〝アウトドアウェア〟が実は最強。『カモ撃ち』の服装や必要アイテムを解説!

鴨猟の格好

 カモ撃ちでは、河川や野池といった水辺での行動が中心となります。そのため、カモ撃ちに適した服装や、水辺に落ちたカモを回収する装備が必要になります。そこで今回は、カモ撃ちの服装や装備について詳しく見ていきましょう。

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  1. 人目に付きやすい場所で狩猟を行うカモ撃ちでは、『人に見つかりにくくする工夫』が必要
  2. カモ撃ちには、一般的なアウトドアファッションがおすすめ
  3. 水面に落ちたカモを回収する道具(カモキャッチャーなど)を準備しておく
  4. カモ撃ちに使う双眼鏡は、思い切って性能の良い高級品を選ぶ
  5. ナイフは小型ユーティリティで十分だが、バードナイフという専用品もある

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目次

カモ撃ちの服装

オレンジベスト

 オレンジベストの着用は、必ずしも「狩猟者の義務」というわけではありません。開けた場所が多い河川や野池では、色覚が鋭い鳥類には逆に目立ってしまい、警戒されやすくなります。

オレンジベストのメリットはほとんどない

猟犬たちと山を歩く

 そもそもオレンジベストを着用する理由は、視認性の悪い森の中で目立つ色の服装をして〝誤射〟を防止する目的があります。また、赤系統の色は色覚の弱いイノシシやシカに対しては見えにくい色であり、「人間に対しては目立つが、獲物に対しては〝迷彩効果〟を持つ」という長所があります。

 一方、カモ撃ちは主に、河川やため池などの開けた場所で狩猟を行います。また、鳥の目は人間よりも色覚が鋭く、3原色に加えて〝紫外線〟まで視認することができます。
 そのため、赤系統の色はカモに対して〝目立つ色〟であり、イノシシやシカに対するような迷彩効果はありません。

迷彩柄の服は鳥屋撃ちでは効果がある

 海外、特にアメリカのカモ撃ちでは、『迷彩服』を着ているハンターをよく見かけます。しかし、日本では事情がかなり異なるので、迷彩服を着てのカモ撃ちは、あまりおすすめできません。

カモの鳥屋撃ち

 アメリカで行われているカモ撃ちは、日本では「鳥屋撃ち」というスタイルが一般的です。この猟法では、水辺にデコイ(カモの模型)を浮かべ、鳥屋に身を潜めてカモをおびき寄せてから撃ちます。この場合、ハンターの姿が見えてしまうとカモが警戒して近づかないため、迷彩服が効果を発揮します。

『ハンターとわからない格好』のほうが望ましい

カモ猟の風景

 日本でのカモ撃ちは「奇襲」や「狙撃」が中心となるため、必ずしも迷彩柄の服が必要なわけではありません。アメリカでは広大な湿地帯でカモ撃ちを行いますが、日本では民家や道路に近い河川やため池、用水路などが主な猟場となります。
 そのため、あからさまに「狩猟者」とわかるオレンジベストや迷彩柄の服を着ていると、周囲の人に不安を与え、警察に通報されることもあります。

〝通報されない立ち回り〟が狩猟者に必要

 当然のことですが、法律に従って狩猟をしていれば、仮に通報されたとしても罪に問われることはありません。しかし、狩猟者を見て通報をする人の中には、〝狩猟を好ましく思わない人〟も多くいます。そして、事件性があるか否かに関わらず、警察は通報を受けたら現場に駆け付け、場合によっては『事情聴取』や『任意同行』を求めることがあります。
 このようなトラブルが起こると、せっかくの狩猟の楽しい気分が台無しになってしまいます。そのため、カモ撃ちのように人気のある場所で狩猟をする場合は、なるべく周囲の人間に気付かれないような服装や立ち回りを心がけることが重要です。

