実力勝負!狩猟免許『鳥獣判別試験』は、狩猟鳥獣の特徴を絞って正確に回答できるようになろう!

鳥獣判別アイキャッチ

 模擬銃やわな・網を使った実技試験は、予備講習でしっかり練習すればクリアするのは難しくありません。しかし、狩猟鳥獣とそうでない鳥獣を見分ける鳥獣判別試験は、正確な知識と瞬時の判断力が問われるため、付け焼き刃の知識では太刀打ちできません。この記事では、鳥獣判別試験の対策について、詳しく解説をします。

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  • 鳥獣判別試験は、写真やイラストを見て約5秒以内に「狩猟鳥獣か否か」を判定する
  • 狩猟鳥獣の場合は「狩猟鳥獣の名前」、非狩猟鳥獣の場合は「狩猟鳥獣ではない」と回答する
  • 1問間違える、または回答できなかった場合、2点減点される
  • 狩猟鳥獣の特徴をよく覚えておき、見覚えのない鳥獣は「狩猟鳥獣ではない」と回答する
  • 回答に迷ったときは「狩猟鳥獣ではない」と回答する
  • 〝試験対策〟と割り切って、判別しやすい鳥獣に的を絞って勉強する

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目次

実施方法

狩猟免許試験の鳥獣判別の回答のしかた

 鳥獣判別試験(猟友会基準)では、試験官が鳥獣の絵や写真を一枚ずつ提示します。受験者はそれを見て、狩猟鳥獣であればその名前を、狩猟鳥獣でなければ「非狩猟鳥獣です」と答えます。 1問あたりの5秒程度と非常に短く、全16問がテンポよく出題されるため、集中力と即応性が求められます。

免許区分試験の項目
第一種銃猟鳥獣判別16問(鳥類・獣類)  
第二種銃猟鳥獣判別16問(鳥類)  
わな猟鳥獣判別16問(獣類)  
網猟免許鳥獣判別16問(鳥類)

減点事項

事項減点数
判別ができなかった2(毎)
狩猟鳥獣の名前を正しく答えられなかった2(毎)
回答に時間がかかり、制限時間を超えてしまった2(毎)

 上表の場合、1問につき2点が減点されてしまいます。持ち点は、猟具を使った実技試験と通算されるため、事前の試験を無失点で終えていれば15問(-30点)まで失点が許容できる計算です。

「狩猟読本」のイラストで出題される可能性が〝高い〟

 試験で提示される動物は、狩猟免許試験のテキストとして使用される『狩猟読本』の裏表紙に乗っているイラストであることがほとんどです。
 ただし、都道府県によっては、先述のイラストに加えて実際の写真を混ぜて使うところもあったり、まったく使用されていない所もあるようです。
 そのため、試験対策としては、まず予備講習などで、「狩猟読本」に掲載されているイラストが使用されているかを確認しましょう。狩猟読本のイラストのみで構成される場合は、図柄を丸暗記してしまうのが試験対策としては一番の近道です。
 もし、他のイラストや写真が混じっている場合は、狩猟鳥獣の特徴をしっかりと覚えておきましょう。

わからないときは「非狩猟鳥獣」と答える

 判別に迷う鳥獣が出題された場合、最終手段として「非狩猟鳥獣です」と答えてしまいましょう。焦って名前を間違えたり、頭が真っ白になって制限時間を超えたりすれば、確実に減点されます。そのため「非狩猟鳥獣」と答えた方が、失点を防ぐ可能性が高くなります。実質的には問題がありますが、ここでは〝試験対策〟と割り切って回答しましょう。

狩猟鳥獣一覧

 令和5年度時点での狩猟鳥獣一覧は以下表の通りです。本ページでは、表の上から順番に、狩猟鳥獣の判別をするうえでの特徴について解説をします。なお、判別の特徴はあくまでも試験対策であり、実際に猟場で判別する際はより細かな点を見て判別する必要がある点だけ覚えておいてください。

