「音」よりも重視されることはありませんが、「臭い」も狩猟において重要な要素です。
特に重要となるのが「猟犬を使役する場合」。
猟犬には、空中に漂う浮遊臭を嗅ぎ取る「高鼻」と、地面に残された足跡などの残留臭を嗅ぐ「地鼻」の2種類があり、犬種や個性によって得意不得意が分かれます。
猟犬を使役するハンター(ハンドラー)は、相棒の特性に合わせて山への入り方を計算します。
相棒が「高鼻使い」であれば、風に乗って流れてくる臭いをキャッチしやすいように、風下から山に入ります。
対して「地鼻使い」であれば、谷底は臭いがこもって判別しづらいため、風通しの良い尾根筋からスタートさせるという具合です。
では、人間自身の鼻はどうなのか?
私自身は万年鼻炎持ちのため、嗅覚について偉そうに語る術を持ちません。
しかし、ハンターの中には「嗅覚」を頼りに狩猟をする人が存在します。
知り合いの女性狩猟者と山に入っていた時のこと。
シカを探して歩いていると、彼女がふいに
「‥‥シカの臭いがする」と言って足を止めました。
半信半疑でしたが、彼女が示した方向に慎重に進んでいくと、なんとそこには立派なオスジカが鎮座していたのです。
あくまで私の肌感覚ですが、こうした「嗅覚」に敏感さを持つ狩猟者は、男性よりも女性の方が多いように感じます。




