トリガー(Trigger)
引き金(トリガー)は銃から弾を発射する入力となる部品です。銃から弾が発射されるメカニズムは銃の種類やメーカーなどによって違いますが、基本的には引き金、逆鉤(ぎゃっこう:シアー)、撃鉄(ハンマー)という3つの部品が組み合わさってできており、これらはまとめてトリガーシステムと呼ばれます。
弾が発射されるメカニズム
トリガーシステムでは、引き金は逆鉤と噛み合わせさっており、さらに逆鉤は撃鉄とかみ合っています。引き金を引くと逆鉤と撃鉄の噛み合いが外れ、撃鉄に仕込まれたバネ(ハンマースプリング)が立ち上がって、前方に設置された撃針(ファイアリングピン)を叩きます。撃針はさらに前方に固定された実包の雷管を叩くことで、火薬が燃焼して弾が発射されます。
エアライフルの場合においてもトリガーシステムの基本的な構造は変わりません。ただし装薬銃と違って実包は無いため、撃鉄が叩く先はプレチャージ機構の場合はエアシリンダーのバルブ、スプリングピストン機構の場合はピストンになります。なおエアライフルの撃鉄はストライカーと呼ばれています。
引き金の距離・重さ
銃の発射機構は銃の種類やメーカーなどによって様々ですが、最も単純化すると、引き金、逆鉤、撃鉄の3つで説明ができます。引き金が引かれて動かなくなるまでの長さは、それぞれテイクアップ、クリープ、オーバートラベルと呼ばれ、射手の好みによって調整できます。
また引き金には、逆鉤と撃鉄の噛み合いが外れるまでにかける重さを調整することができ、この重さはプルレングスと呼ばれます。プルレングスは軽くなればなるほど指をかけてから弾が発射されるまでの感度が高くなりますが、暴発の危険性が高くなるため狩猟用ではプルレングスを重めで、スポーツ射撃用では軽めで調整されます。一般的には狩猟用で1.8~2kg、スポーツ用で1.5kgで調整されることが多いようです。感度調整トリガーではプルレングスを変えられるタイプもありますが、暴発の危険性が高くなるため調整は銃砲店で行ってもらうようにしましょう。
ツーステージトリガー
近年発売されている銃の引き金の多くは、ツーステージトリガーと呼ばれるタイプが採用されています。これは引き金が逆鉤とかみ合ってから撃鉄が落ちるまでのテイクアップにおいて『引き初めは軽く、撃鉄が落ちる寸前に重くなる』といった、重さが2段階に変化するトリガーです。
ツーステージトリガーの長所は、引き金を限界まで引き絞った状態で静止できるため、ジックリと照準をつけることができます。また発射後に引き金から指を外すとすぐに元の位置に戻るので、セミオートタイプの銃では連射速度が向上します。ただし、突然獲物が飛び出して焦って引き金を引いてしまうと、重さの違いで無駄に力が入ってしまい、引き金を引いた瞬間に照準がブレてしまうガク引き(トリガースナッチ)を起こしてしまう場合があります。
感度調整型トリガー
トリガーシステムの中にはユーザーが簡単な工具を使って引き金の距離や重さを変更できる感度調整型トリガーと呼ばれるタイプもあります。
ただし感度調整型トリガーは不用意にいじると暴発の原因になる可能性があるため、初心者の内は銃砲店で調整してもらうようにしましょう。
エアライフル用語集