ジビエはなぜ「薬食」だったのか?実際に効果があったジビエの効能

私がまだ駆け出しのライターだった30歳の頃。
狩猟の修行も兼ねて、高知県に移住していた時期があります。
その高知で知ったのが「タヌキの油」なるものの存在。
飲めば胃腸に良し、傷口に塗ればたちまち癒え、肌に塗れば若返る。
高知では今なお一部で親しまれている「万能薬」です。

野生動物の肉や脂が「病気に効く」という話は、古くから日本各地に存在します。
肉食が建前上タブーとされていた時代においても、野生動物の肉は「百獣(ももんじ)」と呼ばれており、「病気を治すための薬だから」という「薬食い」の名目で、食べられていた記録が広く残っています。

「ジビエには魔法のような薬用効果があるのか」
現代の感覚だと少し疑問に思えますが、結論から言うと、これは当時の「食習慣」が大きく関係しています。
江戸時代、人々の主食が玄米から白米へと変わったことで、ビタミン類や脂質、タンパク質が欠乏していました。
ビタミン不足による「脚気(かっけ)」や「鳥目(夜盲症)」、脂質・タンパク質不足による「あかぎれ」や脱毛症。
そんな慢性的な栄養不足でボロボロになった身体に、「肉と脂」をガツンと入れたらどうなるか?
栄養状態が一気に改善し、途端に劇的な体調の回復を見せます。

昔の人が「タヌキの油は奇跡の薬!」「ももんじを食べたら病気が治った!」と感動し、万能薬として信じたロジックはここにあったわけですね。

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