マウントリングは、銃に取り付けられたマウントベースにスコープなどの照準器を固定するための器具です。照準器とマウントベースの規格によって、適切なマウントリングが異なります。
目次
マウントリングとは

マウントリングは、スコープのチューブを固定するリング部分と、マウントベースに固定する爪部分の形状によって、適合する種類が異なります。
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チューブ径
スコープのチューブ径は、主に1インチと30mmの2種類があります。そのため、マウントリングもチューブ径に合った「1インチ用」または「30mm用」のものを使用する必要があります。
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マウントリングの高さ

マウントリングには、同じ規格であっても高さが異なるタイプがあり、使用するスコープや銃の形状に合わせて使い分けます。
例えば、サイズの大きいスコープを銃に装着する場合、高さが低いマウントリングではマウントベースと対物レンズが干渉してしまいます。そのような場合は、高さが高いマウントリングを使用する必要があります。
また、モンテカルロ型ストックのように頬付け位置が高い銃の場合も、スコープの取り付け位置を高くする必要があるため、高いマウントリングを使用します。
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マウント形状
エアライフルのマウントベースは、11mm幅のドブテールレールと20mm幅のピカティニーレール(またはウィバーレール)が主流です。マウントリングの爪部分は、マウントベースに合った「11mmドブテール用」または「20mmピカティニー/ウィバー用」のものを使用する必要があります。
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マウントリングの取り付け
マウントリングを取り付ける際は、まずスコープのマウントベースにリング下パーツを固定します。マウントリングはスコープの前後2ヶ所に取り付けますが、スコープを挟む位置がなるべく同じ距離になるように調整しましょう。リング下パーツの取り付けが完了したら、スコープを乗せ、リング上パーツで挟み込みます。
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水平垂直を確認する
スコープを銃に固定する際は、傾きがないよう水平に取り付ける必要があります。そこで、水準器(レベルゲージ)を使用して、水平に取り付けられているか確認をするようにしましょう。
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接触面に松脂を塗る
エアライフルでは反動がほとんどないため不要ですが、装薬銃の場合は、スコープとマウントリングの間に松脂を薄く塗布することがあります。松脂は摩擦係数が大きく、射撃時の反動でスコープがずれるのを防ぐ効果があります。松脂は、楽器店で滑り止めとして販売されています。
マウントリングのネジを締め付ける
スコープが水平に取り付けられていることを確認したら、マウントリングのネジを締めて固定します。このとき、ネジを一つずつ締めると、スコープが傾いてしまう可能性があります。対角線上のネジを均等に少しずつ締め、水平を保ちながら固定しましょう。
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まとめ
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