福岡県は、昨年の猛暑と深刻な渇水の影響により、今季は多くの野池がその底を露呈させています。農業用水への影響も心配される非常に厳しい現状ではありますが、私たちハンターズ・キャンプにとっては、この干上がった池の底はまたとない「宝の山」!最高品質の薪を大量に回収する絶好のチャンスが、干上がった池には転がっているのです。
薪はなぜ高い?

キャンプに欠かせない薪ですが、実はその価格の大部分は「乾燥のための時間と場所」のコストです。
山から切り出したばかりの生木には水分や樹液がたっぷりと含まれており、そのまま燃やそうとしても煙が出るばかりで火力が上がりません。
ホームセンターの薪は「乾燥費用」がかかっている
ホームセンターなどで薪を購入すると、一束で千円近くします。
それなりの価格で取引されているのは、薪は最低でも2年近い歳月をかけてじっくりと乾燥させているからです。
特定の施設を持たず、数年分の薪を積み上げておく広大なスペースを確保できない私たちにとって、都度薪を買い足すコストは運営における大きな負担となります。
池の底に沈んでいた木をタダで手に入れる
そこで私たちが目をつけたのが、池の底に沈んでいた流木です。
普通に考えれば、長期間水に浸かっていた木は「びしょ濡れで最も燃えない素材」に思えるかもしれません。
しかし、ここには「水中乾燥」という驚くべきメカニズムが隠されています。
水中乾燥で薪は速く乾く

木材は長期間水に漬けておくと、細胞の中に含まれる樹液やアクが水の中に溶け出していきます。
これにより不純物が抜け、通気性が向上した木材へと変化します。
この木材は、たとえびしょ濡れだったとしても、乾燥のスピードは劇的に速くなり、さらには身が締まった良質な材へと変化するのです。
貯木場が河口にあるのも同じ理由
建築物などに用いられる木は、切り出した後に「貯木場」という場所に蓄えられます。
この貯木場はかつて、河口などで木をプカプカ浮かべた状態で保管されていましたが、これも水中乾燥のメリットを最大限に活かすためでした。
海の流木もよい薪になる
薪を手に入れるのは、なにも淡水の池や川だけではありません。
実は海岸もまた、絶好の薪拾いスポットになります。
砂浜に打ち上げられた流木たちは、強烈な日光と潮風によって、非常に効率よく乾燥が進んでいるからです。
さらに、海岸の流木にはミネラル分をたっぷりと吸収しているため、「青や緑の炎」が発生します。
市販の薪ではまず味わえない天然の光の演出です。
干上がった池は天然の貯木場

干上がった野池は、まさに数年間にわたって水が木を育ててくれた「天然の貯木場」そのもの。
特に、擁壁に打ち上げられた白化した流木は、割って乾燥させれば高級薪にも引けを取らない素晴らしい熱源へと生まれ変わります。
自然の猛威がもたらしたこの貴重な恵みを、私たちは一滴も無駄にすることなく、冬のキャンプを支える力強い炎に変えていこうと思います。