狩猟鳥獣一覧(令和5年度時点)
分類鳥獣名摘要・主な法規制等
獣類大型ヒグマ北海道にのみ生息
ツキノワグマ多くの地域で捕獲禁止規制あり
ニホンジカ一部の地域・猟法で捕獲禁止規制
イノシシブタとの混血種イノブタを含む
中型キツネ一部の地域・期間で捕獲禁止規制あり
タヌキ
アライグマ特定外来生物
ハクビシン
アナグマ一部地域・期間で捕獲禁止規制あり
ヌートリア特定外来生物
ノイヌ山野で自活するイヌ
ノネコ山野で自活するネコ
小型ノウサギ
ユキウサギ北海道にのみ生息
テン対馬に生息する亜種ツシマテンを除く
ミンク特定外来生物
イタチメスを除く
シベリアイタチ旧名:チョウセンイタチ
令和4年度からメスが狩猟鳥獣に追加
長崎対馬市では捕獲禁止
タイワンリス特定外来生物
シマリス北海道に生息する亜種エゾシマリスを除く
鳥類水鳥マガモ一日の捕獲上限カモ類の合計5羽まで
カルガモ一日の捕獲上限カモ類の合計5羽まで
コガモ一日の捕獲上限カモ類の合計5羽まで
ヨシガモ一日の捕獲上限カモ類の合計5羽まで
ヒドリガモ一日の捕獲上限カモ類の合計5羽まで
オナガガモ一日の捕獲上限カモ類の合計5羽まで
ハシビロガモ一日の捕獲上限カモ類の合計5羽まで
ホシハジロ一日の捕獲上限カモ類の合計5羽まで
キンクロハジロ一日の捕獲上限カモ類の合計5羽まで
スズガモ
一日の捕獲上限カモ類の合計5羽まで
クロガモ一日の捕獲上限カモ類の合計5羽まで
カワウ
大型ヤマドリ
放鳥獣猟区以外ではメスを除く
一部の地域で捕獲禁止期間あり
一日の捕獲上限キジとの合計2羽まで
キジ放鳥獣猟区以外ではメスを除く
一部の地域で捕獲禁止期間あり
一日の捕獲上限ヤマドリと合計2羽まで
中型ハシブトガラス
ハシボソガラス
ミヤマガラス
エゾライチョウ一日の捕獲上限2羽まで
北海道にのみ生息
コジュケイ一日の捕獲上限5羽まで
小型ヤマシギ一日の捕獲上限タシギとの合計5羽まで,
奄美地域で捕獲禁止規制
タシギ一日の捕獲上限ヤマシギとの合計5羽まで
キジバト一日の捕獲上限10羽まで
ヒヨドリ一部の地域で捕獲禁止規制あり
ムクドリ
スズメ
ニュウナイスズメ

獣類(大型)

 大型獣に分類される狩猟鳥獣は、ヒグマ、ツキノワグマ、ニホンジカ、イノシシの4種類です。誤判別しやすい大型獣は日本国内にはカモシカぐらいしかいないため、確実に回答できるようにしておきましょう。

ヒグマ

 日本最大の陸上哺乳類であるヒグマ(エゾヒグマ)は、北海道に生息しているクマです。毛色は個体差が大きいですが、試験のイラストや写真では、上図のような褐色で描かれます。全体的にがっしりとした体格が特徴です。

ツキノワグマ

 ツキノワグマの最大の特徴は、胸にある白いV字型(三日月型)の模様です。日本国内に生息するクマはツキノワグマとヒグマの2種類のみなので、V字型の模様があれば「ツキノワグマ」、なければ「ヒグマ」と判断しましょう。

詳細な生態について

ニホンジカ

 ニホンジカは、オスの成獣が持つ枝分かれした角(枝角)が大きな特徴です。メスや若いオスには大きな角はありませんが、あえてそういった個体が出題される可能性は低いと言えるでしょう。日本各地に多くの亜種(エゾシカ、ホンシュウジカなど)が生息しますが、回答(種名)はすべて「ニホンジカ」です。

