「食べて減らすのだ!」実は美味しい『アライグマ』

アライグマアイキャッチ

 アライグマは、もともと北米にのみ生息していた獣です。つぶらな瞳や縞模様の尻尾で、日本でも人気の動物ですが、外来種であるアライグマは、日本の自然界にとっては好ましくない存在です。そのため、生息数を減らすために「アライグマを食べて減らす」取り組みが進められています。

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  1. アライグマとタヌキの見分け方は、尻尾のシマシマと足の形
  2. アライグマの被害が激増している昨今、『食べて減らす』運動を
  3. 冬場のアライグマ肉は脂身が非常に多い。適度にトリミングをする
  4. アライグマ肉は旨味が強く、サツマイモなどの甘味と相性が良い

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目次

アライグマってどんな動物?

檻に入ったアライグマ

 アライグマは、頭から胴までの長さ(頭胴長)が約50cmで、シルエットはイヌ科のタヌキによく似ています。

手先が器用な動物

 アライグマは、人間の手のひらや〝かかと〟が発達しており、木登りや直立歩行が可能です。その器用な手さばきで水中の餌をすくい取る様子が、『餌を洗っている』ように見えることから、「アライグマ」という名前が付けられたと言われています。

アライグマとタヌキの違い

アライグマとタヌキの違い

 タヌキとよく間違われるアライグマですが、よく見るとその姿は大きく異なります。まず、一番の違いは尻尾で、アライグマは縞模様の尻尾をしているのに対し、タヌキは先端だけが黒くなっています。
 また、アライグマは5本指を地面に着けて歩く蹠行性ですが、タヌキは犬や猫と同じように4本の指で歩く指行性です。捕獲した動物がアライグマかタヌキか分からなくなった場合は、足の形をよく観察しましょう

捕獲方法

 アライグマの捕獲は、小型の箱罠を使うのが一般的ですが、専用の罠も存在します。エッグトラップと呼ばれるこの罠は、アライグマが筒の中の餌を取ろうとすると、バネで挟んで捕獲する仕組みになっています。箱罠よりも持ち運びやすく、設置も簡単なため、アライグマの被害に悩む地域でよく使われています。

人の手によりもたらされた害獣

 もともと北米に生息していたアライグマが、日本の自然界に住み着くようになったのは、1977年に放送されたアニメ「あらいぐまラスカル」によるアライグマペットブームが原因だと言われています。
 アライグマは、かわいらしいイメージとは裏腹に、実際は気性が荒く攻撃的な動物です。そのため、飼育しきれなくなった飼い主が、野山に捨てるケースが多く、現在アライグマは外来種として日本の自然界に定着してしまいました。

生態系だけでなく、農業・畜産・漁業への被害も大きい

 アライグマは非常に強い雑食性で、木登りや水泳も得意なため、在来の鳥類や昆虫、魚などを食い荒らし、生態系に大きな被害を与えています。また、根菜類やイモ類などへの農業被害も引き起こしており、生息場所によっては貝類やウニなどの海産物にも被害を与えています。

アライグマの被害は年々増加している

 アライグマは現在、特定外来生物法で特定外来生物に指定されており、売買や生きたままの運搬は禁止されています。
 勝手に日本に持ち込まれて、勝手に「害獣」として駆除されるというのは、なんとも人間本位的ではありますが、人間が引き起こした問題は人間自身が解決する必要があります。

解体方法

 駆除されたアライグマのほぼすべては、焼却や埋設によって廃棄されています。しかし、実を言うとアライグマ肉は意外と美味しく、原産地の北米では「ご馳走」とされているほどです。

冬のアライグマは脂身が非常に多い

 10月から1月ごろのアライグマは、冬ごもりをするために、皮下に大量の脂身を持つようになります。この脂身は比較的味わいは良いのですが、あまり食べすぎると胃もたれを起こします。調理をするときは脂肪をトリミングして、適当な量にとどめるようにしましょう。

個体差があるので注意

 アライグマはタヌキと同様に、「目についた食べられる物は何でも食べる」という好機主義的雑食性を示します。そのため、住んでいる場所によっては、脂肪に強い獣臭を持つ場合があるので注意しましょう。

アライグマ料理は煮込みがベスト

「アライグマを食べる」と聞くと、多くの日本人は驚きますが、原産地であるミシシッピ周辺では、古くから食用とされています。
 特にネイティブアメリカンの社会では重要な食料資源で、1926年のアメリカ合衆国感謝祭には、ネイティブアメリカンから大統領にアライグマが献上されたという記録が残っています。

アライグマ肉は旨味が強い

 アライグマ肉の味は、牛肉や豚肉とは大きく異なるため、比較するのは難しいのですが、旨味が強いことは確かです。
 アメリカのアライグマ料理では「鴨とネギ」のように、「アライグマとサツマイモ」が相性の良い食材とされており、アライグマ肉と一緒にサツマイモをローストする料理が人気のようです。

まとめ

  1. アライグマとタヌキの見分け方は、尻尾のシマシマと足の形
  2. アライグマの被害が激増している昨今、『食べて減らす』運動を
  3. 冬場のアライグマ肉は脂身が非常に多い。適度にトリミングをする
  4. アライグマ肉は旨味が強く、サツマイモなどの甘味と相性が良い

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