に⽋員がある場合は事務局⻑が、事務局⻑⽋員の場合は副会⻑、副会⻑に⽋員がある場合は会⻑が職務を代⾏する。また監査役は、最低1 名を組織外部の者とし、この役員を外部監査と呼称する。役員は、選任された当年度から最⻑3 年を任期とする。
     会⻑ :○○罠シェアリングの代表者として、会務を総理する
     福会⻑:会⻑を補佐し、会⻑が不在の時は、その職務を代⾏する
     書記 :議事録作成などの事務を担当する。書記のうち1 名を事務局⻑とする
     会計 :出納帳作成など、収⽀に関する経理を⾏う
     監査役:出納帳と⼝座を確認し、適切に管理されているか監査する

     罠シェアリングは任意団体ですが、行政や企業、財団などから助成金を受けたいのであれば、NPO(非営利活動法人)化を検討するべきでしょう。そのためには、あらかじめ役員についての取り決めを明確にしておく必要があります。
     発足したてのころは人手が足りないので、一人でいくつかの役職を兼任する必要があります。ただし、監査役は他の職務と兼任できないことに注意してください。

    2.2 役員総会の開催

     会の満期(※1総則で決めた最終⽇)から〇⽇以内に、役員総会を開催する。役員総会では、役員の選任を⾏う。

     役員の選任は役員総会で行います。いつ行うかは自由ですが、会員へ収支報告などを行う総会に併せて開くのがスムーズです。

    2.3 役員の選任

     役員を希望する者は⽴候補し、他の役員の拍⼿多数で承認される。⽴候補者が複数名の場合は投票により選任され、同数票の場合は会⻑が決定する。

     役員の選任方法を設定しておきましょう。立候補からの承認という流れが、シンプルで良いかと思います。

    2.4 役員の報酬

     役員の最⾼年額報酬を次のように定める。なお、役員報酬の総額が、会の収⼊の30%を上回る場合、(収⼊の30%)÷(役員報酬総数)を役員報酬とする。なお、役員が運営スタッフを兼任した場合は、運営スタッフへの報酬は⽀払われないものとする。ただし、監査役以外の役員は、⾃⾝への役員報酬を“無し”とした場合、運営スタッフへの報酬を受け取れるものとする。
     会⻑:30 万円 (役員報酬係数:30÷80)
     副会⻑:15 万円 (役員報酬係数:15÷80÷副会⻑⼈数)
     会計:15 万円 (役員報酬係数:15÷80÷会計⼈数)
     書記:15 万円 (役員報酬係数:15÷80÷会計⼈数)
     監査役:5 万円 (役員報酬係数:5÷80÷会計⼈数)
    ※ 外部監査役は3万円定額とし、別途勘定科⽬に含める

     罠シェア活動を運営していかないといけない役員は、役員報酬を受け取ることができます。ただし役員報酬の額は会則にあらかじめ明記しておく必要があります。
     NPOを目指すのであれば、理事・監査役 4名~5名の場合、役員報酬を受けられる人数は1名に限定されます。この場合、監査役(外部監査)以外の役員は役員報酬を無報酬とし、運営スタッフとして報酬を受け取るようにします(運営スタッフの報酬については後述)。

    2.5 役員名簿

    当該年度の役員は、役員名簿に役職名、⽒名、住所、連絡先、報酬の有無を記載する。

     役員は名簿を作り、会員へ掲示します。

     

    2.6 役員の辞任

     役員は、⼼⾝の故障により職務の執⾏に耐えられないと認められる場合、またはその他解任に相当する事項が認められる場合に、辞任届を本会に提出することで辞任できる。なお、辞任届が受理された当該年度の役員報酬は⽀払われないものとする。

     役員は辞任できます。ただし、役員報酬のもらい逃げを防ぐために、辞任届が出された年度の役員報酬は支払わないように設定しておきましょう。

    2.7 役員の罷免

     役員は、その職務にふさわしくないとされるもっともたる理由がある場合、本会員の2/3以上の賛成を受けて罷免される。役員の罷免が可決されたら、会⻑は臨時役員会議を招集し、新しい役員を選任する。なお、罷免された役員は、当該年度の役員報酬は⽀払われないものとする。

     役員を途中で辞めさせる(罷免)場合の手順を明記しておきましょう。

    3. 会員資格

     会員は、18 歳以上で、本会の主旨に賛同し、⼼⾝ともに良好であり、公序良俗に反しないことを定める。会員の権利は、⼊会届を本会宛てに提出し、会費を前納することで得るものとする。

    3.1 区分と会費

     会員権は、本会員とWeb 会員に分類される。それぞれの会費と活動の権限については次の通りとする。
    【本会員:¥〇】
     本会の活動に参加する資格を有す。狩猟者登録済か、否かについての権限の違いは、表1に述べた通りである。会員が18 歳未満であり、かつ、本会員の親族である場合は、会費を¥◇に定める。

