【初心者向け】冬の味覚の新定番『ジビエ』ってなに?

鹿肉ロースト

 近年、テレビや雑誌で話題のジビエ。イノシシやシカなどの野生鳥獣の肉として知られていますが、具体的にどのような魅力があるのでしょうか?家畜肉との違いと合わせて、ジビエの奥深い世界をご紹介します。

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  1. 「蟹・牡蠣・ジビエ」。ジビエは冬の味覚の新定番!
  2. ジビエを手に入れる方法は、自分で狩るか、専門店から買うか。
  3. 『美味しいジビエ料理』を作るのも『マズイジビエ料理』を作るのも、それはあなたの料理の腕次第。

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目次

「ジビエ」ってどんな食材?

鹿のスキレット料理

 野生動物の肉を食べることは、日本人にとって馴染みのない食文化かもしれません。しかし、日本には古くから野生鳥獣を食べる文化があり、「百獣(ももんじ)」という「ジビエ」を指す日本語も存在します。

栄養満点の〝薬食い〟

 日本のジビエ食の文化は、落語の「池田の猪買い」という演目にも見られます。「池田の猪買い」では、「薬食い」と称してイノシシ肉を買い求める描写がありますが、実際に野生鳥獣の肉はビタミンB群や鉄分などが他の食材に比べて非常に豊富であることが知られています。

美味しいかどうかは『質』による

ジビエの処理

 それでは、ジビエという食材は「美味しい」のでしょうか?その答えは・・・「美味しい」ですよ。ただし、な『個体差や捕獲後の処理によって味が大きく変わる』という言葉を付け加える必要があります。
 皆さんが普段から口にしている豚肉や牛肉は、家畜を育てるところから解体する所まで、人間の手間とお金をかけて生産されています。


 対してジビエは、人が育てた動物の肉ではありません。そのため、ジビエは食べていた餌や健康状態などで肉の味が変化します。
 また、ジビエは畜産物のように衛生的な屠殺場で処理されるわけではないので、捕獲したハンターの処理の仕方によっても味が大きく左右されるのです。

ジビエの旬は冬

 ジビエには、野菜や魚のように旬があります。この点も、常に同じ品質で生産される畜産物とは大きく異なる点です。
 ジビエの種類によっても違いがありますが、多くの場合は冬が旬になります。その理由としては、

  • ドングリなどの木の実をたくさん食べて肉に旨味が増すため
  • 寒さに耐えるために身に脂がのるため
  • 外気温が低いため捕獲した獲物の傷みが少ないため

などが挙げられます。
 つまりジビエは、「春のタケノコ、夏のスイカ、秋のサンマ」と同じように、旬の時期に味わうのが一番美味しいということです。

ジビエの魅力って何?

アナグマ肉

 ジビエの魅力は、味のクセが強く、臭いがキツく、品質にムラがあることです。こう書くと、とても「まずそう」に思えるかもしれませんが、ジビエはこの野性的なクセや香りこそが、最大の魅力なのです。

ジビエはクセだらけ。でも、それがいい!

アナグマすき焼き

 例えば、スーパーに並ぶ豚肉は、人間の手によって完全にコントロールされた、いわば「食肉のスーパーエリート」であり、人間が「美味しい」と感じる最高の品質で提供されています。
 しかし、裏を返せば、これらの肉には「個性」と呼べるものがありません。その肉で作られる料理も、ありきたりな「美味しさ」であり、予想を超える味わいは生まれません。

ジビエは〝一期一会〟の味

 対して、ジビエは違います。“gamey”(野性味)と表現されるその味わいは、人間の手によって完全に管理された畜産肉では絶対に生まれない風味があります。
 もちろん、個体によって臭いが強かったり雑味が多かったりすることもあります。しかし、そのような場合でも、肉の熟成期間や調理方法を変えてみたり、ワインや香辛料を合わせてやることで素晴らしい〝マリアージュ〟が生まれ、想像もできなかった味わいが生まれることもあります。

嫌いな人は嫌い。好きな人はとことん楽しめるのがジビエ

 もし、ここまでの話を読んで、「単純に、美味しい肉が食べたい」と思われたとしたら、はっきり言ってあなたにはジビエは向いていません。高いお金を払ったり、苦労して狩猟を始めてジビエを手に入れるよりも、スーパーで高級肉を買った方が、はるかに幸せになれます。
 逆に、「ジビエって〝面白そう〟じゃないか」と思われた方は、ジビエの魅力を知る素質があります!もちろん、経験の中で「とんでもなくクセの強い肉」に出会う可能性はありますが、それも含めて、一生の体験となることでしょう。

ジビエを手に入れる方法

「冬の味覚の新定番」とも言えるジビエですが、一般的なスーパーではなかなか手に入りません。ジビエを手に入れるには、大きく分けて「自分で狩る」か「専門店で購入する」という2つの方法があります。

信頼できるお店から購入

 最も一般的な方法は、ジビエ専門店で購入することです。ジビエは日本全国にある獣肉加工処理施設で精肉にされ、地元の朝市や道の駅、またはインターネットなどで通販されています。
 値段は販売店によって異なりますが、イノシシ肉の場合は和牛のカルビ、シカ肉は国産牛の赤身切り落としぐらいが相場だと考えておくと良いでしょう。

人から貰うのはリスクがある

 ジビエを手に入れる方法として、猟師と親しくなり分けてもらうという選択肢も考えられます。しかし、この方法には注意が必要です。なぜなら、猟師は〝狩猟のプロ〟であっても、食肉処理の専門家とは限らないからです。
 ジビエには、さまざまな人獣共通感染症や食中毒のリスクが潜んでいます。正式な施設で適切に処理されたものであれば安全ですが、個人が解体したものは衛生面で不安が残ります。たとえ「タダで譲ってくれる」としても、安全性を考慮するのであれば、信頼できる施設で処理されたジビエを選ぶようにしましょう。

自分で〝狩る〟

罠にかかったイノシシ

 ジビエを手に入れる方法として、最もおすすめの方法は、〝自分の手で手に入れる〟ことです。「自分の手で命を奪い、その肉を食らう」という体験は、あなたの価値観を変えてしまうほどのインパクトがあります。
 もしあなたが少しでも興味を持ったなら、ぜひこの世界に飛び込んでみてください。一生楽しめる趣味と新しい価値観の発見が、そこにあるはずです。

散弾銃でカモを撃つ

 もちろん、ジビエを自分の手で〝狩る〟というのは、決して簡単なことではありません。そこで、本サイトでは「知識0からでも狩猟を始められる」ように、様々な情報を発信しています。

まとめ

  1. 「蟹・牡蠣・ジビエ」。ジビエは冬の味覚の新定番!
  2. ジビエを手に入れる方法は、自分で狩るか、専門店から買うか。
  3. 『美味しいジビエ料理』を作るのも『マズイジビエ料理』を作るのも、それはあなたの料理の腕次第。

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