口径とは、銃身の内径を指します。口径の種類は銃の種類によっても違いがありますが、狩猟や標的射撃競技に使用するライフル銃、空気銃では「0.22インチ(22口径、5.5㎜)」、「0.25インチ(25口径、6.35㎜)」、「0.3インチ(30口径、7.62㎜)」が主に使用されています。散弾銃の場合は410番、20番、16番、12番が使用されており、日本では最も12番口径が多く、続いて20番口径がよく使用されています。
エアライフルの口径
エアライフルは銃身内壁(銃腔)にらせん状の溝(ライフリング)が刻まれており、銃身の内径は一般的に、このライフリングの山ー山の長さのことを指します。
よく使われる口径には、0.22インチ(5.5mm)、0.25インチ(6.35mm)、0.30インチ(7.62mm)があり、それぞれ目的や獲物の種類によって使用されています。
5.5mm(0.22インチ)
5.5mm(0.22インチ)は、エアライフルにおける標準的な口径サイズです。射出時に空気を受ける表面積や重量のバランスが良いため、安定した直進性と集弾性が得られます。キジバトやヒヨドリといった小鳥から、カモ、キジといった大型鳥まで幅広く狙えるため、口径サイズに迷ったら、とりあえず5.5mmを選んでおくことをオススメします。
5.5mmよりも小口径の「4.5mm」
エアライフルの場合、一般的な5.5mmよりも小さな口径として4.5mm(0.17インチ)があります。この口径は主に、空気銃の射撃競技で用いられるサイズです。
狩猟に使用されることもありますが、5.5mm口径よりもペレットの重量が軽くなるため、ストッピングパワーが低くなります。その反面、直進性に優れ、命中時の肉の傷みが少ないという利点があります。そのため、ヒヨドリやキジバトといった小型鳥の狩猟や有害鳥獣捕獲にしばしば利用されています。
近年ではほとんど流通していない「5.0mm」
エアライフルには、さらに5.0mm(0.20インチ)という口径も存在します。しかし、これは過去に国産エアライフルで使用されていた口径であり、現在では適合する銃はほとんど流通していません。
6.35mm口径(0.25インチ)
6.35mm(0.25インチ)口径は、スタンダードな5.5mm口径に比べて空気が当たる表面積が大きくなるため、直進性は劣ります。しかし、弾の重量が重い分、獲物に命中したときの衝撃(ストッピングパワー)は大きくなります。
5.5mmか6.35mmか迷ったときは
「5.5mmが良いか?6.35mmが良いか?」と迷ったときは、ご自身の狩猟スタイルを思い浮かべてみましょう。もしあなたが、カモやキジといった大型鳥、またはノウサギなどの獣類を捕獲することが多くなりそうなのであれば、ストッピングパワーに優れた6.35mmがオススメです。
逆に、ヒヨドリやキジバトといった小鳥を主に狙いたいのであれば、精度に優れた5.5mmがオススメです。もしあなたが初心者で、ご自身の狩猟スタイルがわからない場合は、ひとまずペレットの種類が豊富で安価な5.5mmを選んでみましょう。
7.62mm口径(0.30インチ)
7.62mm(0.3インチ)口径は、軍用のアサルトライフルや拳銃などにも用いられる一般的な口径として知られていますが、エアライフルにおいては「大口径(ビックボア)」と呼ばれるサイズです。
7.62mmの用途は「大物の止め刺し」
このサイズの弾頭は表面積が大きいため、ヒヨドリやキジバトといった小動物をターゲットにすると、肉が大きく傷ついて可食部が少なくなります。また、重量があるので初速が遅く直進性に難があるため、遠距離狙撃も難しくなります。しかし7.62mm口径はストッピングパワーが大きいため、近年では罠にかかったイノシシやシカに「とどめ」を刺す用途でよく使用されています。
7.62mmよりも大口径の「9mm」
7.62mm口径より上には9mm(0.35インチ)というサイズがあり、海外ではシカ狩りで使う人もいるようです。ただし、日本で所持できる空気銃の最大口径は「8mm」までなので、9mm口径のエアライフルを日本国内で所持することはできません。
ライフル銃の口径
ライフル銃の場合は、0.24インチ(6㎜)未満の口径を狩猟に使うことはできません。しかし、標的射撃用のライフルでは「22ロングライフル弾」と呼ばれる0.22インチ弾がオリンピックの射撃競技などで用いられています。
狩猟に使用されるライフル銃の口径は、一般的には30口径(7.62mm)が標準とされています。しかし、日本国内の猟場は視界が狭く、獲物と出会う距離が短くなるため、威力を落として直進性・低反動を向上させた0.24口径(6mm)も人気が高まっています。
ライフル銃の口径について詳しくは、下記のページで詳しく解説をしています。
散弾銃の口径
散弾銃の口径は、ライフル銃・エアライフルがインチやミリで表記されるのに対して、番径(ゲージ)で表記されます。この番径は「大砲の口径表記」から来ており、「1ポンドの鉛球を撃ちだすことができる口径のサイズを1番」と定義し、その分割数、例えば半分であれば「2番」、3分割であれば「3番」…といった形で表記されます。
標準的には「12番」
散弾銃の口径には色々な種類がありますが、現在ではもっぱら、狩猟・クレー射撃用の12番、海外ではメジャーな16番、スラッグ射撃などによく使われる20番、小口径の410番の4種類が代表的です。この中で「410番」だけは番径表記ではなく、「0.41口径の散弾銃」を意味しています。