【注意点多数】猟銃・空気銃の『更新申請』2024年以降の変更点も詳しく解説

猟銃空気銃の更新大変すぎる

猟銃や空気銃は、「所持するまで」だけでなく「所持し続けること」も大変です。特に、3年ごとに行われる所持許可の更新申請は、膨大な書類準備をしなければなりません。さらに、2024年に長野県で発生したハーフライフル乱射事件を契機に、審査はこれまで以上に厳格化され、長年銃を扱ってきたベテラン狩猟者であっても戸惑うほどです。そこで本記事では、更新申請でつまずきやすいポイントや注意点をわかりやすく解説します。

目次

更新申請の基本

まずは、猟銃・空気銃の所持許可更新に必要な書類を確認しておきましょう。
更新申請では、下リストの書類を提出する必要があります。
なお、(★)を付けた書類は「再交付を伴わない更新」の場合には提出不要となります。

  1. 猟銃・空気銃所持許可証
  2. 猟銃等所持許可更新申請書
  3. ★)身分証明書
  4. ★)写真2枚(3.0cm × 2.4cm)
  5. ★)同居親族書
  6. ★)経歴書
  7. 医師の診断書
  8. 講習修了証明書
  9. 技能講習修了証明書、もしくは免除される場合の代替書類
  10. 使用実績報告書
  11. 調査先とする知人等の申告書
  12. 銃の用途に応じて必要な証明書(狩猟免状、従事者証等)
  13. 当該の銃

「許可証の再交付を伴わない更新」とは?

更新には、許可証を新しく作り直す「再交付を伴う更新」と、現在の許可証に追記するだけで済む「再交付を伴わない更新」の2パターンがあります。
この違いは、許可証自体の交付日から数えて「3回目の誕生日」を迎えているかどうかで判断されます。
最初に登録した銃(1丁目)は更新のタイミングで必ず許可証が再交付となります。
しかし、後から追加した2丁目・3丁目の銃については、1丁目の更新と時期がズレる場合があるため、許可証の更新を伴わない場合があります。
再交付が不要な場合は、提出書類が減るだけでなく、更新手数料もやや安くなるため、事前にどちらに該当するか確認しておきましょう。

「身分証明書」のよくある勘違い

更新書類の中でも、特に注意したいのが「身分証明書」です。
これは運転免許証やマイナンバーカードのことではなく、「破産者でないこと」を証明する公的書類を指します。
さらに重要なのは、この書類が本籍地の市町村でしか取得できないという点です。
近年は戸籍謄本であれば本籍地以外でも取得可能になりましたが、身分証明書は対象外。
ここを勘違いしている人は少なくありません。

住所と本籍地が違う場合は注意

住所は引っ越しをした場合、必ず修正する必要がありますが、本籍はその必要がありません。
そのため、現住所と本籍が異なることはかなり多いです。
そのため、たとえば現住所が福岡県博多区で本籍を東京都品川区になっている場合、品川区の役所から身分証明書を取り寄せる必要があります。
この作業は郵送になるため、1週間前後かかるのが普通です。
もしギリギリ間で更新をしておらず焦っても手に入らないので注意しましょう。
なお、更新に「住民票」は必要ありません。

特に注意事項の無い書類

更新申請で提出する書類について、2.猟銃等所持許可更新申請書5.同居親族書6.経歴書については、特に注意する項目はありません。
同居親族書は同居する家族の名称を。
経歴書については職歴、住所歴、犯罪歴等を記入します。
毎回作成するのは面倒なので、Wordのひな形ファイルに直接記入し、印刷して使えるようにしておくとよいでしょう。
7.医師の診断書についても、初めて銃の更新をする際や、銃を新しく追加する際に提出する物と同じです。
毎度毎度診察料がかかりますが、必要経費として割り切りましょう。

所轄によって提出書類が異なる場合がある

更新申請に必要な書類は原則として先に述べたリストだけですが、警察の所轄によって提出する書類が異なる場合があります。
たとえば、「ガンロッカーの設置場所の写真」を貼付する必要があったり、誓約書があったりもします。
また、更新申請時に「銃の現物定時が必要」とされていますが、所轄によっては「銃の検査はガンロッカーの検査の時でいいです」といわれることもあります。
そのため更新申請時には、必ず所轄の生活安全課に問い合わせて、必用な書類を確認するようにしましょう。

