私の趣味は「魚料理」です。
日本において、お店に並んでいる食肉は、良くも悪くも品質は均一です。
もちろん品種やブランドによる違いはありますが、年間を通して味や価格が変動することはありません。
対して「魚」は、新鮮かつ、バッチリ身が詰まった旨そうな魚が、驚くような激安で並んでいることがあります。
趣味の魚料理は、魚の「目利き」から始まります。
特に面白いのが漁港の朝市。
開店30分前から並んで、オープンと同時に鮮魚コーナーへなだれ込みます。
朝市には、アジやマダイといった定番の魚が並ぶ中で、コショウダイやコロダイといった「ニッチだけど美味しい魚」や、ニザダイやアイゴなど「調理法を知っていたら美味しい魚」、オコゼゴーザやモダマ(ドチザメ)など「聞いたこともない魚」も並んでいます。
大抵はすごい行列なので、じっくりと足を止めて品定めをする余裕はありません。
そのため、歩を進めながら瞬時に見定めて、ほぼ直感で魚を手に取ります。
ここで、「ピン」と来た魚はすぐにキープしておくこと。
少しでも躊躇しようものなら、後ろからにゅっと手が伸びてきて、掘り出し物から掻っ攫われてしまいます。
無事に魚を手に入れたら、次は調理法選びです。
定番の刺身か、カルパッチョか、いやはや「アクアパッツァ」にするのも捨てがたい……。
あれこれ考えながら、野菜コーナーをウロウロします。
そして、家に到着したら「包丁」の手入れ。
専用の包丁などなくても、普段使いしている包丁を研ぎ直すだけで十分。
ウロコを引いて内臓を出し、水気を切ってポリ袋に入れ冷凍庫へ。
生ゴミの跡を一切残さないようにするのは、「魚料理道」の所作といったところでしょう。
「旨い魚」というのは、不思議なことに包丁を入れた瞬間に分かります。
刃先がズイっと身に吸い付く手応えで、魚の鮮度や脂のノリが確信できるようになります。
そして、そうして出来上がった魚料理を、できれば「昼間からお酒と共にいただく」。
カーーーッ!!
これぞ最高の贅沢。
これ以上に幸せな瞬間はありませんな。
このように、「趣味の魚料理」というのは単純な「料理」とは異なり、魚の目利きからお酒のチョイスまで、無限の「組み合わせ」を楽しむものです。
単純な「栄養を取るための食事」ではなく、「創造」を楽しむアートのようなものです。
同じアートでも、絵画などは作品を物として残しておく必要がありますが、料理は「食べたらその場で綺麗に消える」という、なんともありがたい特徴があります。
そして、「ジビエ」の世界も本質はこれと同じだと思っています。
ジビエには旬があり、強烈な個体差があります。
そして、とれた獲物の肉質を見定めて、料理をあれこれと考えていく。
魚料理やジビエ料理は、一度足を踏み入れば一生楽しめる、奥深い最高の趣味と言えるでしょう




