高速で飛び出す円盤を散弾銃で撃ち落とすクレー射撃は、ダイナミックな魅力あふれるスポーツです。しかし、まったく初めての人が「クレー射撃を始めたい!」と思いたっても、いったい何から手を付けていいのかわからないのではないでしょうか?
そこで今回は、2020年3月に上梓しました 『イラストマニュアル・はじめてのクレー射撃』(秀和システム社)についてご紹介します。
クレー射撃の始め方を徹底ガイド!
銃所持許可の流れを細かく解説
本書ではまず、日本で銃(散弾銃)を所持するために必要な手続きの方法や、各試験の内容、注意事項などを詳しく解説しています。
銃を所持する方法については下記ページでもご紹介しています。「とりあえず銃の所持方法だけ知りたい」という方は、こちらも併せてご参考下さい。
意外に知られていない“散弾銃の照準”も詳しく解説
本書では、散弾銃の構造や、弾が発射される原理などについても詳しく解説をしています。その中でも、初心者の方には特に参考になると思われるのが、散弾銃の照準についてです。
クレー射撃では、よく「皿の下を撃ってるよ」と、ベテランシューターさんからアドバイスを受けることがありますが、それが一体どういった意味なのか、意外と教えてくれなかったりします。そこで本書では、照準の基本となるゼロインの解説から、散弾銃の“八の字照準”などについて解説をしています。
クレー射撃の基本をイラストで解説
実戦的な内容としては、銃の構え方や、スタンスの取り方、射法、トラップ・スキートごとの競技のポイントなどについて、イラストをふんだんに使って解説をしています。
「平均スコア20点」は、基本の射撃スタイルが近道
「銃の撃ち方は、体格や性格によって最適な射撃スタイルが変わる」と言われます。実際に国体やオリンピックに出場するプロのシューターを見ると、独特の射撃スタイルをしている人も多く見られます。しかしそれはあくまでもベテランの話であって、初心者の内は、まず基本の射撃スタイルを身に付けていかなければなりません。
基本の射撃スタイルを身に付けることは、“安定したスコア”につながります。もしすでにクレー射撃を始めている人で、「なかなか20点を安定して出せない」と困っている人は、まずはスタイルから見直してみてはいかがでしょうか。
クレーの軌跡を解説
トラップとスキートの解説では、クレーが飛んで行く軌跡と、射撃のポイントを解説しています。このクレーの軌跡は “Shooting Sports Gun Club ”という3Dシミュレーターを使っており、 実際に近いクレーの軌跡をイラストに起こしています。
参考書籍の赤本・青本
本書でご紹介している射撃のテクニックは、教習射撃時に配布される教本(通称、赤本・青本)がベースになっています。なのでぶっちゃけた話、本書を買わなくても教本を読めば、基本の射撃スタイルを知ることができます。しかし、この教本は初版が昭和59年と古く、イラストも白黒です。なので、教本をジックリ読んだことがある人は なかなか少ないのではないでしょうか?
そこで今回の書籍では、 日本クレー射撃協会様、 全日本指定射撃場協会様のご協力のもと、この教法の内容をフルカラーで一新し、よりビジュアル的にわかりやすいように仕上げました。
ラビット・トリプルトラップなども解説
一般的にクレー射撃と言うと、トラップかスキート、またはダブルトラップが主体ですが、本書ではラビットやトリプルトラップ、アメリカントラップなどについてもご紹介しています。さらに巻末には、これらの競技ができる指定射撃場の一覧も載せています。
障害者でも楽しめるパラクレー
本書ではトピックとして 、近年世界中でユニバーサルスポーツ(障害者でも健常者と同じように楽しめるスポーツ)として注目されている、パラクレーについても詳しく紹介しています。
ユニバーサルスポーツというと、“障害者に合わせて作られたルール”で行うイメージがありますが、実を言うとパラクレーのルールは普通のクレー射撃のルールと、ほぼ違いはありません。違う点は、例えば義手や車椅子などの規定ぐらいで、得点の付け方や競技のルールにハンディキャップはありません。つまりクレー射撃は、健常者と障害者がまったく同じ条件のもと競い合えるという、真のユニバーサルスポーツと言えるのです。
まとめ(こんな人にオススメの本)
- クレー射撃について、何から始めたらいいのか全くわからない人
- スコア20点を出すために、銃の構え、姿勢、照準などの基本を押さえておきたい人
- ラビットやトリプルトラップなどのルールを詳しく知りたい人