ジビエを劇的に美味しくする「エイジング」が面白い

先日捕獲した、体重80kgにもなる大型のイノシシを精肉処理しました。
本来であれば、背骨から真っ二つに割った「枝肉」の状態で、3℃程度の熟成冷蔵庫に2週間ほど吊るしておくのが、当会の標準的なやり方です。


​しかし、今回のイノシシは巨大だったので、熟成庫には入りきりません。
肉同士が触れ合ったり、壁や床に密着してしまうと、そこにドリップが溜まって細菌が繁殖し、熟成が進む前に腐敗が上回ります。
​そこで今回は手法を変え、3日間だけ懸吊してある程度肉質を落ち着かせた後、すぐに抜骨・精肉し、真空パックにした状態で熟成を行うことにしました。

​普段行っている方法は「ドライエイジング」と呼ばれ、余分な水分が抜けることで旨味が凝縮されるのが特徴です。
対して今回採用したのは「ウェットエイジング」と呼ばれます。
肉の柔らかさや旨味の凝縮感はドライに劣りますが、乾燥した表面を削ぎ落とす必要がないため歩留まりが良く、なによりコンパクトで収納性が高いという利点があります。

​ジビエ作りは非常に奥深い世界です。
狩猟とは全く異なる、「もう一つの世界」と言っても過言ではありません。
​熟成の方法ひとつで、旨味の爆発する肉になるか、ただの腐った肉になるか。
歯ごたえを残すか、とろけるような柔らかさを引き出すか。その変化は無限大。
こういったディープなジビエの世界についても、また詳しくお話しできればと思います。

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