おすすめは〝普通〟のアウトドアウェア

カモ猟の服装

 カモ撃ちには普通のアウトドアウェアが最も適しています。アウトドアウェアであれば、見た目だけで「狩猟者」とは思われにくく、〝狩猟を良く思わない人〟から発見されるリスクが少なくなります。

単純に、機能性が高い

 アウトドアウェアをおすすめする理由の一つは、その高い機能性にあります。カモ撃ちの猟場は地面がぬかるんでいることが多く、服が泥で汚れやすいため、撥水性の高い素材が適しています。
 また、猟場には「ひっつき虫」などの草木が多く、引っかかりにくい化繊素材のウェアが理想的です。さらに、防寒性や防水性に優れているアウトドアウェアなら、小雨が降っても寒さから身を守ることができます。

オレンジベストがダメなわけではない

カモ猟の風景

 カモ撃ちの服装は、「オレンジベストはダメ」と言っているわけではありません。カモ撃ちの猟場は山間の野池や人の少ない海岸などもあります。このような場所では通行人に目撃される可能性が低いため、万が一の誤射事故を防止するためにオレンジベストを着用するのも有効です。
 自身の狩猟スタイルや猟場の環境に応じて、最適な服装を選ぶようにしましょう。

着替えと靴は必ず用意しておく

 カモ撃ちでは、必ず着替えを準備しておきましょう。ため池や河川での狩猟では、誤って水に落ちてズブ濡れになることがあります。気温が低い日に服が濡れてしまうと、体温が奪われて低体温症になる危険性があるので、できるだけ早く着替えるようにしましょう。
 全身が濡れなくても、カモ撃ちではぬかるみに足がはまって濡れることがよくあります。よって、靴下と靴の替えは最低限用意しておきましょう。

回収道具

カモキャッチャーを投げる

 カモ撃ちでは、水面に落ちたカモをどのように回収するかを事前に考えておく必要があります。以下に、代表的な回収方法を紹介します。

一番は「猟犬(レトリバー)」

 カモ撃ちにおいて、最も効率的かつ伝統的な回収方法は、猟犬を使うことです。特に「ウォータードック」と呼ばれるレトリバーやスパニエルといった犬種は、落としたカモを泳いで回収する「レトリーブ」と呼ばれる作業に優れています。
 何はともあれ、猟犬が頑張ってカモを回収する姿は非常に愛らしく、狩猟の楽しさをさらに引き立ててくれます。

一般的な回収道具『カモキャッチャー』

カモキャッチャー

 猟犬を使役しない場合によく使われるカモの回収道具が『カモキャッチャー』です。カモキャッチャーにはさまざまな種類がありますが、基本的には「仕掛けを遠くに投げるためのオモリ」と「掛け針を浮かせるためのウキ」が必要です。

安物竿は買わないよう注意

 遠くまで投げるためには、〝チョイ投げ竿〟と呼ばれるの硬めの竿が適しています。なお、1,000円程度の安物竿は、仕掛けが飛ばず使い勝手がよくありません。ここはケチらずに4,000~5,000円程度の竿を購入しましょう。

近距離にはこれが便利『ギャフ』

ギャフ型カモキャッチャー

 釣り竿を使ったカモキャッチャーは、木が生い茂る場所では使いづらいため、ギャフを併用すると便利です。この「ギャフ」とは、大型の魚やイカを釣り上げたときに使用する道具で、先端のカギ爪をひっかけて陸に引き上げます。柄は伸縮するようになっており、だいたい8~10mほど伸びます。

操作は難しいが役に立つ『ラジコンレトリバー』

ラジコンレトリバー

 広い水面で役立つのが、ラジコンボートを使った「ラジコンレトリバー」です。カモキャッチャーの場合は、10~50mほどしか届きませんが、ラジコンレトリバーであれば100mほどの範囲で回収が可能です。
 ただし、ラジコンレトリバーの操縦には、かなりの慣れが必要です。掛け針を上手くカモに引っかけられなかったり、水草や流木にひっかけてボートが回収不可能になることもあります。よって、必ず猟期前に操縦の練習をしておきましょう。

