ブローニングBAR Mk-Ⅱ

 ブローニングBARは、ブローニング・アームズ・カンパニーによって1967年に発売された、ガス圧作動方式のセミオートライフルです。その高い信頼性と精度から、主に狩猟用として世界中のハンターから高い評価を得ています。初代モデルの登場以来改良が重ねられ、現在の国内市場では主に「Mk-Ⅱ(マーク2)」、「Mk-Ⅲ(マーク3)」が後継モデルとして流通しています。

タイプガス圧作動式セミオートマチックライフル
メーカーブローニング・アームズ・カンパニー(主にFNハースタルが製造)
製造年1967年(初代モデル発売年) – 1976年(Mk-Ⅱ)、2015年(Mk-Ⅲ)
中古相場15万円 ~ (モデルにより大きく変動)
主な使用弾薬308Win、270Win、30-06スプリングフィールド、300 Winマグナム など多数

ブローニングBARの歴史

「BAR」(バー)という名称の由来は、第一次世界大戦でアメリカ軍が採用した「M1918 ブローニング(B)・オートマチック(A)・ライフル(R)」から来ています。しかし、狩猟用として開発された「ブローニングBAR」は、その略称を引き継ぎながらも、軍用銃とは全く異なる銃として開発がすすめられました。

マグナム弾を連射できるセミオート式ライフル

 1960年代のアメリカでは、ハンティングライフル市場はボルトアクション式ライフルが主流でしたが、「レミントンM740」や「ウィンチェスターM100」といったセミオートライフルも存在していました。
 しかし、ブローニング・アームズ・カンパニーは、強力な「マグナム弾」を安全に連射できる、信頼性の高いセミオートライフルに需要があると考え、ベルギーの名門銃器メーカー・FNハースタル社と共同でブローニングBARの開発に着手しました。
 こうして1967年に発売されたブローニングBARは、主に、エルクやムース、クマといった大型獣ハンターの間で「強力な装弾を安全かつ迅速に連射できる銃」として高い人気を獲得しました。

BAR Mk-IIの登場

 初代BARの成功を受け、1976年に登場したのが「ブローニングBAR Mk-Ⅱ」です。このMk-Ⅱでは、ボルトリリースレバーの追加など操作性の向上が図られ、より洗練されたモデルとなりました。後に、軽量化されたライトウェイトモデルや、豪華な彫刻と美しい木材を使用したサファリモデルなど、多様なバリエーションが展開されました。
 ブローニングBAR Mk-IIは、日本国内においてもセミオートライフル銃の代表的な存在として広く認知され、現在でも中古銃市場において安定した人気と流通量を保っています。

Mk-IIの新しいモデルライン

 Mk-Ⅱは2000年代初頭にMk-Ⅱは、「BARショートトラック」と「BARロングトラック」の2種類をモデルラインナップ投入しました。これらモデルは、レシーバーにアルミニウム合金を採用することで軽量化が行われ、さらに、射手の体格に合わせてストックのフィット感を調整できるシムシステムを導入するなど、より現代的なデザインと機能性を取り入れました。
 「ショートトラック」は.308 ウィンチェスタ―などの短い薬莢を使用するモデルで、「ロングトラック」は.30-06 スプリングフィールドなど、長い薬莢を使用するモデルとなっています。

BAR Mk-Ⅲへの改良

 2015年頃に登場した「ブローニングMk-Ⅲ」は、新設計の「スーパーフェザートリガー」による切れの良いトリガープルや、人間工学に基づいた新しいストックデザイン、一部モデルでは銃身の精度向上と軽量化に貢献するフルート加工が施されるなど、命中精度と扱いやすさの両立した改良が加えられました。

信頼性と実用性を追求した設計

 ブローニングBARの核心は、反動の強いマグナム装弾においても、確実かつ安全に作動する閉鎖機構にあります。

7ラグ・ロータリーボルト

 BARの閉鎖機構は、主に高精度ライフルに採用されるロータリーボルトが採用されています。加えてBARでは、このロータリーボルトに〝7つ〟のロッキングラグ(薬室を閉鎖する突起)が備えられています。このラグにより、ボルトは非常に強固かつ均等な力配分によって閉鎖されるため、強力なマグナム弾の連続射撃にも耐えうる耐久性と安全性を獲得しています

幅広い口径

 BARは、「.243 ウィンチェスター」のような比較的小口径から、「.30-06スプリングフィールド」、「.300ウィンチェスターマグナム」、さらには「.338ウィンチェスターマグナム」のような強力な弾まで、多様な獲物や用途に対応できる幅広い口径が用意されています。

着脱式型弾倉

 ブローニングBARは、初代モデルから着脱式の箱型弾倉を採用しています。これは、狩猟現場で迅速に再装填が可能になるだけでなく、異なる種類の弾薬を装填した予備弾倉を携行することで、状況に応じた素早い対応も容易になります。

美しい仕上げと豊富なバリエーション

 ブローニングの伝統として、銃床には美しいウォールナット材が使用されることが多く、レシーバーには精巧な彫刻が施されたモデルも存在します。
 一方で、近年では軽量で耐候性に優れたシンセティック(合成樹脂)ストックや、迷彩パターンのモデルもラインナップに加わり、実用性を重視するハンターのニーズにも応えています。

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