純国産カモの『カルガモ肉』は、地域によって肉の味わいが変わる

 沢山のヒナを連れて歩くカモの親子。『カルガモ』は日本では珍しく渡りをしない「留鳥」(りゅうちょう)と呼ばれるカモです。日本の地で育つカルガモは正真正銘の“純国産”なので、マガモの肉よりもかなり地域性が出るカモ肉です。

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カルガモってどんな鳥?

カルガモは全長約55cm、アジアの温帯から熱帯域に生息する水鳥で、寒冷な気候を好む他のガンカモ類とは異なり暖かい気候の地域で繁殖を行う珍しい習性を持ちます。

黄色い“スポット”が目印

 カルガモは英語で“Spot-bill duck”(bill:口ばし)と呼ばれるように、口ばしの先端が鮮やかな黄色になっている点が特徴です。この黄色は逆光&遠目からでもよく目立つので、猟場でカルガモを判別することはそれほど難しくはありません。

翼鏡は黒と青

 カモたちの間で“識別マーク”として利用される鏡翼の色は、黒、青のツートンカラーになっています。「青」の色合いはマガモとほとんど同じですが、白い部分がほとんどない点で見分けることが可能です。

オスメスで体色の違いは無い

カルガモのオスメスの違い

 一般的にカモのオスは繁殖期を迎えると羽が生え変わり、目立つ色に変化します。これはカルガモにおいても同様なのですが、実際のところはカルガモのオスメスによる羽色の変化は、人間の目からはほとんどわかりません。このため、他のカモのように非狩猟鳥のメスを誤射するリスクが比較的低いターゲットだといえます。

カルガモはどうやって捕獲する?

 カルガモはマガモとほぼ同じ大きさであり、食性や生息域、警戒心の強さなどもマガモとほとんど同じです。そのため狩猟方法はマガモと変わりはなく、散弾銃や網、近年ではハイパワーエアライフルを用いた猟法が人気です。
 カモ猟について詳しくは下記ページでまとめているので、興味のある方はチェックしてください。

「橋の下」は意外と穴場

 流し猟でマガモ・カルガモを探すときは、橋の下をチェックしてみましょう。マガモやカルガモは天敵である猛禽類からの攻撃を防ぐために、よく橋の下に溜まっています。もちろんこのような場所で散弾銃をブッ放つわけにはいかないので、ハイパワーエアライフルで狙撃しましょう。

餌をついばむカルガモ

 また、マガモ・カルガモは日中でも、田んぼや畑に降りて餌をついばんでいることがあります。特に、上記のような橋がある付近の田んぼ・畑に降りてくることが多いので、網猟のポイントになります。

カルガモ肉の味は?

  仕留めたカモはその場で下処理を行い、自宅で解体をしましょう。下処理の方法や解体方法については下記のページをご参考ください。

カルガモ肉の味は地域性が濃く表れる

 冒頭で述べたように、カルガモは渡りをしない留鳥です。そのため、渡りをしてくる他のカモよりも“同じ物”を食べ続けている傾向が強く、これにより肉質に地域差が大きいといわれています。
 例えば、大豆や小麦といった穀物を育てている付近に居ついているカルガモは脂の乗りが良く、「マガモよりも美味しい」と評価するハンターもいます。逆に、汽水域でタニシや巻貝を食べているカルガモは、肉にクセが強くなったりします。

素嚢の内容物を調べる

 獲物が何を食べているのかを調べるときは、首ツルにある素嚢(そのう:人でいう胃袋にあたる器官)を割って、内容物を確認してみましょう。もちろん素嚢の中身だけでは直近に採食した餌しか把握することができませんが、この個体が生息していただいたいの範囲を調べることは可能です。

酸っぱい系が合う

 カルガモの肉は食性による個体差・地域性はありますが、基本的にはマガモと大きな違いはありません。よって料理方法もネギやセリ、オレンジといった食材と相性が良いといえます。
 あえてマガモ肉との違いを出すとしたら、カルガモ肉には“酸っぱめ”の風味が合うことでしょうか。ソースにビネガー(ワインビネガー、アップルビネガー、バルサミコ酢など)を加えると、旨味がキュッと引き立ちます。

まとめ

  1. 見た目で判別がつきやすく、オスメスの区別もないので初心者でも安心なターゲット
  2. 地付きのカルガモは渡りのマガモに比べて肉に個体差・地域差が大きく出る
  3. 基本的にはマガモ肉と同じ調理法だが、酸っぱい系の味わいがマッチする
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この記事を書いた人

自分で捕獲した魚や肉を料理し、お酒と共に食べることを無類の喜びとする食の探訪人。獲ったものはなんでも食べる。

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