「ハンターズ・ワゴン」が、無事に車検を通過しました!
これまでは特定の拠点を持たない放浪者だった我ら福岡ハンターズ・キャンプにも、ようやく一つの旗のもとに集まれる「母艦」が誕生しました。
さて、これまでハンターズ・ワゴンについてはあまり多くを語ってきませんでした。その一番の理由は、「本当にこの車が車検に通るのかどうか分からなかったから」です。
もちろんベースとなる車両は信頼できる整備工場を通していますし、荷台に載せるシェル(外殻)や内部構造も、専門家と相談しながら設計したため、寸法や重量などの基本数値に問題はありません。
しかし、最大の懸念点だったのが「転倒角度試験」。
これは車両を左右どちらかにぐぐーっと傾けていき、35度の角度に達するまでタイヤが浮き上がらなければ合格、という検査です。
ハンターズ・ワゴンは既存のトラックに、フルオーダーのシェルや各種機材を作り込んでいるため、重心位置が極めて特殊。
「転角試験だけは実際に測ってみないと分からない」というのが専門家の意見でした。
もしこの試験で落ちた場合、フレームから設計を見直す必要があります。
そうなれば、今期の猟期に間に合わないどころか、追加工賃の工面を考えなければなりません。
この試験の「不合格」が、弊社を破産させる危険性を持つ、マジでヤバい検査だったのです。
そして迎えた転角試験は、車検の最後にやってきました。
特殊な油圧台の上に乗せられ、徐々に斜めへと傾いていくハンターズ・ワゴン。
私もこの検査を目の当たりにするのは初めてだったのですが、規定の「35度」という角度は、「いや、これ絶対に横転するだろッ!」と叫びたくなるほどの急斜面です。
ジリ……ジリ……と0.1度刻みで傾斜が上げられていく台座。
車体の下から舐め回すようにチェックする検査官の視線。
「タイヤが浮いたら終わるッ!」
時間にしてわずか10分程度の検査ですが、まるで何時間にも感じられるひとときでした。
そして試験官の口から出た「OKです」の一言。
その瞬間、ドッと全身の疲れが吹き出しました。
さて、これで晴れて公道を走れるようになったハンターズ・ワゴンですが、これはあくまで第一関門突破に過ぎません。
本当の難関はここから。
この移動式拠点で「販売可能なジビエ」を生産するためには、保健所の営業許可を取得する必要があります。
そのためには、衛生管理基準を満たすための専門的な作り込みと、シミュレーションに過ぎなかった各工程を統合させる「総合動作試験」が必要になります。
……やれやれ。
本格始動はまだですが、まずはプロジェクトにおける一つの山場を越えたことを、今は素直に喜ぶとしましょう。