講習修了証明書

講習修了証明書は、「猟銃等講習会」を受講することで交付される書類です。
銃を所持している人であれば、必ず一度は猟銃等講習会(初心者講習)の修了証明書を取得していますが、この証明書の有効期限は3年間。
つまり、更新のタイミングでは必ず期限切れになっているため、改めて取得し直す必要があります。

更新時は「経験者講習」を受講する

更新にあたっては、新たに猟銃等講習会(経験者講習)を受講します。
申込みは更新申請と同様、所轄警察署の生活安全課で行い、受講料3,000円を支払います。
講習内容は、初心者講習と同様に銃の取扱いや安全管理に関する座学が行われます。
講習の最後には「効果測定」と呼ばれる簡単な考査がありますが、初心者講習ほど厳格なものではありません。
自己採点だったり、答案は提出せずに持ち帰って復習を促されるケースもあり、一般的に「落とされる」ようなことはないでしょう。

受講のタイミングは早めに確保する

経験者講習の開催頻度は都道府県によって異なりますが、一般的には月に1〜2回程度実施されています。
ただし、講習は県内の警察署が持ち回りで開催しているため、タイミングによっては自宅からかなり離れた場所で受講しなければならないこともあるので、注意しましょう。
更新直前になって慌てないためにも、できれば半年前には所轄に問い合わせ、無理のない場所と日程で受講できるよう調整しておくのが理想です。

技能講習修了証明書

空気銃以外の猟銃(散弾銃・ライフル銃)を更新する場合には、それぞれの銃種に対応した技能講習修了証明書が必要になります。
この技能講習は射撃場の備え付け銃を使用する教習射撃とは違い、自分が所持している銃を使用する必要があります
そのため、講習の申請時には「猟銃用火薬類等譲受許可申請」もあわせて行う必要があります。

技能講習の受講

技能講習の申込みは、経験者講習と同様に所轄警察署の生活安全課で行います。
費用は手数料・受講料あわせて12,700円です。
なお、申込み期限には注意が必要です。
経験者講習は、約1週間前まで受付されるのに対し、技能講習はおおむね1か月前(地域によっては10日前後)までに申請が必要となります。
このため、更新期間に入ってから気づいた場合では間に合わないケースも多く、早めの準備が欠かせません。

うっかり忘れた場合はどうなる?

技能講習を受け忘れてしまうと、原則として更新に間に合わず、そのまま失効となります。
しかし、これは私が聞いたことのある例外的な処置だとは思いますが・・・
技能講習を忘れていたことを担当官に相談したところ、
「先に更新申請だけ済ませてください。後日修了証明書を提出してもらえれば、こちらで差し替えておきます」という措置をしてもらったという人もいます。
もっとも、これはあくまで担当者の裁量による「温情」です。
基本的には「間に合わない=アウト」と考え、余裕を持って準備しましょう。

技能講習が免除される場合

  • 特定鳥獣被害対策実施隊員の指名書または任命書
  • 鳥獣捕獲の許可証
  • 従事者証

一定の条件を満たす場合、技能講習が免除される特例も存在します。
代表的なのは、市町村が策定する被害防止計画に基づく有害鳥獣捕獲に従事しているケースです。
この場合、上リストのいずれかの書類(いずれも、銃の更新日において有効期限内であることに限る)が必要になります。
一般的には、捕獲時に携行する鳥獣捕獲の許可証を提示するケースが多いでしょう。

市町村の証明書も必要になる

技能講習を免除される場合は、先述の証明に加えて、市町村長が発行する対象鳥獣捕獲等参加証明書も必要です。
この書類は、市町村の担当部署(多くの場合、農林振興課など)に申請して発行してもらいます。
ただし、発行にあたっては「猟友会から駆除に参加したことを一筆書いてもらってください」といった注文を受けることもあります。
役所や担当者によって対応が異なるため、事前に必要書類を確認し、早めに調整しておきましょう。

免除の特例期間

技能講習の免除は、鳥獣被害防止特措法に基づく特例措置であり、令和9年(2027年)4月15日までとされています。
これまでにも延長された経緯はありますが、今後も確実に延長されるとは限りません。
よって、該当時期に更新を迎える方は、制度の最新情報を確認し、必要に応じて技能講習の受講も視野に入れて準備しておきましょう。

使用実績報告書

2024年の長野県での事件以降、更新手続きの中でも特に厳しく見られるようになったのが使用実績報告書です。この書類は、銃を許可された目的(狩猟・有害鳥獣捕獲・標的射撃)に沿って適切に使用しているかを確認するもので、過去3回分の活動実績を記入する必要があります。
これまでは、特に狩猟や有害鳥獣捕獲については客観的な証明が難しいこともあり、実質的に自己申告で済むケースがほとんどでした。
しかし現在は運用が変わり、「実績を裏付ける証拠」を求められるケースが増えています。

