小ぶりな『コガモ』は、燻製で旨味を凝縮させることで絶品になる

 冬の水辺で仲睦まじく泳ぐ水鳥たちの中に、ひときわ小さな姿を見かけることがあります。「子ガモかな?」と思われがちですが、その名はコガモ。カモの子供ではなく、れっきとしたカモの一種です。

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  1. コガモの体長はマガモの半分以下。似た種類の非狩猟鳥がいるので注意が必要
  2. コガモは舞い戻ってくることも多いので、同じ場所で大量捕獲が可能
  3. 肉は小ぶりだが旨味は凝縮されているので、骨をつけて丸ごと燻製にするのがオススメ

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目次

コガモってどんな鳥?

 コガモはユーラシア大陸から北アメリカ大陸までの広範囲に生息し、日本では冬鳥として全国の水辺で見られます。
 マガモに次ぐ飛来数を誇り、在来のカルガモと合わせると国内で3番目に多いカモとされています。

マガモの半分程度の大きさしかない

 コガモの全長は約35cmとキジバトほどの大きさで、国内で観察できるカモの中では最小種です。単独行動は稀で、数羽から数十羽の群れで行動することが多く、マガモやカルガモの群れに数羽混じっていることもあります。そのため、「カモの子供」と勘違いされることがありますが、越冬地の日本でマガモの幼鳥を見かけることはほとんどありません。

緑色の翼鏡と頭部がポイント

コガモは片手で持てるぐらいの大きさ

 コガモは英名で”Green winged teal”と呼ばれるように、緑色の翼鏡が特徴です。オスの頭部には目から流線形に伸びる緑色の羽毛があり、遠くからでもよく目立ちます。ただし、似た小型のカモに非狩猟鳥のトモエガモがいるため、注意が必要です。

メスは見分けがつきにくいので要注意

 オスのコガモを見分けるのは比較的容易ですが、メスの判別は慣れが必要です。特に、シマアジやトモエガモのメスは似た体型のため、遠目では判別が難しいことがあります。
 シマアジの翼鏡は黒と白のツートンカラーで、トモエガモは口元に白い斑点があることが見分けるポイントですが、遠くからでは判別が難しい場合もあります。群れの中にトモエガモのオスがいないかなど、総合的に判断しましょう。

コガモはどうやって捕獲する?

 コガモはカルガモやマガモと同じような場所に生息しますが、より狭い水辺にも群れを作ります。小さな農業用貯水池や木々が生い茂る野池、幅1m程度の用水路などにも入り込みます。
 カモ猟について詳しくは、下記記事でまとめています。併せてご参考ください。

舞い戻ってくることも多い

 カモ猟では、発砲するとカモは遠くへ飛び去るのが普通ですが、コガモは飛び立った後、旋回して同じ場所に着水することがよくあります。コガモの群れを射撃した後は、すぐに獲物を回収せずに、しばらく隠れて様子を見るのが良いでしょう。

コガモ肉の味は?

 コガモはマガモやカルガモに比べて小ぶりなため、通常の方法で解体すると歩留まりが悪くなります。そこでおすすめなのが、骨付きのまま丸ごと料理することです。
 仕留めたコガモは、野外で羽をむしり、内臓を取り除いて持ち帰りましょう。カモの下処理に関しては、下記記事で詳しく解説をしています。

オススメは「スモーク」

 下処理をしたコガモは、骨付きのままソミュール液に漬け込みます。ソミュール液とは、濃度10%程度の塩水に砂糖、各種スパイスを加え、煮立てた漬け汁です。コガモには醤油ベースの和風甘辛味が良く合います。

 ソミュール液に一晩漬け込んだコガモは、桜チップなどで燻製にします。燻製というと大掛かりな装置が必要に思えますが、家庭でも簡単に作れます。
 まず、深めの鍋にアルミホイルを敷き、チップを入れて加熱します。網を乗せてコガモ肉を置き、蓋をします。火にかける時間は好みによりますが、70℃で1時間が目安です。

ダンボールでも燻製器は作れる

 もう少し本格的なスモークを楽しみたいのであれば、ダンボールとアルミホイルで簡易燻製器を作ることもできます。下図のダンボールロースターの熱源にチップを入れる容器を載せて燻せば、スモークの完成です。

噛むたびに旨味あふれるコガモ燻製

コガモの燻製

 コガモは小ぶりな分、マガモやカルガモよりも味が濃いです。燻製にすることで余分な水分が抜け、旨味が閉じ込められています。
 コガモの燻製は、手間をかけるだけの価値があります。通常なら食べられない首肉や手羽先まで、しゃぶりつくように味わいましょう。

まとめ

  1. コガモの体長はマガモの半分以下。似た種類の非狩猟鳥がいるので注意が必要
  2. コガモは舞い戻ってくることも多いので、同じ場所で大量捕獲が可能
  3. 肉は小ぶりだが旨味は凝縮されているので、骨をつけて丸ごと燻製にするのがオススメ

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