誤認しやすい非狩猟獣

 ニホンジカと誤認しやすい非狩猟獣にカモシカがいます。カモシカはニホンジカのような枝角ではなく、鋭い1対の短い角(洞角)を持ちます
 また、キョンもニホンジカと誤認しやすい非狩猟獣です。キョンはニホンジカよりずっと小型で、オスの角も非常に短いです。近年、千葉県や東京都(伊豆大島)で特定外来生物として定着しており、これらの地域で出題される可能性があります。

詳細な生態について

イノシシ

 イノシシは日本に1種のみ生息しているため、他に誤認しやすい鳥獣はいません。イノシシの幼獣は「ウリボウ」と呼ばれ、体に縞模様があり成獣とは見た目が大きく異なります。このウリボウが出題される可能性もあるので、特徴をおさえておきましょう。

詳細な生態について

獣類(中型)

 中型の獣類に非狩猟鳥獣は少ないですが、姿が似ている狩猟鳥獣が複数存在します。特に、タヌキ・アライグマ・アナグマ・ハクビシンは、顔の黒い模様がどのように付いているか、特徴を捉えて判別ができるようにしましょう。

キツネ

 キツネは、毛色が黄褐色をしており、ふさふさとした長い尾が特徴です。尾の先端は白いことが多く、三角形の耳の裏側が黒っぽく描かれます。キツネには、北海道のキタキツネと本州などにホンドキツネの2亜種がいますが、キタキツネは足に黒い模様があるぐらいで、その他の見た目はほとんど変わりません。

詳細な生態について

タヌキ

 タヌキを見分けるには、まず、前足から肩に伸びる黒い模様に注目しましょう。尾は太く短めで、先端が黒くなっている点が特徴です。顔の特徴として、目の周りは黒いですが鼻筋は黒くありません。耳は丸みを帯びており、比較的小さめです。

詳細な生態について

アライグマ

 アライグマの特徴は、尾にある5~7本程度の黒い輪っか模様です。タヌキの尾には縞模様はありません。顔つきはタヌキに似て目の周りが黒いですが、眉間に黒い筋が通ります。また、耳の縁も白っぽく見えるのが特徴です。

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ハクビシン

 ハクビシンは漢字で「白鼻芯」と書く通り、額から鼻にかけて通る一本の白い線が最大の特徴です。また、鼻先がピンク色であり、細長くしなやかな尾を持っています。

アナグマ

 アナグマはタヌキと見分けるのが難しい獣ですが、目の周りの黒い線が頭部にかけて伸びる点が異なります。また、タヌキに比べて四肢が短く、丸っこいシルエットをしています。さらに、穴を掘るための長い爪が飛び出している点が特徴です。

詳細な生態について

ヌートリア

 ヌートリアは、オレンジ色から赤みを帯びた大きな門歯(前歯)が特徴です。ただし、イラストや写真ではオレンジ色の歯が描かれることは少ないため、ネズミに似た長い尾と、後足にある水かきで見分けましょう。

詳細な生態について

ノイヌ・ノネコ

 自然界で繁殖しているイエイヌ・イエネコであるノイヌノネコは狩猟鳥獣です。しかし、ノイヌ・ノネコは見た目ではノライヌやノラネコと見分けが付きません。そのため、判別で出題されることはまずないと思われます。

ニホンザル(非狩猟獣)

 ニホンザルは、日本に広く分布する中型獣ですが、狩猟鳥獣ではありません。また、外来種のサル(アカゲザルやタイワンザル)も狩猟鳥獣ではないため、「サルっぽい動物」を見たら「非狩猟鳥獣」と回答しましょう。

獣類(小型)

 小型の獣類には狩猟対象ではないものが多く含まれており、一瞬で判別するのは非常に難易度が高くなります。特に、イタチ科の獣は外見が酷似しているため、判別は〝見切ってしまう〟というのも一つの試験対策です。

ノウサギ・ユキウサギ

 ウサギは日本国内に、北海道のユキウサギ(エゾユキウサギ)と本州以南にノウサギ(ニホンノウサギ)の2種類が生息しています。見た目はそっくりですが、ユキウサギは冬になると全身が真っ白な冬毛に変わり、後ろ足は「かんじき」のような平たい形をしています
 判別はかなり難しいですが、狩猟読本のイラストではノウサギとユキウサギが一緒に描かれており、試験的には区別する必要は無いのかもしれません。出題された場合は、北海道で受験する人は「ユキウサギ」、それ以外は「ノウサギ」と答えるようにしましょう

