
ブローニングスーパーポーズドは、天才銃器設計士ジョン・ブローニングが人生最後に手掛けた上下二連式散弾銃です。20世紀初頭当時、上下二連式散弾銃はそのほとんどがヨーロッパの老舗銃器メーカーで製造された高級品であり、庶民の手には届かないものでした。そこでジョン・ブローニングは設計方針を一から変え、安価で丈夫な上下二連式散弾銃を生み出すべく、スーパーポーズドの開発に着手しました。
タイプ | 上下二連式散弾銃 |
メーカー | FNハースタル |
製造年 | 1931年 – 1939年 1948年 – 1986年 |
中古相場 | 希少 |
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ジョン・ブローニング最後の傑作「ブローニングスーパーポーズド」
設計をスタートさせた当時、ジョン・ブローニングはすでに70歳を超えており、設計半ばで心臓発作によりこの世を去ってしまいました。しかし、残された設計はジョン・ブローニングの息子ヴァル・ブローニングに引き継がれ、1931年に発売されたスーパーポーズドはジョン・ブローニングの目論見通り、歴史的な販売数を誇る大ヒット商品となりました。
革新的な単引きシステム

スーパーポーズドは「一つの引き金で上下どちらの銃身からでも弾を発射できる」という特徴も大きなセールスポイントでした。
従来の多銃身銃はそれぞれの銃身に引き金が付いており、水平二連式・上下二連式の場合は引き金が2本付いている「両引き」と呼ばれる構造が一般的でした。しかし、スーパーポーズドは発射時の反動でセレクターと呼ばれる内部の振り子が動き、引き金とハンマーの連結が切り替わることで、引き金を二回引くと連射できるという特徴を持っていました。
現在の上下二連式の始祖
スーパーポーズドの単引きシステムは、特に発射タイミングの正確性が重要となるクレー射撃競技において必要不可欠なメカニズムとなりました。
現在、スポーティングに利用される上下二連式散弾銃のすべては、このスーパーポーズドのシステムを踏襲した設計となっています。
生産終了と現代への継承
スーパーポーズドは1939年に第二次世界大戦の影響で一旦生産中止となりましたが、戦後すぐに復活を果たしました。その後40年近く生産が続けられましたが、イタリアのベレッタ社やペラッツィ社などの他メーカーにシェアを奪われ、1986年に生産終了となりました。
しかし現在においても、その設計の多くは日本の銃器メーカー、ミロク製作所が製造するブローニング・シトリなどに引き継がれています。
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