あなたの人生を変えるかも!?知られざる『狩猟の持つ魅力』を5つ解説します

狩猟の魅力をおしえて!

 皆さんは、どんなきっかけで「狩猟」に興味を持ちましたか?「新しい趣味を探して?」「自分で獲ったお肉を食べてみたくて?」「漫画やゲームの影響で?」きっと、人それぞれ異なるストーリーがあることでしょう。では、多くの人を惹きつける『狩猟の魅力』とは、何なのでしょうか。今回は、あくまでも主観ではありますが、狩猟が持つ魅力を〝5つ〟に分けてご紹介します。

この記事の『まとめ』を見る
  1. 【魅力1】普通のアウトドアが、狩猟(獲物を得る)を組み合わせることで、今までとはまったく異なる体験に変化する
  2. 【魅力2】自然を相手にするからこそ、狩猟は一生涯探求し続けられる、奥深い趣味になる
  3. 【魅力3】狩猟は、地域社会に貢献し、人から〝感謝される〟という、他の趣味にはない側面を持つ
  4. 【魅力4】自分の手で食肉(ジビエ)を作り出す専門的な技術が身に付く
  5. 【魅力5】ジビエは個体差が大きいため、作り出す料理に新しい出会いや発見がある。また、自分で捕獲した肉には特別な感情や記憶が残る

詳しくは、この書籍をチェック!

目次

【魅力1】狩猟はアウトドアに「目的」を与えてくれる

 狩猟が持つ多くの魅力の中でも、特に大きいのが『獲物を得る』という明確な〝目的〟が存在することです。獲物を追いかけて山中を歩き回る、その痕跡を探す、あるいは息を潜めて獲物を待つ…。これらの行為は、「獲物を得る」というゴールがあるからこそ、他では味わえない緊張感や達成感につながります。

あなたのアウトドアに「狩猟」というスパイスを

 もちろん、自然の中で目的を持たずに過ごす時間を「無意味」だと言うつもりはありません。しかし、登山やキャンプを長年楽しんでいる方の中には、「最近どうもマンネリ気味で…」あるいは「何か新しい、特別な体験をしてみたい」と感じている方も少なくないはずです。
 そんなあなたに提案したいのが、いつものアウトドアに「狩猟」というエッセンスを加えてみることです。慣れ親しんだ山は、獲物を追い求める猟場へと変わり、普段のキャンプは、戦略的なベースキャンプへとその意味合いを変えるかもしれません。

狩猟はあらゆるアウトドアと融合する

 狩猟と相性の良いアウトドアは、登山やキャンプだけではありません。例えば、何気ない自然観察も、狩猟の視点を取り入れることで「フィールドワーク」へと進化します。愛犬とのいつもの散歩も、猟銃を手にすればハンティングへと姿を変えます。ツーリングが趣味なら、エアライフルを携えてカモやキジといった鳥類を探す「流し猟」に挑戦するのも、また一興でしょう。

アウトドアの多くは「狩猟」から派生した

 狩猟が多くのアウトドアと自然に融合できるのは、決して偶然ではありません。そもそも、現代でレジャーとなっているアウトドアのほとんどは、その源流が狩猟にあると言っても過言ではありません。
 例えば、カヌーやカヤックといった水上の乗り物は、その起源を辿れば、水辺での狩猟や移動のために生み出された道具です。また、スキーなども雪山で狩猟を行うための移動手段として発展してきた歴史があります。
 このように、普段のアウトドアに狩猟を取り込むことで、今まで気づかなかった新たな魅力や、より深い楽しみを発見できる可能性があるのです。

【魅力2】狩猟は一生涯楽しめる、奥深い「ゲーム」

 私たちが普段楽しむ「ゲーム」は、開発者が用意した攻略法があり、それを見つけることでクリアとなります。しかし、狩猟の相手は予測不可能な野生動物。そのため、『絶対的な攻略法』というものは存在しません。だからこそ狩猟は、自分なりのアプローチを考え、試し、学び続けることで、一生涯楽しむことができるのです。