テン

 テンの冬毛は、顔が白っぽく、体全体が鮮やかな黄色になります。しかしテンの毛色は季節差や地域差が大きく、降雪量が少ない地域では毛に黒褐色味が残ることもあります。ひとまず試験対策としては、「顔が白っぽく体が黄色いイタチみたいな獣」が出題されたら「テン」と覚えておきましょう。

ミンク

 ミンクは、体つきはイタチに似ており、光沢のある黒褐色から濃褐色の毛色が特徴です。ただし、ミンクは毛皮用に品種改良されていた個体が逃げ出して野生化した経緯があり、地域によって見られる毛の色が異なります。ひとまず試験対策としては、「全体的に黒いイタチっぽい獣」が出題されたら「ミンク」と答えましょう。

イタチ・チョウセンイタチ

 ニホンイタチシベリアイタチは、どちらも黄褐色の毛色をしており、目の周りに黒い模様が特徴です。重要な点として、オスは狩猟鳥獣ですが、メスは狩猟鳥獣ではありません。 一方、チョウセンイタチはオス・メスともに狩猟鳥獣です。

イタチの♀、チョウセンイタチとの見分け方

 イタチ類を見分けるのは非常に難しく、イラストや写真では〝尾の長さ〟から判別する他ありません。一般的に、ニホンイタチの尾は体長の半分以下で比較的短く、チョウセンイタチの尾は体長の半分以上あり比較的長いのが特徴です。また、それぞれのメスはオスに比べて尾が短いという特徴を持っています。
 試験対策としては、「イタチか、シベリアイタチか」の判別は切り捨てて、「イタチのオスか、メスか」に的を絞って判別しましょう。尾が体長の半分以上の長さで出題された場合は「イタチのオス」、尾が体長の半分以下の場合は「非狩猟鳥獣」と答えてください。

その他イタチ科の非狩猟獣

 イタチと誤認しやすい非狩猟獣として、オコジョイイズナがいます。オコジョやイイズナは、夏毛はイタチと同様に茶色ですが、冬毛は真っ白になるといった特徴があります。試験で「白いイタチ」が出題されたら「非狩猟鳥獣」と回答しましょう。

タイワンリス・シマリス

 タイワンリスは、褐色から灰褐色をした毛が特徴です、耳は丸く。尾は体長と同じぐらいの長さをしており、ふさふさしています。 シマリスは、その名の通り背中に5本の黒い縞模様があるのが特徴です。

ニホンリスとの違いに注意

 タイワンリスとシマリスは、非狩猟獣のニホンリスやムササビ、モモンガと区別をしておきましょう。ニホンリスは、耳の先に長い房毛が生えて三角形をしており、腹面が白いのが特徴です。
 ムササビモモンガは、前足と後ろ足の間に飛膜があり、これを使って滑空します。そのため、試験のイラストや写真では、この飛膜を広げて「飛んでいる姿」で描かれることが多いです。

鳥類(水鳥)

 水鳥(主にカモ)の判別は、雌雄で羽の色が大きく異なり、またメス同士で似た羽色をした種が多いため、実際のフィールドで判別するのは非常に難しいです。しかし、判別試験では雌雄一緒に出題されるため、オスの特徴のみ覚えておけば、それほど難しくはありません。
 また、試験対策として「以下の条件に当てはまる水鳥に狩猟鳥獣はいないこと」を知っておくと、より判別がつきやすくなります。

  • 全身が真っ白い水鳥(ツル類、コウノトリ、サギ類の一部など)
  • カワウを除く、極端に首が長く伸びる水鳥(サギ類やハクチョウ類など)
  • クチバシ全体が鮮やかな赤色やピンク色をした水鳥(ツクシガモやバンなど)
  • 冠羽が長く伸びて頭がボサボサに見える水鳥(アイサ類やカンムリカイツブリなど)

