ホログラフィックサイト(ホロサイト)は、照準器内のミラーとハーフミラーを組み合わせて多角度の光の情報を取り込み、3D薄膜上(ホログラム)に投影することで、映像(ホログラフィック)を作り出す照準器です。
ホロサイトの仕組み
ホログラフィックサイトは、リフレクタサイトと同様に、LEDを使ってレティクルを浮かび上がらせます。しかし、リフレクタサイトがハーフミラーを使って背景を映し出すのに対し、ホログラフィックサイトはレーザー光を用いて3D薄膜上に立体的な背景を投影させる点で、構造が大きく異なります。
〝視差〟が出ない点が最大のメリット
3D映像を用いる最大のメリットは、照準器を覗き込む角度に左右されず、常に正確な照準点を示せることです。
例えばスコープやリフレクターサイトでは、真正面から覗き込まないと、レティクルや光点と実際の照準点がずれてしまう視差(パララックス)という現象が起こります。しかし、ホロサイトでは3D映像にレティクルを投影している(三次元空間上の標的の位置に、レティクルが置かれているイメージ)ため、原理的に視差の問題はほとんど生じません。
視差について詳しくは、下記のページで詳しく解説をしているので、併せてご参考ください。
照準を付けなくても正確に射撃ができる
ホロサイトは、視差が生じないため、どのような角度から覗き込んでもレティクルが常に照準の中心を示します。つまり、スコープやリフレクターサイトでは銃を正確に構えて視線を正しく合わせないと正確な射撃ができませんが、、ホログラフィックサイトでは、レティクルが標的を捉えている限り、正確な射撃が可能になります。
この特徴を分かりやすく理解するために、上記の動画をご覧ください。3分49秒あたりから、「覗き込む角度が変わっても、レティクルが照準の中心を示す」のイメージが確認できます。
ホロサイトの短所
正確な照準を付けない射撃は危険
ホロサイトは視差がほとんど出ないため『正確な照準姿勢を取らなくても命中させられる』という利点があり、この長所は戦闘時など瞬時に射撃しなければならない状況では役に立ちます。しかし、狩猟や標的射撃では、正確な射撃姿勢を取らないと思わぬ方向に銃口が向いてしまったり、反動による怪我や流れ弾による事故の危険性が高まるため、決してこのことが「長所」だとは言えません。
値段が高くなる
ホロサイトは、ドットサイトに比べて高価な傾向があります。一般的に、ドットサイトは1万円程度で購入できますが、ホロサイトは10万円以上するものが多いです。インターネットで数万円程度のホロサイトを見かけることもありますが、これらはホビーガン用であるため、散弾銃やライフル銃のような反動の大きい銃に取り付けると、破損する可能性があります。
空気銃の場合は、反動がほとんどないため、ソフトエアガン用のレプリカ品を使用することも可能です。