ストッピングパワー(Stopping Power)

ストッピングパワー(ノックダウンパワー)とは、弾丸が命中した際に、標的の行動を停止させる能力を数値化したものです。ただし、これはあくまでも指標であり、実際に標的を停止させるには、獲物の種類、命中部位、個体差など、様々な要素が影響します。一般的には、装弾の種類を比較する際に、「○○の弾の方がストッピングパワーが強い(弱い)」のように使用されます。

目次

ストッピングパワーの考え方

エアライフルでカモを撃つ

 ストッピングパワーとは、弾丸が命中した際に、標的の行動を停止させる能力のことです。簡単に言うと、 「どれだけ早く獲物を倒せるか」 を示す指標と言えます。

理論上のエネルギー

 ストッピングパワーE(ft・lb)は、標的に命中する直前の弾の速度v(ft/s)と弾の重量M(gr)から、上記計算式で求めることができます。数式が示すことを要約すると「高いエネルギーの弾丸ほど、ストッピングパワーも高くなります。

バイタルポイント

 ストッピングパワーは理論的な数式で示すことができますが、実際には「獲物のどこに命中したか」ということも重要な要素です。
 ストッピングパワーは、致命傷となる部位(バイタルポイント)に弾丸を命中させることで、効果的に獲物を仕留めることができます。バイタルポイントには、脳・脊髄などの神経系と、心臓・肺などの循環器系があります。これらの部位に弾丸が命中すると、獲物は行動不能に陥ります。

弾頭形状による違い

スラッグ弾の種類

 弾頭の形状は、ストッピングパワーに大きく影響します。例えば、フルメタルジャケット弾は、柔らかい鉛の弾芯を硬い金属で覆った構造です。そのため、貫通力が高く、命中時に弾丸のエネルギーが標的に伝わりにくいため、ストッピングパワーは低くなります。
 一方、ホローポイント弾は、弾頭先端に窪みがある構造です。命中時に弾丸が潰れやすいため、運動エネルギーを効率的に標的に伝え、高いストッピングパワーを発揮します。

口径による違い

ペレットの形状重量とノックダウンパワー

 ストッピングパワーは、弾頭の着弾面積が広くなるほど大きくなる傾向があります。これは、着弾面積が広いほど、獲物の体内へのダメージが広範囲に及び、より大きな衝撃と出血を引き起こすためです。

エアライフルのストッピングパワー

 エアライフルで鳥類を狩猟する場合、必要なストッピングパワーは10~15[ft·lb]程度と考えられています。一般的に、 大型の獲物ほど高いストッピングパワーが必要となります。小型の鳥であれば、低いパワーでも十分に仕留められますが、大型の獣を狩猟する場合は、より高いパワーのエアライフルと弾薬が必要となります。

参考記事

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