マガモ

 マガモのオスは、光沢のある緑色の頭部、黄色いクチバシ、そして首にある白い輪が非常に目立つため、判別は比較的容易です。メスは全体的に褐色で地味な色合いをしていますが、試験でメスが単独で出題されることは稀と考えられます。

詳細な生態について

カルガモ

 カルガモは、黒っぽい色のクチバシで先端部分だけが黄色いこと、そして目の周りを貫くように見える黒い線(過眼線)がはっきりしているのが特徴です。オスとメスがほぼ同じ色(雌雄同色)なので、他のカモ類はつがいで出題されることが多いのに対し、カルガモは1羽だけで出題されることもあります。

詳細な生態について

コガモ

 コガモのオスは、目の周囲から首の後ろにかけて濃い緑色の帯状の模様があります。注意が必要なのは、オス・メスともに、非狩猟鳥であるトモエガモと似ているため、トモエガモのオスの模様も同時にしっかりと覚えておきましょう。

詳細な生態について

ヨシガモ

 ヨシガモのオスは、頭部が光沢のある緑色と茶色が混じり合った複雑な色合いをしており、後頭部の羽毛が長く伸びて盛り上がっている姿が特徴です。
 非狩猟鳥に「オカヨシガモ」という名前の似た鳥がいますが、オスの姿はヨシガモのオスとは大きく異なるため、見間違えることは無いはずです。名前だけ間違えないように注意しましょう。

オナガガモ

 オナガガモは、その名の通りオス・メスともに尾羽が長いのが最大の特徴です。また、オスの成鳥は、頭部が濃い茶色で、首から胸にかけて白い線が明瞭に入っているのも特徴です。

詳細な生態について

ヒドリガモ

 ヒドリガモのオスは、茶褐色の頭部にクリーム色の頭頂が〝モヒカン〟のように見えることが特徴です。また、オス・メス共にクチバシが灰色をしており、先端だけ黒いのも特徴です。

ハシビロガモ

 ハシビロガモは、オス・メスともに非常に大きくて幅広く、シャベルのような形をしたクチバシを持っているのが最大の特徴です。オスは、頭部が光沢のある緑色で胸が白く、色合い自体はマガモに似ています。しかし、シルエットが潰れたように見えるため、容易に区別できます。

詳細な生態について

ホシハジロ

 ホシハジロのオスは、頭部が赤茶色で丸みを帯びた形をしており、目が赤いのが特徴です。また、胸にゴマ塩のような細かい模様が見えます。クチバシは黒く、先端付近に明るい灰色の帯があります。

詳細な生態について

スズガモ・キンクロハジロ

左:スズガモ 右:キンクロハジロ

 スズガモキンクロハジロのオスは、どちらも頭部から胸にかけて光沢のある黒緑色をしており、腹は白い羽色をしています。見分ける最大のポイントは、キンクロハジロには後頭部に垂れ下がった冠羽があるのに対して、スズガモには冠羽がありません。また、スズガモの背中はキンクロハジロよりも白っぽいという特徴があります。

詳細な生態について

クロガモ

 クロガモのオスは、その名の通り全身がほぼ真っ黒ですが、クチバシの付け根のあたりが黄色やオレンジ色に盛り上がっているのが非常に目立つ特徴です。
 全身が黒っぽいカモには、非狩猟鳥であるビロードキンクロなどもいるため、クチバシの特徴で正確に見分けましょう。

カワウ

 カワウは、全身がほぼ黒色で、長く伸びる首が特徴です。クチバシはカモに比べて長く、眼にかけて黄色くなっているのが特徴です。
 カワウは非狩猟鳥であるウミウとよく似ていますが、ウミウのクチバシは根本が丸みを帯びている点で見分けられます。ただし、試験で見分けるのは非常に困難なので、「カワウ」に絞って回答したほうが良いでしょう。

詳細な生態について

バン・オオバン(非狩猟鳥)