スマホ記録が「証拠」になる

標的射撃であれば、スコアカードや施設の利用証明書など、比較的明確な証拠を提出できます。
一方で、単独で行った狩猟や有害鳥獣捕獲は、証明が難しくなります。
こうした状況を踏まえると、日頃から実績を記録しておくことが非常に重要です。
そこでおすすめなのは、スマートフォンを活用した記録です。
たとえば、「出猟時の銃を携行した写真」や「獲物との写真」などを残しておけば、自動的にタイムスタンプが付くため、客観的な証拠として活用できます。

撃っていなくても実績にはなる

意外と誤解されがちですが、実績報告は「発砲の有無」が条件ではありません。
たとえば、出猟したが発砲機会がなかったり、わなにかかった獲物の止め刺し目的で携行した場合でも、適正な使用実績として認められます。

「標的射撃」が外される

今回の運用変更で、許可用途から「標的射撃」が外されるケースが多くなっています。
これまで標的射撃の用途は、所持許可時に自動的に付与されることが一般的でした。
しかし現在は、スポーツとして継続的に標的射撃を行っている実績がない場合、この用途が外されます。
なお、狩猟用途の許可があれば、「狩猟の練習」としてクレー射撃などを行うことは引き続き可能です。

狩猟免許が切れると「すべて失う」リスクも

この「標的射撃」が外されることによる影響は、「狩猟免許が失効・取消し」を受けた場合に起こります。
従来は狩猟免許が無くなった場合でも、銃の用途に「標的射撃」が残っていたため、銃は継続して所持できていました。
しかし現在は、狩猟用途が抜けた途端に「用途が無し」になるため、銃の許可が失効してしまいます。
もし今後、「狩猟をやめるが銃は所持し続けたい」という人は、事前に該当銃で標的射撃を行うなどして、実績を作っておきましょう。

調査先とする知人等の申告書

今回の更新で、もうひとつ大きく運用が変わったのが、調査先とする知人等の申告書です。
これは、申請者がどのような人物かを確認するための、いわゆる身辺調査のためのリストです。
従来は3〜4名程度の記載で足りることが多く、猟友会や射撃協会の関係者を記入すれば問題ないケースが一般的でした。
しかし現在は、7名の記載が求められるケースが増えており、しかも内容にも一定の条件があります。

「属性を分けて7人」がポイント

  • 別居している家族(親・兄弟など)
  • 友人
  • 職場の上司や同僚
  • 狩猟仲間
  • 近隣住民

この申告書では、単に人数を増やせばよいわけではありません。
リストアップする人物は、上リストにあるように、それぞれ属性が異なる必要があります。
これまでの感覚で準備すると、ここで手が止まる人も多いはずです。

面接対応?実際の運用は…

さらに驚くのが、このリストに挙げられた人に対して、担当官は「面接」をしなければならないという点です。
「面接」ということは、つまり担当官が対象者のもとを訪問して話を聞いたり、場合によっては出頭を求める可能性もあるということです。
‥‥もちろん実務的に考えて、担当官がリスト上すべての人と面接することはできません。
そのため電話確認で済ませるケースも多く、ある程度は柔軟に対応されることも多いようです。

親族は面接必須

一方で、注意したいのが親族の扱いです。
親族については、実際に面接を行い、自筆での署名が必須とされているようです。
もし親族が遠方に住んでいる場合は、その地域を管轄する警察署と連携して対応することになるようです。

事前の根回しが重要

この書類は、あらかじめ周囲の協力が不可欠です。
場合によっては警察から連絡が入るため、事前に事情を説明しておかないとトラブルになりかねません。
人数の確保だけでなく、誰にお願いするか、どう説明するかまで含めて、早めに準備しておきましょう。

まとめ

  1. 猟銃・空気銃の更新申請は、近年の事件を受けて全体的に厳格化している
  2. 講習修了証明書は「経験者講習」の受講を忘れないように。
  3. 技能講習修了証明書は、更新申請の2カ月以上前から受講しておくこと。
  4. 技能講習が免除される場合は、事前に役所へ「有害鳥獣捕獲に従事したことの証明書」をはっこうしてもらうこと。
  5. 使用実績報告書は厳格化され、写真や記録などのエビデンスが必要になった。
  6. 調査先の知人リストは7人に増え、属性を分けて記載する必要がある。

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