デイステート ウルバリン2

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銃紹介

タイププレチャージ式エアライフル
メーカーデイステート
アクションボルトアクション
口径5.5mm
6.35mm
7.62mm
弾倉タイプ丸型脱着式 5連装
シングルショットトレー
シリンダー容量480 ㏄
最大蓄圧230 Bar
全長1117 mm1058 mm
銃身長600 mm620 mm
重量3.8 kg
マズルエネルギー(S/F)5.5mm:60  ft·lb(26 発)
6.35mm:70 ft·lb (25 発)
100 ft·lb (18 発)
製造年2013 ~ 2022年
新銃価格¥400,000¥420,000
解説 ウルヴァリン2は、2012年にイギリスの老舗エアライフルメーカー・デイステート社から発売された「ウルヴァリン」の後継機種である。
 ウルヴァリンの精巧なデザインを踏襲しながらも、安全性を向上させたボルト機構、シュラウド銃身などの改修が施されており、前モデルよりもパワーと精密性が大幅に向上している。
 特筆すべきは『カーボンファイバー製エアシリンダー』への変更で、前モデルよりもF/S(フィルパーショット:1回のエアチャージで連続して撃てる回数)が増加した。

 ウルヴァリン2の中でも「HP(ハイパワー)」と呼ばれるモデルは、60~70 ft·lbものマズルエネルギーを持っており、さらに303(30口径)モデルでは『100 ft·lb』にも達する。
 初代のウルヴァリンは「ハイパワーエアライフル」のハシリとして注目を集めたが、このモデルもまた、他メーカーの『マグナムパワードエアライフル』にパワーと精密性の両面で圧倒的な存在感を示していた。

 2021年にウルヴァリンシリーズの生産が終了となり、あえなくカタログ落ちとなった。しかしながら、同年にはデイステート社の名銃「ハンツマン」の最新機種「ハンツマン・リビア」がデビューしたこともあり、根強いファンからはウルバリンシリーズの復刊が期待されている。

機能紹介

スリングショットシステム

  このエアライフルには、エアガンエンジニアのスティーブン・ハーバー氏考案による『スリングショットシステム』と呼ばれる射出機構が採用されています。

従来の方式(ノックオープンバルブ方式)では、バネで押し出されたハンマーがバルブを叩いた後に、バネの反動によって何度もバルブを叩いてしまう「バウンスストライク」が起こってしまいます。このバウンスストライクは、シリンダー内の圧力+バルブ戻しバネの力と均一になるまで4~5回ほど繰り返すため、無駄なエアを消費してしまいます。

対してスリングショットシステムでは、強力なバネで押し出されるハンマーケージと、反動抑制用バネに繋がれたハンマーの2重構造になっており、ハンマーケージの強力なバネで押し出されたハンマーがバルブを叩いた後、反動抑制バネがハンマーを引き戻すことで、バウンスストライクを抑制しています。

 

ARJ掲載時のレビュー

銃床専門メーカーに依頼したサムホールストック

 ウルヴァリンは、イギリスの超有名メーカー・デイステート社のハイエンドPCPエアライフルだ。
ウルヴァリン2は、この継承モデル。元のモデルに比べて、多くの改良が加えられている。
まず、この銃で目を引くのが、滑らかで美しいサムホールストックだ。
 これは、イギリスの木製銃床専門メーカー「GARY CANES GUNSTOCKS」という会社に設計を依頼しているのだという。
 ハンドリングはばっちりだ。構えると、体にピッタリとフィットする銃尾、グリップのチェッカリングの触れ心地も最高だ。
 全体的に重そうに見えるが、シリンダーがカーボンファイバー製になったおかげで、バランスよくまとまっている。扱っていて、これほど高級感を得られるエアライフルは、そう多くはないはずだ。

(引用元:IT’S A WOLVERINE TOO!)

有害鳥獣駆除を目的として生まれた「303」

 デイステート社は世界中からの熱い要望を受けて、30口径のビッグボアスポーツエアライフル、「ウルヴァリン2 HP 303」をリリースしました。
 この銃はパワーだけでなく、ボルトのセーフティロックや、過剰圧を防止する機構、二重装填を防止する機構など、安全面にもコダワリをもって作られています。なぜデイステート社は大口径エアライフルを開発したのか?
 これは、デイステート社製品の祖ともいえる「エアレンジャー」が、もともとペストコントロール(有害鳥獣駆除)の目的で誕生したことが大きいのではないかと思います。
 ウサギやリス、ハトといった小動物の駆除には、フルボアのライフルかショットガンを使いますが、例えば建物が密集している地域では、流れ弾の危険性や騒音問題などが付きまといます。
 そこで、100 ft·lb という高威力を持つ「ウルヴァリン2 HP 303」であれば、このような場所でも比較的安全に取り扱うことができます。
 この銃が誕生したのは、まさにデイステート社のエアライフルにかける哲学が生んだ、特別な存在と言えるのではないでしょうか?

(引用元:MOUNTAINSPORT AIRGUNS Magazine DAYSTATE WOLVERINE R HP .25 FIELD REVIEW/HUNT))
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この記事を書いた人

東雲 輝之のアバター 東雲 輝之 株式会社チカト商会代表取締役・ライター・副業猟師

当サイトの主宰。「狩猟の教科書シリーズ」(秀和システム)、「初めての狩猟」(山と渓谷社)など、主に狩猟やキャッチ&イートに関する記事を書いています。子育てにも奮闘中。

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