    【Web 会員:¥△】
     本会が運営するSNS 等を閲覧する権利を有する。なお、猟果の分配に関する権利は付与されない。

     一般の人が自分で狩猟をしたいと思った場合、『狩猟免許取得』と『狩猟者登録』に、約4万円かかります。これに猟具の購入費や見回りの手間などを考慮したら、会費は5~7万円あたりに設定をしておくのが妥当でしょう。もちろん、会員に対してより良いサービスが提供できる自信があるのなら、もっと高めに設定しましょう。
     会費でオススメなのが、子供の会費を設定しておくことです。狩猟には「子供たちに体験させたい」という需要が確実にあるので、親子での参加を促す仕組みを作っておきます。
     また、会員限定公開のSNSや動画配信アカウントを作り、それを閲覧するだけの会員権を設定しましょう。罠シェアに参加したいという需要は、実施する土地に直接行ける人たちだけに限られますが、「どんなビジネスモデルで運用しているのか情報収集したい」という需要は、全国から集められます。ここはぜひ、マネタイズできるポイントにしておきましょう。

    3.2.⼊会⽅法

    会員の⼊会申請は、当会で作成したホームページ上に掲載する。

     申し込み方法はホームページを作り、申込フォームを作ってメールでやり取りするのがシンプルです。

    3.3.退会⽅法と除名

     本会は、総会終了を経て解散する。会員の権利はこの時点で満了となり失効する。総会以前に退会を希望する会員は、特に⼿続き等はなく退会できる。また、本会の活動において、危険な⾏為やモラルに反する⾏為、また運営スタッフの再三にわたる厳重注意に従わない会員は、本会員の2/3 以上の賛成を受けて除名される。⿃獣保護管理法に抵触する⾏為の場合は、即時除名とする。退会、除名した会員の会費については返⾦しないものとする。

     会員権の有効期限と、退会する方法を設定しておきましょう。猟友会と同じような仕組みにするのが、シンプルです。

    4. 運営スタッフ

     本会員かつ狩猟者登録済み会員は、運営スタッフになる権利を得る。運営スタッフの権限は、表1 に述べた通りである。

    4.1.運営スタッフの選任

     運営スタッフの権限を希望する会員は、⽴候補をし、役員の2/3 以上の承認を得て選任される。運営スタッフは、顔写真、⽒名、プロフィール等を、本会のHP に掲載する。なお、運営スタッフの選任は当該年度の10 ⽉1 ⽇までに⾏う。以降、⽴候補があった場合は、臨時スタッフとして扱う。

     罠シェアリングは、狩猟免許を持たない会員がいる以上、会の運営を主導する人を決めておく必要があります。規模が十数人程度の罠シェアなら、役員が運営スタッフを兼任することになると思います。

    4.2.運営スタッフの報酬

     運営スタッフは、遂⾏した業務内容により、最⼤で30 万円の報酬を受け取る権利を有する。報酬が⽀払われる業務内容を次に定める。なお、スタッフ報酬の合計⽀出が、会の収⼊の40%を上回る場合は、(収⼊の40%)×(運営スタッフの報酬)÷(全運営スタッフの報酬)を各運営スタッフに分配する。スタッフの活動内容は活動記録報告書に記録し、総会開催⽇を締めとする。

     ● 定例集会以外に⾏うわなの⾒回り…¥1,000/⽇
     ● 臨時集会の準備・運営…¥3,000/⽇
     ● 定期集会の準備・運営…¥5,000/⽇
     ●その他運営上、⼈件費を⽀払うべきとみなされた業務…上限¥5,000/⽇

     運営スタッフの報酬を設定しておきましょう。年額で設定すれば経費の計算が楽になりますが、運営スタッフ間で仕事量に差が出ると不公平感が出るので、実働時間数や出来高で設定しておくのがオススメです。

    4.3.臨時スタッフ

     本会では、技術的な指導を⾏う外部講師、または、わなの⾒回りなどを代⾏する者を臨時スタッフとし、本会に参加させる場合がある。臨時スタッフへの報酬は、運営スタッフ報酬と同じ業務内容とし、該当業務終了後に⽀払う。

     土地所有者や地元の狩猟者など、外部から協力してくれた人に報酬を払えるように設定しておきましょう。得た収入を地元に還元する仕組みを作るのは、罠シェアリング活動の重要な意義です。

    4.4.運営スタッフの辞任

     運営スタッフは、⼼⾝の故障により職務の執⾏に耐えられないと認められる場合、またはその他解任に相当する事項が認められる場合に、辞任届を本会に提出することで辞任できる。なお、辞任届が受理された当該年度の分の報酬は⽀払われないものとする。

     運営スタッフの辞任する方法について明記しておきましょう。

    4.5.運営スタッフの解任

     運営スタッフは、その職務にふさわしくないとされるもっともたる理由がある場合、本会員の2/3 以上の賛成を受けて解任される。

     問題を起こした運営スタッフを”クビ”にする方法を設定しておきましょう。

    5. 会計

     本会の収⼊(会費、助成⾦、寄付⾦、繰越⾦、雑収⼊)と、⽀出をまとめた収⽀予算書を、10 ⽉1 ⽇までに役員会議を開き作成する。⽀出科⽬は下表に⽰す。当該年度の決算書は、総会までに作成し、総会において会員に対して報告する。会計年度は当該前年度の総会⽇から、当該年度の総会⽇までとする。