多様なアプローチを試行錯誤する面白さ

くくり罠にかかったシカ

 例えば、「くくり罠猟」という猟法があります。これは、獲物が通りそうな場所に「わな」を仕掛け、獲物が踏むことで捕獲する方法です。 仕掛けは非常にシンプルですが、くくり罠で獲物を捕らえるには、罠の隠し方から使用するバネの強さ、トリガーの感度、ワイヤーの種類や太さ、土質など、多くの要素を考慮して、その状況に応じた「最適解」を考える必要があります。

狩猟の「解法」は全員異なる

ベテラン猟師とイノシシ

 狩猟の世界で興味深いのは、経験豊富な猟師たちでさえ、それぞれが異なる「自分のやり方」や「解法」を持っているということです。しかし、これはどちらが正しくて、どちらが間違っているという話ではありません。狩猟は、常に変化する自然や動物を相手にするため、その土地の地形や気候、対象とする獲物の種類や習性、さらには猟師自身の個性や経験によって、有効なアプローチが〝無限に変化する〟ためなのです。

終わりなき探求が、狩猟の醍醐味

 獲物を捕獲する方法は1つではありません。同じシカを対象とする場合でも、「銃を用いて遠距離から狙撃する猟法」、「獲物に気づかれずに接近して仕留める猟法」、「猟犬と連携する猟法」など、実に多彩です。さらに細かく突き詰めると、使用する銃の種類や弾、道具の選定、天候や時間帯の読み、アプローチするルートの選択など、まさに〝無限〟とも言える広がりを持っています。
 その奥深さは、仮にどれか一つの猟法に絞って追求したとしても、一生をかけても探求し尽くせないほどです。現に、「いまだに毎回新しい発見があるんだ」と、〝猟歴60年〟を超えるベテラン猟師が語るように、狩猟の世界はそれほどまでに奥深いのです。

【魅力3】人間社会の「守り手」としての役割

 近年、ニュースなどで報じられている通り、野生鳥獣による農林業被害や人的被害が増加傾向にあります。もちろん、こうした野生鳥獣との軋轢は今に始まったことではありませんが、地方の過疎化や高齢化などの影響により、被害は年々拡大しています。

人間の生活圏を守るための選択

農作物被害にあった果物

 野生動物とは、残念ながら話し合いで問題を解決することはできません。よって、野生鳥獣による被害を軽減するためには、〝力〟を持って人間と野生動物の間に一定の距離を保つ努力が必要になります。

「猟圧」という、自然とのバランスを保つ力

 狩猟には、野生鳥獣の行動に影響を与え、人間の生活圏との境界線を意識させる力があります。銃の音や猟犬の気配、罠の存在は、野生鳥獣にとってその場所が〝危険である〟と学習させ、むやみに近づくことを抑制する効果を持ちます。このような、狩猟活動によって野生鳥獣の出没を抑える力は猟圧と呼ばれます。

感謝される喜び、そして仕事としての可能性も

 狩猟者は、趣味として狩猟を楽しみながらも、結果としてこの猟圧を生み出し、地域社会の鳥獣被害の軽減に貢献することができます。実際に、被害に悩む農家の方や地域住民の方々から「ありがとう」と感謝されることも少なくありません。このような「楽しみ」と「社会貢献」が両立する活動は、他にはなかなか見当たらないのではないでしょうか。

趣味から「プロ」への道もある

 その感謝や期待は、時には「報酬」という形で、新たな道に繋がることもあります。近年、各市町村で鳥獣被害対策のための捕獲隊が組織されたり、都道府県単位で特定の鳥獣の管理捕獲事業が行われたりするなど、「仕事としての狩猟」の機会も増えています。

【魅力4】狩猟の恵み「ジビエ」を味わう

 狩猟の魅力を語る上で、獲物である野生鳥獣の肉「ジビエ」の存在は欠かせません。食料を得るアウトドア活動には、魚釣りやキノコ狩り、山菜採りなど様々ありますが、その中でも「肉」は扱いが難しく、だからこそ手に入れた時の喜び、そして味わった時の満足感が格別です。

