あなたが狩猟や有害鳥獣駆除、標的射撃の目的で銃(猟銃・空気銃)を所持しようと決意したとき、第一関門となるのが『猟銃等講習会(初心者講習)』です。この講習会は講義だけでなく、最後には”難関”の筆記考査も待ち構えているので、気を引き締めてのぞみましょう!
猟銃等講習会初心者講習の受講申し込み
猟銃等講習会の申込窓口は、あなたの住む場所を管轄する警察署内の生活安全課になります。生活安全課とは長い付き合いになるので、良い関係を築けるようにしましょう。
民間人が所持できる“猟銃”
生活安全課へ赴いたら、次の書類を提出します。
- 猟銃等講習会受講申込書
- 縦3.0㎝、横2.4㎝の証明写真1枚
- 受講手数料 6,800円
1の申込書は生活安全課の窓口で書くので、持っていくものは2の写真と3の受講料です。
生活安全課は町の治安を守るための様々な仕事をしています。よって、担当警察官が不在の場合も多いので、事前に電話で伺う日にちと時間を伝えておきましょう。生活安全課が業務をしている時間は、平日の8時30分から17時15分までとなっています。
通称 “0次面接” を受ける
この申し込み時には、たいていの場合“0次面談”が行われます。この面談では担当警察官から職業や犯罪歴、家庭事情などが聞かれるほか、「なんで銃が欲しいの?管理も大変だよ?止めといたほうがいいよ?」と”ゆさぶり”をかけられます。このとき心が揺らぐのであれば、銃の所持はもう考え直した方が良いでしょう。
猟銃等講習会(初心者講習) を受講する
猟銃等講習会初心者講習は、だいたい月に1回、各市町村の持ち回りで行われます。講習会の開催日時と場所は都道府県警察署のHPに掲載されているので、事前に確認しておきましょう。
講習会のスケジュール
受付 | |
銃刀法・火薬類取締法・鳥獣保護管理法に関する講義 | |
昼休憩 | |
銃の取り扱いに関する講義 | |
筆記考査 | |
銃取り扱いに関するDVD視聴 | |
考査合格者発表 |
講習会は平日の午前中から夕方にかけておこなわれます。まず午前中に法律に関する講義が行われ、お昼休憩を挟んで午後からは銃の構造や、取り扱い時の注意事項、マナーなどに関する講義を受けます。これらの講義がすべて終わったら、講習内容を総括する考査が行われます。考査の結果は帰り際に発表され、合格であれば猟銃等講習会修了証明書が発行されます。
講習の予習をしておこう
講習では、銃砲刀剣類所持等取締法、火薬類取締法、銃の構造や取り扱いに関する知識、また銃猟に関係する鳥獣保護管理法についての講義が行われます。これらの法律に関する知識は、よく理解しておかないと重大な法律違反を犯してしまう危険性があるため、講習会申し込み時に生活安全課で渡される猟銃等取扱読本に、よく目を通しておきましょう。
考査に合格しよう!
講習がすべて終わったら、最後に講習内容の考査が行われます。考査は50問の〇×式で行われ、45点以上で合格です。このテストは都道府県によって難易度に差があり、合格率80%というところもあれば20%以下という都道府県もあります。平成27年度よりテスト内容の新基準が設けられたため合格率は平準化したと言われていますが、予習はしっかりとしておきましょう!
考査の出題傾向と対策を覚えておこう
考査の問題には”傾向”があります。ここではいくつかの設問を例に、その傾向を見ていきましょう。
【例題1】
銃は、本来遠くにいる動物の捕獲や人を殺すことを目的として作られた道具であり、危険性の高いものである。
【例題2】
猟銃の所持許可を受けることができるのは、その目的が狩猟、有害鳥獣駆除、標的射撃の場合に限られている。
【例題3】
猟銃の所持の許可を受けた者は、正当な理由がある場合を除いては、許可を受けた銃砲を携帯または運搬してはならない。
【例題4】
複数の者で同じ銃を所持することは原則として禁止されているが、例外的に同居している親族間であれば共同で同じ銃を所持することができる。
【例題5】
放火の罪で懲役5年の刑に処せられたものでも、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過すれば、銃砲の所持許可を受けることができる。
【例題6】
空気銃の場合で金属製弾丸を6発装てん可能な着脱式弾倉は、猟銃の所持者が銃に取り付けて使用するために所持することができる。
【例題7】
破産手続き開始の決定を受け、その後復権したが、復権の日から5年を経過していない者は許可を受けることができない。
【例題8】
宿泊施設に保管設備がない場合には、必ず自分が宿泊する部屋の戸棚の奥に重要部品を取り外した状態で置き、覆いをかけて保管する。
対策は過去問集を解いておこう
猟銃等講習会初心者講習の問題集は、Amazonで購入できます。できるだけ多くの問題をこなしておき、どんな問題でも対応できるように準備しておきましょう。
猟銃等講習会修了証明書
講習会の考査の結果は、試験終了後に発表されます。合格していれば猟銃等講習会修了証明書という書類が発行されます。この証明書の有効期限は3年間です。よって、ここから実際に銃を所持するまで、3年の間に終わらせてしまわなければなりません。
残念ながら不合格の場合は、再度講習を受けなおさなければなりません。また講習費6,800円と半日の時間を潰すことになるので、次回は必ず突破できるように準備をしましょう!
まとめ
- まずは警察署の生活安全課で猟銃等講習会初心者講習の申し込みをする。講習費用は6,800円
- 講習は平日の9時から17時まで行われる
- 法律に関する知識がたくさん出てくるので予習をしておくこと
- 講習会の最後に考査が行われる。考査は50問の〇×式で行われ、45点以上で合格
- 不合格だと、また講習をやりなおし!講習費も6,800円かかる
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