これからの狩猟は「分業」の時代。各自スキルを持ち寄ってパーティを組もう

先日お越しいただいたお客様は、作業療法士と理学療法士という、まさに「身体のプロフェッショナル」なお二人でした。


そのお二人に、事前に熟成させておいたイノシシの足一本の解体に挑戦していただいたのですが、そこから聞こえてくる会話が非常に面白い。
「ここの筋肉は○○筋かな?」
「リハビリの動作で重要になるのは、この骨に付着している××筋だよね」
まるで解剖学の実習室のような「専門的な筋骨話」が飛び交っていきます。
そして作業の終盤。
ふと漏らされた一言が非常に印象的でした。

「狩猟そのものよりも、解体の方が楽しいかも」

一般的に、狩猟といえば銃や罠を使って獲物を「捕獲する」瞬間ばかりがフォーカスされがちです。
しかし実際には、自然観察能力やアウトドアスキル、そして獲物を食材に変えるための解体技術や衛生管理、熟成技術など、多岐にわたる総合的な能力が求められる世界です。

正直な話、私は「狩猟免許を取得すること」だけが狩猟への入り口ではないと思っています。
たとえ自分で罠をかけたり鉄砲を撃ったりしなくても、他のハンターが捕獲した獲物を解体し、美しく精肉できるスキルがあれば、それは立派な狩猟活動の一部であり、非常に役に立つ能力です。

今回のお客様のように、最初は「自分で獲らなきゃ」と思って参加された方が、体験を通じて「自分は獲るよりも、解体する方が性に合っている」と気付けるのは素晴らしい発見だと思います。
実際、現役のハンターの中にも「獲るプロセスは大好きだが、その後の解体作業は面倒」という人は少なくありません。

獲ることを専門に行う「ハンター」と、解体や精肉が好きな人「シェフ」。
それだけでなく、
鳥獣の観察が好きで猟場の開拓を担当する「スカウト」、
骨や羽などの加工や細工を担当する「クラフター」
悪路や狭い山道での運転技術に優れ、安全に人員や物資の輸送を行う「ドライバー」。
ロープワークを駆使して山から獲物を運び出す「シェルパ」。
まるでRPGのパーティ編成のように、それぞれが得意なスキルを持ち寄り、チームとして機能させること。
そして、こういった人たちを上手くマッチングして適材適所で役割分担をしていくことこそが、持続可能な狩猟業界を築き上げることにつながるのではないか?
お二人の楽しそうな会話を聞きながら、狩猟の新しい未来の形を強く感じました。

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