意外と落ちる人が多い!?「ライフル銃の射撃教習」体験レポート

大物猟ハンターなら一度は憧れる「ライフル銃」。私自身も狩猟を始めて12年目を迎え、今年ついにライフル銃の所持を決意しました。しかし、ライフル銃を所持するためには、散弾銃とは別に「ライフル銃の射撃教習」を受け、修了しなければなりません。この教習は意外と難しく、実際に不合格になる人も少なくないと言われています。
そこで今回は、私自身の体験をもとに、ライフル銃射撃教習の内容や難しかったポイントなどについてお話をしていきたいと思います。

目次

ライフル銃の射撃教習資格認定

ライフル銃の射撃教習を受けるためには、まず「射撃教習資格認定」を公安委員会から受ける必要があります。これは、散弾銃を所持した際に受けた教習資格認定と同じ手続きで、「ライフル銃の教習を受けても問題のない人物か」を確認するための審査です。

必要書類

  1. 教習資格認定申請書
  2. 経歴書
  3. 医師の診断書
  4. 同居親族書
  5. 住民票(本籍記載のもの)
  6. 身分証明書
  7. 講習修了証明書
  8. 写真2枚
  9. 申請手数料(8,900円)
  10. その他、所轄が提出を求める書類

ライフル銃の所持を目指す人は、基本的に「散弾銃を10年以上継続して所持している人」が対象です。そのため、上記書類の解説は必要ないはずです。

教習資格認定申請に省略できる書類は無い

注意が必要な点として、教習資格認定申請では「書類の省略」が認められていません。
たとえば散弾銃の所持許可更新では、すでに所持許可証を持っている場合、住民票や医師の診断書などを省略できます。しかし、教習資格認定ではこの特例が適用されません。
私の場合、ちょうど散弾銃の更新申請と同時期だったのですが、経歴書や同居親族書はもちろん、医師の診断書までご丁寧に、同じものを2通提出する必要がありました。

散弾銃を10年所持していなくても申請できるケース

一般的に、狩猟用の大口径ライフル銃を所持するには、「散弾銃を10年以上継続して所持していること」が条件になります。
ただし、すべてがこの条件に当てはまるわけではありません。
たとえば、競技射撃で使用される小口径ライフルは、10年所持要件の対象外です。
また、大口径ライフル銃であっても、「有害鳥獣捕獲専用」として使用する場合には、10年を待たずに所持許可を申請できる制度があります。
なお、このような条件では「推薦状」の提出が必要になります。
競技用途であれば日本スポーツ協会(旧・日本体育協会)からの推薦状が。
有害鳥獣捕獲用途であれば、都道府県知事もしくは市町村長からの推薦状が必要になります。

教習用のライフル弾を購入する

教習射撃資格認定の申請が終わると、その後は所持許可申請とほぼ同じ流れで、面談や身辺調査が行われます。特に問題がなければ、2週間ほどで資格認定が下りるでしょう。
所轄の生活安全課から連絡を受けたら、警察署へ認定書を受け取りに行きます。

射撃教習を予約する

認定書を受けとったら、有効期限の「3カ月以内」に教習を受けましょう。
教習の予約は警察署ではなく、射撃教習を開催している射撃場に問い合わせて予約を取ります。
その射撃場で教習を行っているかは、「一般社団法人全日本指定射撃場協会」のホームページ等で確認することができます。

猟銃用火薬類等譲受許可の申請

普段、猟友会の「無許可譲受」を利用している方は意識する機会が少ないかもしれませんが、本来、実包を購入するためには公安委員会から「猟銃用火薬類等譲受許可」を受ける必要があります。
もちろん、ライフル銃の教習で使う弾についても同じです。
この手続き自体は、申請書を提出して2,400円の手数料を支払うだけですが、申請書には「いつ頃に弾を購入するのか」や「いつ頃に教習を受けるのか」といった予定まで記入する必要があります。
そのため書類作成に結構時間がかかるので、あらかじめ自宅で記入できる部分は書いておくとよいでしょう。

教習で使うライフル弾の種類を事前に確認しておく

申請時に注意が必要なのが、「どの種類のライフル弾を購入するのか」を事前に把握しておく必要がある点です。
散弾銃の教習であれば、使用する銃は基本的に12番であり、トラップなら7.5号、スキートなら9号と、必要な装弾も決まっています。
しかしライフル銃の場合は「308ウィンチェスター弾」や「30-06スプリングフィールド弾」、または「270ウィンチェスター弾」など、様々な種類があります。
そのため、教習を受ける射撃場にある教習用ライフル銃が、どの種類の実包を使っているのか知っておかないと、譲受許可の申請が書けないのです。

