
豊和工業株式会社は愛知県清須市に本社を置く機械メーカーです。元は大正時代に紡績機械の製造開発を行う会社でしたが、1936年に武器製造を開始しました。戦後も自衛隊用の小火器や火砲の製造を続け、1960年には猟銃の製造も担うようになりました。
タイプ | ガスカートリッジ式 | |
メーカー | 豊和工業 | |
口径 | 4.5mm | 5.5mm |
全長 | 972mm | |
銃身長 | 524mm | |
重量 | 2800g | |
パワー | 15 ft·lb |
広告
革新をもたらしたガスカートリッジ式エアライフル

豊和M55Gは、1975年に豊和工業が発売したガスカートリッジ式の狩猟用エアライフルです。当時は海外製の中折れスプリング式や、シャープ・イノバといったマルチストローク式(ポンプ式)が主流でしたが、これらの方式は連射ができませんでした。
しかし、豊和M55Gは「ガスカートリッジを2つチャンバーに装填するだけ」で15発程度の発射が可能だったため、発売直後から大人気モデルとなりました。
ガスカートリッジ式の欠点
ガスカートリッジ式は、液化炭酸ガスが気化すると、気化熱でチャンバー内の温度が下がってしまいます。温度が下がると液体が気化しにくくなるため、発射するごとに射出圧が低下していきます。
よって豊和M55Gには、発射回数によってゼロインが狂ってしまうという問題がありました。
あわせて読みたい


ショットカウント(Shotcount)
ショットカウント(ショットパーフィル(S/F))は、プレチャージ式空気銃において、『1回のエアチャージ』に対して『何発まで十分な精度の射撃ができるか』を示す用…
プレチャージ式の台頭とガスカートリッジ式の衰退
ガスカートリッジ式は、気化熱の心配がほとんどないプレチャージ式の登場でシェアを大きく奪われ、現在ではほとんど見かけなくなりました。
しかし、豊和M55Gのファンは今でも多く存在します。プレチャージ式も現代の空気圧制御技術によって復活した方式です。いつか新しい技術が登場し、ガスカートリッジ式に再び脚光が当たる日が来るかもしれません。
広告
この記事のおすすめ
まとめ記事にもどる
関連記事
あわせて読みたい




空気銃ってどんな銃?エアライフルの種類・仕組みを解説!
ベテランハンターの中には、「空気銃?あれは子供の玩具だよ」と言う人もいます。確かに空気銃は1955年の銃刀法改正まで、許可なしで所持できる玩具でした。しかし、…
あわせて読みたい




『エアライフルハンティングQ&A』バーチャル銃砲店がギモンにお答えします!
私が勤めている銃砲店では、日々お客様より様々なご質問をいただきます。そこでこれまで寄せられたご質問の中から、いくつかをQ&A形式で掲載します。エアライフル選…
あわせて読みたい




ショットカウント(Shotcount)
ショットカウント(ショットパーフィル(S/F))は、プレチャージ式空気銃において、『1回のエアチャージ』に対して『何発まで十分な精度の射撃ができるか』を示す用…