騒がしい小鳥の『ヒヨドリ』は、〝尻脂〟が乗る旬を狙え!

ヒヨドリアイキャッチ

 町中を「ヒ~ヨ!ヒ~ヨ!」と鳴きながら飛び回るヒヨドリは、民家の庭や雑木林など、身近な場所で見かけることができる身近な鳥です。ヒヨドリの魅力は、旬になるとお尻につく皮下脂肪。その旨味を知ると、ヒヨドリの評価は「騒がしい小鳥」から「美味しい小鳥」へと変わるでしょう。

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  1. ヒヨドリは『飛び方』と『鳴き声』で判別するとよい
  2. 小粒散弾で飛んでいるところを撃ち落とすか、木に留まっているところを空気銃で狙撃する
  3. 皮下脂肪の乗ったヒヨドリは炙りが最高にうまい。脂が無ければ出汁に使うという手もある

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目次

ヒヨドリってどんな鳥?

 ヒヨドリは、北はロシア・サハリンから南はフィリピン北部までの西太平洋に広く分布しています。一見ありふれた鳥に思えますが、実際は日本列島にほぼ限定的に生息しており、海外からヒヨドリウォッチャーが訪れるほど珍しい鳥です。

赤茶色の頬と、ボサボサ頭が特徴

 ヒヨドリは、英語で”Brown eared bulbul”と呼ばれるように、耳の周りの赤茶色の羽毛が特徴です。また、頭部の羽毛がボサボサとしており、逆光でもシルエットで容易に判別できます。

羽ばたきながら「ひよ!ひよ!」と鳴く

 ヒヨドリは飛び方にも特徴があります。羽ばたきと滑空を繰り返す波状飛行を行い、羽ばたく際に「ひよ!ひよ!」と鳴き声を上げます。

ツグミやオナガとの誤判別に注意

 ヒヨドリには同サイズの野鳥も多いため、誤捕獲に注意が必要です。特に、ヒヨドリと同じように『尾を下げて木に止まる』習性をもつオナガと間違えないようにしましょう。
 また、ツグミはヒヨドリと大きさがほとんど同じで、生息域が重なる鳥です。ツグミの尾はヒヨドリのように下がらない点で見分けましょう。

ヒヨドリはどうやって捕獲する?

 ヒヨドリを捕獲するには、まずヒヨドリが集まる場所を探しましょう。

その地域で餌になる物を探し、猟場を開拓する

 ヒヨドリは時期によって食べるものが変わり、猟期はじめ(11月)はミカンのような甘い果物、キャベツや小松菜のような葉物野菜、ブロッコリーなどの果菜類を食べます。猟期終盤(2月ごろ)になると、ピラカンサやセンダンといった庭木に多く集まり、その実を食べます。

小粒散弾で撃ち落とす

 ヒヨドリは木から木へ移動しながら餌場を移動します。散弾銃で飛行経路に待機し、飛んできたところを撃ち落とすのが簡単な方法です。
 ヒヨドリは波状飛行をするため、それほど飛行速度は速くありません。9号程度の小粒散弾を使えば、動的射撃に慣れていない人でも比較的捕獲しやすいでしょう。

木に留まっているところをエアライフルで狙撃する

 ヒヨドリが餌場とする果樹や庭木の前に陣取り、止まっているところを狙撃する待ち猟も有効です。この方法では、発砲音が小さいエアライフルの使用が適しています。
 ヒヨドリは飛ぶときに「ひよ!ひよ!」と鳴くので、近づいてくることがすぐに分かります。そこで、ヒヨドリが止まる木の20~30m程度前にテントを張ってその中に隠れておき、鳴き声が聞こえたらテントから銃口を出して狙撃しましょう。

撃ち落とした場所をマークする

 散弾銃でもエアライフルでも、ヒヨドリを撃ち落としたら、落下地点をしっかり確認しましょう。ヒヨドリは木に引っかかることが多いため、確認せずに近づくと見失うことがあります。
 撃ち落としたらすぐに回収するのではなく、先に目印となる木や枝を見つけ、どこに落ちていったか目星をつけるようにしましょう。

ヒヨドリ肉の味は?

 ヒヨドリを手に入れたら、なるべく早く羽をむしりましょう。体が冷えると毛穴が閉じて羽をむしりにくくなります。

まずは尻の羽からむしる

 ヒヨドリの羽をむしる際は、まず尻の羽毛から抜きます。この時、尻に皮下脂肪がついていれば当たりです。
 強く引っ張ると皮ごと脂肪がちぎれてしまうため、羽をむしるときは丁寧に処理しましょう。皮下脂肪が少ない場合は、皮ごと羽を除去しても問題ありません。
 頭と羽先はハサミで切り落とします。スズメやヤマシギ、タシギと同様に、嘴だけ切り離して頭(脳)を食べることもできます。

脂肪が乗る旬は地域によって異なる

 ヒヨドリは、渡ってきた猟期初期は体力が消耗して痩せています。しかし、1月、2月頃になると体力を蓄え、皮下脂肪が増えます。そのため、ヒヨドリ猟は猟期初期よりも終盤に行うのが良いでしょう。
 ただし、ヒヨドリの脂の乗り方は地域差があり、栄養価の高いミカンを食べるヒヨドリは、比較的早い段階で脂が乗ります。猟場ごとにヒヨドリの旬を調べておくようにしましょう。

脂を「じゅうじゅう」と滴らせた炙りにするのが最高!

 ヒヨドリ料理で最も美味しいのは炙りです。脂肪がたっぷり乗ったヒヨドリを炭火で炙り、脂が音を立てるくらいになったら、ハサミで切り分けます。
 この炙った脂肪が絶品です。独特の甘みがあり、鶏の脂身とは異なる上品さがあります。肉自体にも旨味があり、骨ごと食べられます。

意外と良い出汁が出る

 脂の少ないヒヨドリが数羽いれば、炊き込みご飯もおすすめです。ヒヨドリも他の小鳥と同様に骨から上品な出汁が出るため、ご飯に吸わせていただきましょう。

まとめ

  1. ヒヨドリは『飛び方』と『鳴き声』で判別するとよい
  2. 小粒散弾で飛んでいるところを撃ち落とすか、木に留まっているところを空気銃で狙撃する
  3. 皮下脂肪の乗ったヒヨドリは炙りが最高にうまい。脂が無ければ出汁に使うという手もある

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