    実施内容
    狩猟者登録済み会員
    管理費
    通信費
    HP のサーバー代、決済システムの⼿数料など
    会議費
    会議室利⽤料、打ち合わせ飲⾷費等
    役員報酬
    役員に対する報酬
    外部監査費
    外部監査に対する報酬
    活動費
    運営スタッフ報酬
    運営スタッフの⼈件費。交通費を含む
    臨時スタッフ報酬
    臨時スタッフ、外部講師への礼⾦
    消耗品購入
    ⾷材、掃除⽤具、⾷器類、包装紙、炭など
    備品購⼊
    猟具(わな)、⼯具類、ナイフ、コンテナなど
    拠点利用料
    事務所等の賃貸料
    雑費
    その他の⽀出
    償却費
    前年度以前に購⼊した備品の償却費⽤
    引当金
    活動により発⽣した損害(猟⽝への損害など)

    5.1.会計監査

     領収書や⼝座残⾼は、監査役が精査する。なお、監査役は最低でも1 名以上の外部監査が精査する。

     金銭出納帳や会計伝票(領収書等)、預金通帳などは、内部の人間(罠シェアの監査役)だけの監査では不正が起こる可能性があるため、外部監査にチェックしてもらうようにしましょう。
     外部監査は、他の罠シェア団体の監査役が担当するのが良いでしょう。地域おこし協力隊のような活動内で行うのなら、地元の猟友会にお願いするのも良いでしょう。

    6. 附則

    6.1.情報公開

     当会の情報は、ホームページを作成し、申込フォーム、⼊⾦フォーム、会則を、⼀般公開する。また、当該年度の活動報告や業務連絡等は、会員に限定公開されたSNS(Facebook など)で配信する。

     会則などはホームページなどに掲載して、一般の人たちが閲覧できるようにしましょう。また、入会届や退会届、入金方法などの情報も、公開するようにします。
     それと併せて、業務連絡などを行うプラットフォームを作っておきましょう。今ならFacebookの限定コミュニティを作るのが一番簡単です。このプラットフォームには、会員の個人情報や猟場情報などが含まれるため、会員だけが閲覧できるクローズドな仕組みにします。

    6.2.会員の情報発信

     会員(Web 会員を除く)は、限定公開されたSNS 上で、⾃⾝の体験や猟果に関する情報を⾃由に配信してよいこととする。ただし、他⼈を誹謗中傷するようなモラルにかける内容は、運営スタッフの判断で編集・削除できるものとする。個⼈SNS 等による⼀般公開された情報発信は禁⽌ではないが、⼗分に配慮するように努める。

     せっかくSNSでプラットフォームを作るのであれば、会員間でコミュニティを高めるように細則を作っておきましょう!会員がリピーターになってくれるかどうかは、このコミュニティの求心力にあると言えます。

    6.3.猟具のエリア外での使⽤禁⽌

     本会で所有する猟具等の備品を、本会が指定するエリア、時期で使⽤することを禁⽌する。同時に、本会が指定するエリアで、本会が所有する猟具以外を使⽤することも禁⽌する。会員に貸し出した猟具が⻑期間にわたって使⽤されていない場合は、運営スタッフの判断で解除、または撤収する。

     罠シェアリングで購入した物品は、あらかじめ罠シェアで決められたエリアでのみ使用できるように明記しておきましょう。これは私財化を防ぐためであるのと同時に、地元住民や狩猟者とのトラブルを回避するためでもあります。

    6.4.会則に定めのない事項

     この会則に定めのない事項については、会員が発議し、会⻑が臨時総会を招集して議決を得る。決議された会則は、限定公開SNS 上で会員に公開する。

    会則をいくら細かく決めていても、必ず何かしらのヌケがあります。そのような場合に備えて、フレキシブルに対応できる細則を設けておきましょう。

    6.5.会則の変更

     この会則は役員総会において、2/3 以上の承認があれば変更できる。ただし、その変更が活動期間中である場合は、適⽤は当該年度の総会より後⽇となる。

     会則の取り決めが、実際の運用とズレてきた場合に備えて、会則を変更できる細則を設けておきましょう。

    6.5.施⾏⽇

    この会則は、令和1 年10 ⽉1 ⽇から施⾏する。

     この会則を施工する日を設定し、改訂があれば付け足します。

    まとめ

    1. 罠シェアリングは『一般参加ができる罠猟専用の猟友会』みたいな仕組み
    2. 地元住民や狩猟者とのトラブルを起こさないため、また、会員への説明のために、まずは”会則”が必要
    3. 罠シェアリングの会則はテンプレートがあるので、自由にカスタマイズして利用しよう
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    この記事を書いた人

    東雲 輝之のアバター 東雲 輝之 株式会社チカト商会代表取締役・ライター・副業猟師

    当サイトの主宰。「狩猟の教科書シリーズ」(秀和システム)、「初めての狩猟」(山と渓谷社)など、主に狩猟やキャッチ&イートに関する記事を書いています。子育てにも奮闘中。

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