フォーカス(しぼり)は、スコープを覗いた際に、目標物とレティクルのピントを合わせる機能です。これは、単に見えやすくするためだけでなく、視差(パララックス)を補正する目的もあります。
フォーカスの目的
スコープ内部には、レティクル面と像面という二つの面があります。フォーカスは、これらの面の間の絞りを調整することで、レティクルと標的の両方が鮮明に見えるようにする機能です。
また、フォーカスを適切に調整することで、視差の発生を抑えることもできます。視差については、下記のページで詳しく解説していますので、参考にしてください。
フォーカスの調整方法
フォーカス調整を行うダイヤルには、主に3つのタイプがあります。
フロントフォーカス:対物レンズ側に取り付けられたダイヤル。
サイドフォーカス:スコープの側面に配置されたダイヤル。
リアフォーカス:接眼レンズ側に取り付けられたダイヤル。(スコープではあまり一般的ではありません。)
フォーカスダイヤルの選び方
フロントフォーカスはダイヤルが大きいため、軽い力で操作できます。一方、サイドフォーカスは、銃を構えた状態からでも素早く操作できるという利点があります。
どちらのタイプが優れているかは、射手の好みや状況によって異なります。例えば、エアライフルハンティングでは、素早いピント調整が必要となる場面が多いため、サイドフォーカスが主流となっています。
サイドフォーカス用リング
サイドフォーカスタイプのスコープには、ホイールを取り付けて小さい力で回すことができるアタッチメントも販売されています。
フォーカスの表記
フォーカスのタイプは、フロントフォーカスの場合は「FF」、または「アジャスタブルオブジェクト(※)」の略で「AO」と表記されます。(※「オブジェクト」は対物レンズの意味)。
サイドフォーカスの場合は「SF」、または「アジャスタブルサイド」の略で「AS」と表記されます。