
ウィンチェスターM1912は、その完成度の高さから「パーフェクトリピーター」と称されたスライドアクション式散弾銃です。設計から100年以上経過した銃ですが、堅牢性と信頼性の高さから、現在でも猟銃として根強い人気を持ちます。
タイプ | 手動式散弾銃(ポンプアクション) |
メーカー | ウィンチェスター・リピーティングアームズ |
製造年 | 1912年 – 1980年 |
中古相場 | 12万円 ~ |
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パーフェクトリピーター

ウィンチェスターM1912は、1912年にアメリカの銃器メーカー、ウィンチェスター・リピーティングアームズ社から発売されたポンプアクション式散弾銃です。
故障が少ない堅牢な造り

スライドアクション式散弾銃の〝傑作〟として名高いウィンチェスターM1897の改良型となるM12は、従来の問題点を完全に改善したとして、発売当初から「パーフェクトリピーター」と呼ばれていました。
さらにM12は、堅牢で故障が少ないことや、薬室閉鎖の安全性が高いこと、造りが単純で小さな不備(例えば撃針折れ)があっても弾を発射できることなどから、高い人気を呼びました。
スラムファイアの危険性が高い

M12は設計が古くトリガーユニット内に逆鈎が無いため、扱い方を間違えると暴発(スラムファイア)の発生が高い銃です。引き金に不用意に触れないように、細心の注意を払いましょう。
またM12は、装填動作をするときにゆっくりと遊底を戻してしまうと、撃鉄を止める機構が上手く作動せずに撃鉄が落ちてしまします。よって装填・排莢する際は、遊底を「ガッシャン!」と大きな音が鳴るぐらい、勢いよく操作しましょう。
コンバットショットガンとしても活躍
散弾銃はもともと、カモなどの水鳥猟をする猟具ですが、20世紀初頭のアメリカでは散弾銃を「悪漢から家族と財産を守る」ためのホームディフェンス用家具としても扱っていました。そのためM12は、第一次世界大戦からベトナム戦争初期まで、「兵士に扱いなれた銃」として戦場に多数導入され、この際銃身を切り詰めて放熱ジャケットと銃剣を取り付けられるようにした「トレンチ」などのコンバットショットガンモデルも登場しました。
ベストセラーとその後
M12は発売から生産終了まで、11種類のカスタムモデルを含めて、およそ200万挺を売り上げるウィンチェスター社のベストセラー商品となりました。
しかし1950年代に低コストで生産できるレミントンM870に販売競争で負け、後釜をM1200に譲る形で1980年に廃盤となりました。現在の日本猟銃市場でも新銃を見ることはありませんが、未だ中古市場に多く出回っています。


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