豊和工業豊和M55G

2022年11月27日

銃紹介

タイプ	ガスカートリッジ式
メーカー	豊和工業
口径	4.5mm	5.5mm
全長	972mm
銃身長	524mm
重量	2800g
パワー	15 ft·lb
解説	豊和工業株式会社は愛知県清須市に本社を置く機械メーカーである。元は大正時代に紡績機械の製造開発を行う会社であったが、昭和11年（1936年）に武器製造を開始。戦後も自衛隊用の小火器・火砲の製造を続け、昭和35年（1960年）には猟銃の製造も担うようになった。　豊和M55Gは昭和50年（1975年）に同社が発売したガスカートリッジ式の狩猟用エアライフルである。当時は海外製の中折れスプリング式や、シャープ・イノバといったマルチストローク式（ポンプ式）が主流であったが、これらの方式は原理的に連射はできなかった。しかし豊和M55Gは「ガスカートリッジ２つをチャンバーに放り込むだけ」で15発程度の発射が可能となるため、発売直後から大人気モデルとなった。　手軽にハイパワーを連射できるガスカートリッジ式だが、大きな欠点もあった。まず、液化炭酸ガスが気化すると、気化熱でチャンバー内の温度が下がってしまう。そして、温度が下がると液体は気化しにくくなるため、発射すればするほど射出圧は低下して行ってしまう。射出圧が低下すればペレットの射出速度が落ちる。結果的に『射出回数によってゼロインが狂ってしまう』というわけだ。　ガスカートリッジ式は、気化熱の心配がほとんどないプレチャージ式の登場でシェアを大きく奪われ、現在では絶滅状態だ。しかし、この豊和M55Gのファンは未だに多い。プレチャージ式だって現代の空気圧制御技術のおかげで復活した方式である。いつの日か新技術の登場で、ガスカートリッジ式に再び日の光が当たる・・・かもしれない。