私が実際に困った話

実は私は、この確認を完全に忘れていました。
資格認定書を受け取る段階になって初めて気付き、慌てて警察署の中から射撃場へ電話をかけたのですが、返ってきたのは、
「まず認定書をFAXしてください。確認後でないと弾の種類はお伝えできません」
という返答でした。
当然ですが、警察署で私用のFAXを借りることはできません。
FAXを送るにはコンビニへ行く必要がありますが、そうこうしていると窓口が閉まってしまいます。
今日中に申請をしないと、また平日に時間を見つけて警察署に来る必要があります。
これは面倒くさいッ!

最終的には、生活安全課の担当官に相談したところ、過去の申請記録から使用する実包の種類を調べて教えてくれたため、何とかその場で申請できました。
しかし、担当官によっては出直しになるケースも十分あると思います。
そのため、あらかじめ教習を受ける射撃場で使われる実包の種類を、確認しておくことをおすすめします。

ライフル実包を購入する

教習を受ける射撃場によっては、その場で実包を購入できることもあります。
しかし、私が受講した射撃場では実包の取り扱いがないため、事前に銃砲火薬店へ足を運ぶ必要がありました。
今回、教習用として購入したのは「308ウィンチェスター弾」の120グレイン弾頭です。
昔は教習用ライフルといえば「30-06スプリングフィールド弾」が一般的だったそうですが、最近では308を使う射撃場が増えているとのことでした。
使用する弾数は射撃場によって多少違うかもしれませんが、一般的には練習射撃で20発、考査で20発、合計40発を使用します。

40発14,000円!?


さて、顔なじみの店長さんとの雑談を終え、いざお会計へ。
そこで表示されたレジの金額を見て、思わず声が出てしまいました。
「14,000円!?」
308ウィンチェスター弾は、ライフル弾の中では比較的流通量が多く、安価な部類に入る実包です。
私の記憶では、数年前までは1発230円くらいだったはず…。
そんな感覚のまま店へ来ていたので、財布には1万円札しか入っていませんでした。

店長さんの話によると、ここ数年でライフル弾の価格はほぼ倍近くまで高騰しているそうです。
理由としては、歴史的な円安に加え、原油高による輸送コストの上昇。
さらにコロナ禍以降のアメリカ国内では政治不安による「ホームディフェンス向け銃器」の需要が急増し、それが価格高騰に拍車をかけているとのことでした。

ライフル教習はとにかくお金がかかる

  • 認定資格申請手数料:8,900円
  • 猟銃用火薬類譲受申請手数料:2,400円
  • 射撃教習受講料:27,000円
  • ライフル弾の購入費:14,000円

ちなみに、ここまでにかかった費用を合計すると、52,300円でした。
しかも、これはまだスタート地点に過ぎません。
この後には、ライフル銃本体、スコープ代、所持許可申請の手数料が待っています。
改めて実感しますが、銃を所持するのはお金がかかる‥‥。
しかも、もし教習に落ちれば、再び受講料と実包代が必要になります。
教習は資格認定書の有効期間3カ月以内であればいくらでも受講可能ですが、一発で合格しなければ、財布が大ピンチです!!

射撃教習本番

そして迎えた教習当日。朝9時に射撃場へ集合です。
当日のライフル銃教習の受講者は、なんと私ひとり。
同じ日に別室で行われていた散弾銃の教習には5人ほど受講者がいたので、改めて「ライフル銃まで所持する人は限られているんだな」と実感しました。

教習の科目

教習は、まずライフル銃の特徴や精密射撃に関する座学から始まります。時間にして1時間ほどでしょうか。
その後、実際のライフル銃を使用して、安全確認や基本操作のチェックを行います。
そして一通りの説明が終わると、いよいよ大口径ライフル射撃場へ移動します。
実射では、まず20発の練習射撃を実施。
その後、本番となる20発の考査射撃が行われます。

  • 立射:20発中25点以上
  • 膝射:20発中40点以上
  • 伏射:20発中60点以上

修了(合格)基準は上記のように法律で定められています。
どのように射撃をするかについては、射撃場によって異なりますが、一般的には「50m立射」で行われることが多いようです。