レスキューライン付きラジコンレトリバー

レスキューライン付きカモキャッチャー


 ラジコンレトリバーの改造型として、掛け針に釣り糸を付けた「レスキューライン型」というタイプもあります。これは、電波圏外でラジコンが暴走したり、引っ張る力が足りずに立ち往生した場合のリスクに備え、回収用の釣り竿をセットしたタイプです。
 一人ではなかなか操作が難しいですが、二人いればラジコンの操縦と竿の操作で連携して回収作業を行うことができます。

双眼鏡

カモ猟のポイントマン

 双眼鏡は、カモ撃ちにおける必須アイテムです。もちろん、他の猟法でも双眼鏡は重要ですが、カモ撃ちでは狙うカモが「狩猟鳥獣か否か」を判別しなければならないため、よりクリアで性能の良い物が求められます。

カモの判別は難しい

カモの種類

 カモは種類によって羽の色が異なりますが、実際の猟場ではカモが木陰にいたり、逆光になったりして、はっきりと色を確認できないことも珍しくありません。そのため、カモの種類を正確に特定するには、視界がクリアな双眼鏡が必要になります。

〝一生モノ〟と思って奮発したほうが良い

 双眼鏡の価格はピンキリですが、「一生モノの買い物」と割り切って8万~10万円以上のモデルを選ぶことをおすすめします。最高倍率は16~24倍あると便利です。

高級双眼鏡は値段以上の〝価値〟がある

 一般的に双眼鏡は、値段が高くなるほどレンズの質が良くなり、視界がクリアになります。安価な双眼鏡と比較すると、その視界の良さは〝圧倒的〟であり、ずっと覗いていたくなるほどの感動があります。
 カモ撃ちでは「誤射を防ぐため」に性能の良い双眼鏡が重要ですが、それ以上に「覗いていて楽しい」と思えるものを手に入れると、狩猟の楽しさが何倍にも膨らみます。

レンジファインダー

レンジファインダー

 双眼鏡と似ていますが、レンジファインダーは標的との距離を測定するために使う道具です。ショットガンナーには必要ありませんが、精密な射撃を必要とするエアライフルマンには必須装備となります。

ゴルフ用でも「ないよりはマシ」

 レンジファインダーは『ゴルフ用途』として販売されており、値段も5,000円前後と、それほど高くはありません。しかし、ゴルフ用のレンジファインダーは水面に向けると精度が出ないため、エアライフルのカモ撃ちにはあまり役に立たなかったりします。
 しかし、現実的に「エアライフル猟専用のレンジファインダー」という物は市販されていないので、「無いよりはマシ」と考えてゴルフ用を購入しておきましょう。

ナイフ

ポケットナイフ

 カモ撃ちには、小型のナイフを1本持っておきましょう。大物猟で使用するような大型のハンティングナイフは必要なく、取り回しがしやすい小型のユーティリティナイフが便利です。

1本で複数の用途を持つバードナイフ

 カモ撃ちには、鳥猟専用のバードナイフが適しています。バードナイフは「マルチツールナイフ」の一種で、腸抜き用のフック(ガットフック)や、銃のメンテナンスに使用できるコインドライバーが付属しています。
 カモ撃ちでは、意外と『弾詰まり』や『異物混入』などのトラブルが起こります。そこでフィールドストリップ(緊急的な分解修理)ができるように、バードナイフを用意しておくと安心です。

まとめ

  1. 人目に付きやすい場所で狩猟を行うカモ撃ちでは、『人に見つかりにくくする工夫』が必要
  2. カモ撃ちには、一般的なアウトドアファッションがおすすめ
  3. 水面に落ちたカモを回収する道具(カモキャッチャーなど)を準備しておく
  4. カモ撃ちに使う双眼鏡は、思い切って性能の良い高級品を選ぶ
  5. ナイフは小型ユーティリティで十分だが、バードナイフという専用品もある

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