
イサカM37は、アメリカのイサカ・ガン・カンパニーが製造するスライドアクション式散弾銃です。機関部下から排莢されるという独特の構造をしており、機関部にゴミが入りにくいという特徴があります。それゆえに稼働の信頼性が高いことから、朝鮮戦争やベトナム戦争時のコンバットショットガンとして使用されていました。
タイプ | 手動式散弾銃(ポンプアクション) |
メーカー | イサカ・ガン・カンパニー |
製造年 | 1937年 – 現行 |
中古相場 | 6万円 ~ (新銃10万円) |
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堅牢で信頼性の高いスライドアクション式散弾銃

イサカ社は1880年、アメリカのニューヨーク州イサカに設立され、主に他社銃器メーカーの特許を購入したり、失効した特許を再利用する形で製品を開発していました。
創業当初からしばらくは、主にレミントン社から特許を拝借した銃器を製造していましたが、1907年に「水平二連の3点駆動方式」の特許を利用して開発した「イサカ・フルーズ・ダブルバレル」が、後に「全米で最も売れた水平二連」となり、イサカの社名は銃器メーカーとして全米に知られることとなりました。
当初はウィンチェスターM12の対抗馬として開発されていた
1937年に発売されたM37スライドアクション式散弾銃も、同社を代表するモデルです。もともとはM33という名称で第一次世界大戦で活躍したウィンチェスターM1912に対抗する散弾銃として開発が進められていましたが、期限切れの特許を応用する形で横排莢から下排莢口となり、名称もM37と変更されて発売されました。

特徴的な下排莢機構

発売当初は下排莢口であることに不審がられていましたが、横並びで射撃するカモ猟で排莢が邪魔にならないことや、左利きの人でも扱いやすいこと、また、重量が従来の散弾銃(約3.5kg)よりも軽量(3kg)で扱いやすいことなどから、高い評判を呼びました。
また、開口部が下にしかないことは機関部に異物が混入するトラブルを少なくするメリットもあったため、第二次世界大戦・ベトナム戦争ではジャングル戦用のコンバットショットガンとして、M12と共に利用されました。
現在も続く製造
イサカ社は1970年代から経営問題が続き、1985年に倒産しました。しかし1987年に再編成され、現在はオハイオ州で事業を継続しています。オハイオ州の工場では現在でもM37の製造が続いており、「100%国産ショットガン」として、アメリカでは今もなお愛され続けています。
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