 バンは、令和4年まで狩猟鳥獣でしたが、以降は狩猟鳥獣からはずされています。また、オオバンは元から狩猟鳥獣ではありません。
  バンは体が黒っぽく、額からクチバシにかけて赤色で、脇に白い線があるのが特徴です。オオバンは、全体的に黒い体に、額からクチバシにかけてが白いのが特徴です。

サギ類(非狩猟鳥)

 アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、ゴイサギなど、サギの仲間はすべて狩猟鳥獣ではありません。これらは首や脚がカモよりも長いのが特徴です。ゴイサギはかつては狩猟鳥獣でしたが、現在ではバンと同時に除外されました。

鳥類(大型)

 陸に生息する狩猟鳥獣の中で最大の大きさを誇るのが、キジとヤマドリです。どちらも羽色が特徴的なので、試験では確実に回答できるように特徴を掴んでおきましょう。

キジ

 キジのオスは、全体的に光沢のある緑色を帯びた羽色が特徴で、長い尾羽を持ち、顔には赤い肉垂があります。亜種のコウライキジは、首に白い輪状の模様があるのが大きな特徴です。
 キジのメスは、一般的には〝捕獲禁止〟とされていますが、これは環境大臣が定める捕獲規制(鳥獣法施行規則第十条)であり、メスも狩猟鳥獣に含まれます。そのため、イタチのようにオス・メスで分けて出題される可能性は低いと考えられます。

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ヤマドリ

 ヤマドリのオスは、長い尾羽と、顔の周りにある鮮やかな赤い肉垂が特徴です。見た目はキジに似ていますが、色合いが銅褐色をしている点で見分けられます。

亜種:コシジロヤマドリは非狩猟鳥獣

 注意点として、ヤマドリの亜種であるコシジロヤマドリは狩猟鳥獣から外されています。そのため、コシジロヤマドリが生息する九州南部(宮崎、鹿児島)では出題される可能性があるので、判別ができるようにしておいてください。なお、ヤマドリのメスはキジと同様に狩猟鳥獣ではありますが、全国的に捕獲が規制されています。

詳細な生態について

鳥類(中型)

 体長が中型の狩猟鳥は、カラス類とキジ科の仲間であるエゾライチョウ・コジュケイが該当します。カラス類は知名度はありますが、種類が多いので判別に十分注意しましょう。

ハシブトガラス・ハシボソガラス

 日常的によく見かけるカラスには、ハシブトガラスハシボソガラスがおり、どちらも狩猟鳥獣に指定されています。
 ハシブトガラスとハシボソガラスの判別は、その名の通り「クチバシの太さ」で判別します。しかし、判別試験では比較することができないため、「頭頂が盛り上がったカラス」は「ハシブトガラス」「頭がツルっとしたカラス」は「ハシボソガラス」と判別しましょう。

ミヤマガラス

 狩猟鳥獣に指定されているミヤマガラスは、クチバシの根元部分の羽毛がなく、皮膚が露出して白っぽく見えるのが大きな特徴です。試験対策でも、クチバシの根本が白っぽい場合は「ミヤマガラス」と答えましょう。

コクマルガラス・カササギ(非狩猟鳥)

 カラスの仲間には、狩猟対象ではない種も多いので注意が必要です。中でも、コクマルガラスカササギは姿がカラスによく似ています。両者はそれぞれ、体の一部に白い羽が生えているので見分けることができます。

詳細な生態について

エゾライチョウ

 エゾライチョウはキジ科の仲間で、目の上に赤色の肉冠があり、のどのあたりに黒い羽が生えています。非狩猟鳥であるライチョウも目の上に赤い肉冠があるので、ライチョウが生息する中部地方で試験を受ける人は判別に注意してください。

コジュケイ

 コジュケイはキジ科の鳥ですが、キジやヤマドリのような顔の赤い肉垂はなく、雌雄同色です。頭部と胸元が青灰色をしている点で見分けるようにしましょう。。

鳥類(小型)

 手のひらサイズの鳥には非常に多くの種類が存在し、その多くは狩猟対象ではありません。そのため、判別試験では、狩猟鳥獣の特徴を正確に覚え、非狩猟鳥獣と見間違えないようにしましょう。

