初心者でも捕獲できる『ホシハジロ』の肉は、クセが強くて料理上級者向き

ホシハジロアイキャッチ

 警戒心が低いホシハジロは、狩猟において捕獲しやすいターゲットです。しかし、その肉には独特のクセがあるため、上手く料理するためには、かなりの料理センスが求められます。

目次

ホシハジロとは?

 ホシハジロは、全長約45cmの中型カモで、日本には越冬のために飛来します。環境庁の渡り鳥飛来状況調査によると、飛来地は中部以内から九州北部が最も多く、滋賀県の琵琶湖や長崎県の諫早湾が一大越冬地になっています。

ホシハジロの特徴

 ホシハジロは「星羽白」と漢字で示す通り、白地に黒い〝星〟が散りばめられたような、ゴマ塩柄の羽が特徴です。
 また、オスのホシハジロは、真っ赤な目と、茶色の頭が特徴的で、遠目からでも比較的簡単に判別することができます。

メスの特徴

 ホシハジロのメスは、オスよりも羽色に鮮明さはありませんが、オスとほぼ同じような色合いをしています。
 クチバシの中間付近に〝灰色の横線〟が通っている点が特徴的で、他の種のカモと見分けることは、それほど難しくないと言えます。

ホシハジロはどうやって捕獲する?

 ホシハジロは10月頃から飛来し、湖や池、内湾などで見られます。河川では、比較的流れの穏やかな場所を好み、特に河口域に大きな群れを作ります。キンクロハジロやスズガモなど、他のハジロ属と混群を作ることも多いです。

飛んで逃げることが少ない

 ホシハジロは、マガモやカルガモといったマガモ属に比べて警戒心が薄いという特徴があります。そのため、狩猟者が近づいても飛び立って逃げることはほとんどなく、泳いで距離を取ろうとします。
 この特徴からホシハジロは、エアライフルによる空気銃で捕獲しやすいターゲットになります。初矢を外しても飛んで逃げないため、じっくりと照準を補正して二の矢で決めましょう。

水面を蹴って飛び立つ

 ホシハジロは飛び立つ際に、水面を〝蹴る〟ようにして加速を付けます。他のハジロ属に比べて助走を付ける距離が長いため、散弾銃で狙う際は飛び立つ前に撃ち落としましょう。

オオホシハジロに注意

 日本国内で観察されることは非常に稀ですが、ホシハジロによく似た鳥にオオホシハジロがいます。オオホシハジロはホシハジロに比べてクチバシが大きく、クチバシの上に灰色の線が無いことで見分けることができます。

ホシハジロ肉の味

 ホシハジロの肉は、マガモやカルガモとは異なる独特の〝強いクセ〟があります。また、食性によって個体差が大きく、海を餌場としているホシハジロの中には「海藻を腐らせた」ような嫌な臭いがすることもあります。

クセの強さは内臓の臭いで判断できる

「完璧な判別法」とまではいきませんが、ホシハジロ肉のクセを事前に判別する方法に『内臓の臭い』があります。腸抜きをした際に、腸から強い臭みを感じる個体は、肉にも似たような強いクセがある可能性が高いです。
 また、鳥類の胃袋にあたる〝素嚢〟を開いて臭みを感じる場合も、同様にクセがある可能性が高いです。

クセの強い野菜で合わせる

 ホシハジロ肉はクセが強いため、あっさりとした味付けは相性が良くありません。そこで、パクチーやセリなどのクセが強い野菜と併せて料理してみましょう。
 また、ホシハジロ肉は皮下脂肪がほとんど乗らないため、皮を外して調理しても構いません。肉質は脂肪が少ないため、火にかけすぎるとパサパサになってクセも増します。そこで、低温調理にすることで、程よいクセとカモ肉特有に舌触りを楽しむことができます。

まとめ

  1. ごま塩柄の羽と、赤い目、灰色の横線が付いたクチバシが特徴
  2. 警戒心が薄いため、エアライフルによる格好のターゲット
  3. 食性によって個体差が大きい。クセの強さは、強いクセのある野菜やソースで打ち消す

カモの出汁は〝血〟から出す

カモの綺麗な解体方法

  • URLをコピーしました!
目次