アイアンサイト(Iron-Sight)
アイアンサイトは銃に取り付ける照準器(Sight)の一種です。”Iron”(鉄)の名の通り、スコープやドットサイトなどと違ってレンズを使わずに金属(またはプラスチック)のみで作られています。
アイアンサイトの構造
アイアンサイトは、機関部上部に取り付けた照門(リアサイト)から、銃身の先に付けた照星(フロントサイト)をのぞき込み、照星をターゲットに合わせることで照準を付けます。このとき照星と照門の位置関係は水平ではなく照門の方が少し高めになっており、照門と照星を合わせた時に銃口が上がるようになっています。
アイアンサイトは古くから存在する照準器なので、スコープやリフレクタサイトといった光学照準器も劣っているように思われがちですが、造りがシンプルで頑丈なので故障しにくく、照準が狂いにくいといった長所を持ちます。
また、照準を付けたときの視野がスコープよりも広いため、例えば『ヒヨドリやキジバトを待ち伏せして、5m範囲で狙う』ような狩猟スタイルであれば、高倍率のスコープを使うよりもアイアンサイトの方が狙いが付けやすいといえます。
アイアンサイトの種類
アイアンサイトには色々な種類があり、最も一般的な凹型をした照門はオープンサイトと呼ばれ、特に拳銃などの照準器として広く利用されています。エアライフルの照門としてはドーナツ型をしたピープサイトが人気です。このピープサイトは、『人間が円状のものを覗き込む(ピープした)とき、無意識的に視点が円の中心に動く』という生理現象を利用しており、通常のオープンサイトよりも照準を付ける時間を短縮できます。
ピープサイトの中には、照門の円を大きくしたゴーストリングサイトや、逆に円を針のように小さくしたマイクロサイトがあります。ゴーストリングサイトは視野が広くなるため、ピープサイトよりも近距離射撃に向いています。マイクロサイトは目に入る光の量を少なくして、近くの物(照星)と遠くの物(標的)の両方にピントを合わせる効果があり、スポーツ射撃(10m固定標的射撃)の照準器として利用されています。マイクロサイトは視野が極端に狭く(&暗く)なるため、狩猟用に用いられることはありません。
アイアンサイトのゼロイン
アイアンサイトのゼロイン調整は、照門の高さと横をネジで回して調整します。
エアライフル用語集