ヤマシギ

 ヤマシギの羽色は、茶褐色を基調とした複雑な模様で、非常に長いクチバシを持っています。全体的に三角形のようなシルエットをしており、頭頂が大きく突き出ているように見えるのが特徴です。

ウズラ(非狩猟鳥)

 ヤマシギの羽色によく似た鳥にウズラがいます。ウズラはキジ科の鳥なので、シルエットで見分けるようにしましょう。

タシギ

 タシギも、ヤマシギと同じく長いクチバシを持つシギの仲間です。背中に数本の明るい黄白色の縦線が見えることが特徴で、ヤマシギに比べてスリムな体形をしています。

他のシギ科は出ないと〝山を張る〟

 タシギとヤマシギ以外のシギ科の鳥には、イソシギやハマシギ、アオアシシギやキアシシギ、ダイシャクシギやチュウシャクシギなど非常に多くの種類がおり、専門家でも混乱するほど見た目もよく似ています。そのため、試験対策としては、これらのシギ科の鳥は「出題されない」と割り切り、他の鳥獣の識別に注力した方が良いでしょう。

キジバト

 キジバトは、全体的にぶどう色を帯びた灰褐色で、翼の羽には赤褐色の縁取りがあり、これが鱗状の模様に見えます。識別の最大のポイントは、首の側面に見られる横縞模様です。
 ハト科の鳥には、アオバトやカワラバト(ドバト)、シラコバトなど複数種類が生息していますが、それぞれ色合いが異なります。ひとまず、ハトの首に横縞模様があれば「キジバト」と回答しましょう。

詳細な生態について

ヒヨドリ

 ヒヨドリは、全体的には灰色っぽい見た目をしており、頬の部分が赤茶色になっているのが特徴です。木に留まると、尾羽が長く垂れ下がるといった特徴もありますが、同じような姿の鳥にオナガなどがいるため、尾の長さだけで判別する際には注意が必要です。

詳細な生態について

ムクドリ

 ムクドリは、全体的に灰黒色から黒褐色で、顔には白いまだら模様があり、クチバシと足が鮮やかなオレンジ色をしているのが大きな特徴です。似たような色合いをした鳥にハクセキレイがいたり、ツグミやカケス、カシラダカといった鳥と大きさがよく似ているので注意が必要です。

スズメ・ニュウナイスズメ

 スズメは非常に身近な鳥ですが、狩猟鳥獣には「スズメ」と「ニュウナイスズメ」という2つの異なる種がいるので判別に注意が必要です。
 スズメは、頭が茶色で、背中は茶褐色に黒い縦斑があります。最も分かりやすい特徴は、頬に明瞭な黒い斑点があることです。また、喉も黒いのが特徴です。
  ニュウナイスズメのオスは、スズメと異なり頬に黒い斑点がなく、頭頂部が鮮やかな赤茶色をしています。喉の黒い部分もスズメより小さいか、ない場合もあります。

スズメと体形が似ている非狩猟鳥

 スズメ・ニュウナイスズメと大きさや体型が似ている鳥は、ホオジロオオジュリン、カワラヒワ、カシラダカなど非常に多くの種類がいます。スズメ・ニュウナイスズメとは、頬の黒い模様や頭頂の色などの違いがあるので、よく確認して「非狩猟鳥獣」と回答しましょう。

まとめ

  • 鳥獣判別試験は、写真やイラストを見て約5秒以内に「狩猟鳥獣か否か」を判定する
  • 狩猟鳥獣の場合は「狩猟鳥獣の名前」、非狩猟鳥獣の場合は「狩猟鳥獣ではない」と回答する
  • 1問間違える、または回答できなかった場合、2点減点される
  • 狩猟鳥獣の特徴をよく覚えておき、見覚えのない鳥獣は「狩猟鳥獣ではない」と回答する
  • 回答に迷ったときは「狩猟鳥獣ではない」と回答する
  • 〝試験対策〟と割り切って、判別しやすい鳥獣に的を絞って勉強する

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