箱罠に設置していた発信機から通知があったので、現場へ見に行きました。
結論から言うと、落ちてきた木の枝が発信機のワイヤーに引っかかって外れた誤作動でした。
しかし、ターゲットのイノシシは確実に近くまで来ているようです。
先週まで九州北部では、約2ヶ月間にも及ぶ災害級の猛暑と渇水でカラッカラに乾ききっていました。
こうなるとイノシシやシカは涼を求めて沢沿いや奥山へ引っ込んでしまうため、人里近くで見ることは少なくなります。
しかし、ここ数日の雨と曇天続きによって状況は一変。
獲物たちは確実に、人里近くへと移動を開始しています。
今回箱罠を設置している畑にも、大小さまざまなイノシシの足跡と、地面を豪快に掘り返した跡が残されています。
時は来たれり!!
これまで様子見で控えめにしていた撒き餌の量を、ここぞとばかりにボリュームを増やします。
さらに、通常の米ぬかに加えて「古米」を混ぜ込んでおきます。
米ぬかは強烈な匂いで遠くから獲物を引きつける誘引力がありますが、痛みが早く、獲物側もすぐに「飽き」が来やすいというデメリットがあります(餌の選定は地域性や個体群によっても変わりますが)。
そこで獲物が近くまで寄っていると分かった段階で、長期間腐らず誘引力が持続する米をブレンドし、罠の周囲に引き留める工夫を施します。
また、それまで設置していたトレイルカメラはここで一旦撤去します。
トレイルカメラはあくまで猟場の初期状況を把握するためのものであり、獲物がかかる瞬間を動画に収めるためのものではありません(もちろん、そうした映像撮影自体が目的のときは設置し続けますが)。
カメラは撮影開始の瞬間に微弱な赤外線を照射するため、警戒心の強いイノシシやシカがそれを察知して警戒してしまうからです。
獲物が確実にいると分かったら、あとはじっくりとした心理戦・駆け引きの始まりです。
餌の減り具合や周囲に残された足跡の角度から獲物の心理をプロファイリングし、あの手この手で箱罠の最深部へと誘い込んでいく。
生来、悪辣外道な性格の私にとって、この「詐欺師」のような時間が最も楽しいフェーズなのです。