「命をいただく」ということ、食肉解体の奥深さ

しとめた獲物の解体

 捕獲した動物を食肉にするという作業は、想像以上に専門的な知識と技術を要します。まず、獲物を仕留めた後、速やかに血抜きなどの適切な処理を施さなければ、肉の品質は著しく低下します。また、動物の体の構造を正確に理解し、必用な道具を揃えておかなければ、効率よく衛生的に解体することはできません。

食肉解体は、狩猟とは別の「もう一つの楽しみ」

鹿肉の熟成

 動物の筋肉を、私たちが食べて「美味しい」と思える〝食肉〟に変化させるためには、熟成作業が必要になります。そしてこの熟成作業は、温度や湿度、乾燥具合、熟成期間などで食味が変化するため、狩猟と同じぐらい奥深い世界です。実際に、「狩猟よりも、食肉を作り出すことに興味がある」という人もいるほどです。
 もしあなたが「自分の手で食肉を作る技術を身につけたい」という目標を持つなら、狩猟の世界はその入口となるでしょう。

【魅力5】ジビエは一期一会の「食との出会い」

ジビエ

 スーパーなどで売られている家畜の肉と、野生鳥獣の肉(ジビエ)との大きな違いの一つは、その味わいに独特の風味(野性味)や個体差、季節差があることです。「それって本当に魅力なの?」と思われるかもしれませんが、これこそがジビエの魅力です。

ジビエと家畜肉の大きな違い

 普段私たちが購入する牛肉や豚肉、鶏肉は、品質が安定しており、いつ食べても一定の美味しさが保証されています。これは素晴らしいことですが、その味の違いに毎回感動したり、調理法を深く考えたりする機会は少ないかもしれません。
 一方、ジビエは、獲れた動物の性別、年齢、その個体が何を食べて育ったか、どのような環境で生きていたかによって、肉質や風味が大きく異なります。そのため、時には臭みが強かったり、肉質が硬かったりすることもあります。

肉に個性があるから、料理に〝新しい発見〟が生まれる

 しかし、この「違い」があるからこそ、私たちはその肉と真剣に向き合い、魅力を感じることができます。「この肉は少し硬いから、じっくり煮込み料理にしてみよう」「少しクセがあるから、香辛料を工夫して風味を活かそう」といったように、その肉に最適な調理法を「考える」楽しみが生まれます。そして、実際に調理して口にした時、「これは上手くいった!」あるいは「次はこうしてみよう…」といった、手応えのある感想や学びが得られるのです。

自分の手で得た「命の味」は、忘れられない記憶となる

ジビエ料理を作ろう

 「食の魅力」とは、単に「美味しい」ということだけではありません。ジビエとの出会い、その個性に合わせた調理法を考え、手間をかけて料理し、そして味わう。その一連の体験と、そこで生まれた感情や記憶の中にこそ、本当の魅力が宿るのではないでしょうか。
 おそらく、昨日食べた普段の食事の味を、細部まで鮮明に覚えている人は少ないかもしれません。しかし、ジビエ、特にあなたが自らの手で捕獲し、解体し、調理して食べる「命の味」は、きっと忘れられない、特別な思い出として心に刻まれるはずです。

まとめ

  1. 【魅力1】普通のアウトドアが、狩猟(獲物を得る)を組み合わせることで、今までとはまったく異なる体験に変化する
  2. 【魅力2】自然を相手にするからこそ、狩猟は一生涯探求し続けられる、奥深い趣味になる
  3. 【魅力3】狩猟は、地域社会に貢献し、人から〝感謝される〟という、他の趣味にはない側面を持つ
  4. 【魅力4】自分の手で食肉(ジビエ)を作り出す専門的な技術が身に付く
  5. 【魅力5】ジビエは個体差が大きいため、作り出す料理に新しい出会いや発見がある。また、自分で捕獲した肉には特別な感情や記憶が残る

次の記事を読む

「狩猟のはじめかた」まとめに戻る

LV1はんた装備画面
  • URLをコピーしました!
目次