落ちる人が意外と多い

座学や安全操作については、散弾銃を10年も扱ってきた人であれば、難しい内容ではありません。
しかし、問題は射撃です。
散弾銃教習に落ちる人は稀ですが、ライフル教習は意外と落ちる人が多いと言われています。
というのも、教習で使用されるライフル銃は、スコープ付きではなく「アイアンサイト」で射撃する場合が多いからです。

アイアンサイトとは、照門と照星を使って狙う昔ながらの照準方式のことです。
これでリンゴ程度の大きさの標的を狙うのですが、晴の日は日光が反射してうまく視線が定まらない。
特に、「老眼」が始まっている人はかなり大変です。
遠くの標的は見えていても、手前の照星がぼやけてしまうため、正確な照準を付けるのがかなり難しくなります。
幸い、私はまだ老眼もなく、視力もそこまで悪くなかったため、照門・照星・標的の3点をしっかり視認することができました。
しかし、これが見えづらい人には相当厳しい試験だろうと感じます。
ライフル教習を受ける人は、試しにスラッグ弾をオープンサイトで撃ってみる練習をしておいたほうがよいでしょう。

条件を緩くしてくれることもあるらしい

目が悪い人にはなかなか難しいライフル銃の教習ですが、実を言うと、考査の規定には「標的までの距離」に決まりはありません。
そのため、射撃場によっては老眼の人に対しては、30mや20mで行うこともあるそうです。
また、私が受講した射撃場では、立射姿勢での考査ではあったものの、土嚢に銃身を載せる「委託射撃」が認められていました。
そのため、銃を委託しない「オフハンド射撃」をする必要はなく、覚悟していたよりかは撃ちやすい印象でした。
視力や体力に自信がない人は、あらかじめ射撃場に考査の実施形態を問い合わせておいたほうがよいでしょう。

教習は「反動」との闘い

ライフル銃による精密射撃は、散弾銃で行うクレー射撃とはまったく別物です。
クレー射撃では、動く標的に対して「銃を振って撃つ」のに対し、ライフル射撃では「どれだけ正確に狙い続けられるか」が重要になります。
そのため、引き金の引き方や呼吸の止め方、照準の合わせ方など、かなり繊細な技術が必要になります。
幸い、私はエアライフルも所持しているため、精密射撃そのものにはある程度慣れていました。
その結果、考査では合格ライン25点に対して「77点」という成績で、無事に修了することができました。

兎に角反動が段違い

射撃技術に関してはそこまで心配していませんでしたが、それよりもはるかに苦しめられたものがありました
それが……ライフル銃の「反動」です。
散弾銃は、スムースボア(平滑銃身)の中を弾が一気に抜けていく構造なので、反動を受ける時間は短いです。
ところがライフル銃の場合は、弾頭がライフリングにゴリゴリと食い込みながら押し出されていくため、反動が「長く重たい」のです。
たとえるなら、散弾銃が「大きなハリセンで引っぱたかれる感じ」だとすれば、ライフル銃は「鉄アレイでブン殴られる感じ」です。
そのため、練習射撃20発のうち、10発を撃ち終えた頃には、すでに右肩が「もげそう」なくらい痛くなっていました。

無心で撃つしか他は無い

そして迎えた考査本番。
肩の激痛を我慢しながらも、前半10発の時点で、すでに合格ラインの25点は超えました。
しかし、考査は「20発」と決められているため、残り10発を撃ち切るまで考査は終わりません。
辛い…辛すぎる…。
散弾銃の考査の場合、反動を抑えるために肩にタオルなどを巻いておく人もいます。
そこで教官に、「この肩への衝撃、どうにかなりませんか……?」
と尋ねてみたのですが。
返ってきたのは、
「無心で撃つしかない」
という、身もふたもないアドバイスでした。

何はともあれ、教習修了!

最終的には残り10発も無事に撃ち切り、無事に修了証明書を手にすることはできました。
しかし、私の右肩はまったく無事ではありませんで。
教習から4日経った今でも、肩はパンパンに腫れ上がるほど痛いです。
とはいえ、これでようやく大物猟における「最高の道具」を手にする切符を手にしました!

まとめ

  1. 教習射撃認定申請に、省略できる書類は無い。
  2. 認定が下りたら、教習用ライフル銃に適合する実包の譲受許可申請も行っておく。
  3. 教習用ライフル銃にどの種類の弾を使うのか、事前に情報を集めておくとよい。
  4. 老眼や体力に自信が無い人は、あらかじめ射撃場に話を通しておく。
  5. ライフル銃の反動は散弾銃とは比較にならない。無心で耐えるべし。

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